環状・筒状超分子新素材の応用技術
Application Technologies of Novel Ring- and Tube-Based Supramolecular Materials
[コードNo.2006T485]

■監修/ 高田十志和(東京工業大学 教授)
■体裁/ B5判 246ページ
■発行/ 2006年 1月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

最近注目される、環や筒、管(チューブ)の特徴を活かした新しい超分子材料開発の全容!
環・筒・管状超分子新素材の基礎と最先端の利用技術・応用技術を実験項も含めて詳述!

※ 本書籍はご試読頂けません ※

刊行にあたって
 超分子を材料とみなして書かれた書物は多くない。CMC社のこのシリーズには、1998年に緒方先生らが『機能性超分子』(CMCテクニカルライブラリー153)というタイトルで導電性ポリマーも含めた非常に幅広い観点でまとめたものがある。そもそも超分子と呼ばれるものの範囲は広く、例えば生体系は超分子の大集団で構成されているし、多くの材料はまさに分子間相互作用でその材料たる物性を示している。もはや超分子と一言でくくるにはあまりに膨大な分野・物質群となっている。超分子であることに必須の要件である分子間相互作用という観点で材料を眺めることは非常に重要なことである。分子設計・材料設計の基礎を築く上で有用だからであり、分子間相互作用を科学する超分子科学の重要性がそこにある。
 本書では、輪(わ)・筒(つつ)・管(くだ)と、これまであまり取り上げられなかった切り口で、超分子材料を眺めている。こうした閉鎖系の成分を含む材料は、常に三次元的な要素をもっている。一つの材料要素に「うち・そと」があり、場合によっては一つの原子が内と外の両方に顔をのぞかせているため、非常にユニークな特徴を持つことが多い。また、輪や筒の中を貫通するものがあると、それは強い共有結合の力も弱い分子間相互作用の力も必要としないで構成成分を離れないようにすることができる。いわゆる機械的な結合である。このような独特の性質・機能を持つ輪・筒・管を切り口としてまとめることもまた、新しいものの見方、そして新しい材料設計をする上で極めて意義があると考える。
 今回本書を計画するに当たって、「みずみずしい研究の成果を豊富に載せたい」との思いから、第一線で実際に活躍中の研究者の方にその基礎から応用までを執筆願った。また、重要な実験方法は実験項として本文中に載せていただいた。興味深い、また役立つ書物になったと自負している。企業研究者、大学研究者の座右の書たらんことを願う。
(高田十志和 本書「はしがき」)より)

著者一覧
高田十志和東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻 教授
須崎裕司東京工業大学 資源化学研究所 博士後期課程
小坂田耕太郎東京工業大学 資源化学研究所 教授
木原伸浩神奈川大学 理学部 化学科 教授
清水敏美(独)産業技術総合研究所 界面ナノアーキテクトニクス研究センター 研究センター長
浅川真澄(独)産業技術総合研究所 界面ナノアーキテクトニクス研究センター 主任研究員
古荘義雄(独)科学技術振興機構 ERATO八島プロジェクト グループリーダー
伊藤耕三東京大学 大学院新領域創成科学研究科 基盤科学研究系 教授
由井伸彦北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 教授
圓藤紀代司大阪市立大学 大学院工学研究科 化学生物系専攻 助教授
原田明大阪大学 大学院理学研究科 教授
増田光俊(独)産業技術総合研究所 界面ナノアーキテクトニクス研究センター 主任研究員;(独)科学技術振興機構 CREST
中川勝東京工業大学 資源化学研究所 助教授
高原淳九州大学 先導物質化学研究所・大学院工学府 教授
井上望九州大学 大学院工学府 修士2年
英謙二信州大学 大学院総合工学系研究科 教授
中嶋直敏九州大学 大学院工学研究院 教授
佐野正人山形大学 工学部 助教授
竹延大志東北大学 金属材料研究所 低温電子物性学研究部門 助手
岩佐義宏東北大学 金属材料研究所 低温電子物性学研究部門 教授
世古和幸名古屋大学 大学院工学研究科 量子工学専攻 産学官連携研究員
齋藤弥八名古屋大学 大学院工学研究科 量子工学専攻 教授

