本書は,最近の表面分析と表面科学の急速な発展と表面処理技術の多様化を背景に,接着,
塗装,電子材料等の分野における表面・界面の研究成果を集大成したものである。さらに,
伝統的な下地処理技術を科学的に解明するとともに,先端的な表面改質の材料開発への応用を
積極的に推進することを目的とした。
なお下地処理に限定せず,接着,粘着,塗装,あるいは金属の表面処理の最新の技術につい
ても折り込むことができた。下地処理は,溶媒や化学薬品の使用比率が高い分野であり,この
改善も内外から強く迫られている。
21世紀は,ラ行で始まる言葉がキーワードになるといわれている。すなわち生産,使用量の
レデュース(Reduce),可能な限りの製品のリユース(Reuse),あるいは資源,エネルギー有効
利用のリサイクル(Recycle),さらにこれにリペア(Repair),不要不急物や有害物のリジェク
ト(Reject),製品のロングサービス化(Longer service life)なども加えることができる。
世界的な規模での環境問題や資源枯渇への意識の高まりは,このような状況に,情報の開示,
環境との共生と継続的な改善,また革新的な技術変革を迫っている。
本ハンドブックは上記の状況にこたえるため,学会,産業界の第一線の方々に全面的な書き
下ろしをはじめとするご協力を仰ぎ編集されたものである。その特徴は:
1)最新の技術,科学的知見の集大成,
2)環境への負荷低減,
3)時代の変革にこたえる技術的取組み,
4)最先端の応用を含み幅広い分野を網羅,
5)可能な限りノウハウにも踏み込んだ記述,
などにある。質の高い内容を多く盛り込み得たと自負しており,また本書が広く,長く,実際
に役立つことを切望している次第である。当該分野の研究者,技術者の座右の書となることを
期待してやまない。
2000年1月7日 「表面処理技術ハンドブック -接着・塗装から電子材料まで」編集委員会
|