構成と内容
第1章環・筒・管の特性を活かした超分子材料(高田十志和)
1はじめに
2環・筒・管
3環・筒・管の特性を活かした超分子材料
 
<基礎編>
第2章ロタキサン、カテナン(須崎裕司、小坂田耕太郎)
1はじめに
2ロタキサンの合成
3カテナンの合成
4ロタキサン、カテナンの機能
5おわりに
6実験項
 
第3章ポリロタキサン、ポリカテナン(木原伸浩)
1はじめに
2共有結合型ポリロタキサン
2.1シクロデキストリンを輪コンポーネントとするポリロタキサン
2.2ククルビットウリルを輪コンポーネントとするポリロタキサン
2.3クラウンエーテルを輪コンポーネントとするポリロタキサン
2.4ビピリジニウム塩と電子密度の高い芳香環との相互作用を利用するポリロタキサン
3空間結合型ポリロタキサン
4ポリカテナン
4.1ポリ[2]カテナン
4.2ポリ[n]カテナン
 
第4章有機ナノチューブ(清水敏美)
1はじめに
2孤立した有機ナノチューブ構造の分類
2.1剛直ならせん状分子
2.2環状分子
2.3ロゼット型分子
2.4両親媒性分子
3両親媒性分子の自己集合様式
4脂質ナノチューブにおける内径、外径、長さ、形態制御
4.1内径制御
4.2外径制御
4.3長さ制御
4.4形態制御
5脂質ナノチューブの中空シリンダーの特性と機能
5.1束縛水の極性と構造
5.210〜50nmスケールのゲスト物質包接機能
6脂質ナノチューブ1本の機械的物性とマニピュレーション
7分子集合を起点とした金属酸化物ナノチューブやハイブリッドナノチューブの創製
8将来展望
 
<応用編>
T(ポリ)ロタキサン、(ポリ)カテナン
第5章分子素子・分子モーター(浅川真澄)
1はじめに
2電気化学的に可逆的にスイッチするカテナン分子素子
3化学的酸化還元によって駆動するリニア分子モーター
4溶媒蒸気によるロタキサンの動きを利用したパターニング
5光によって駆動するロタキサンを利用した液滴輸送
6まとめ
 
第6章可逆的架橋ポリロタキサン(古荘義雄)
1はじめに
1.1可逆的な架橋/脱架橋プロセスによるポリマーのリサイクル
1.2ポリロタキサンネットワーク
1.3動的共有結合の化学
1.4ジスルフィド結合の可逆的性質を利用したロタキサン合成
2可逆的架橋ポリロタキサン
2.1ジスルフィド結合を持つポリロタキサンネットワークの合成
2.2架橋率のゲル物性に及ぼす影響
2.3ポリロタキサンエラストマーの合成
2.4ポリロタキサンネットワークのリサイクリング
3おわりに
4代表的実験例
 
第7章ポリロタキサンゲル(伊藤耕三)
1はじめに
2環動ゲルの作成法
3応力−伸長特性
4小角中性子散乱パターン
5準弾性光散乱
6環動ゲルの応用
 
第8章ポリロタキサンによる先端医療への挑戦(由井伸彦)
1はじめに
2ポリロタキサンによる生体との多価相互作用の亢進
3ポリロタキサンによる遺伝子送達
4おわりに
 
第9章ゴム状ポリカテナン(圓藤紀代司)
1はじめに
2環状ジスルフィドの重合
3環状ジスルフィドポリマーの諸性質
3.1熱的性質
3.2動的粘弾性
3.3ポリマーの光分解
4形状記憶特性
5おわりに
 
Uナノチューブ
第10章シクロデキストリンナノチューブ(原田明)
1はじめに
2分子チューブの設計
3シクロデキストリン分子チューブの設計と合成
4分子チューブの性質
5疎水性チューブの合成
6超分子ポリマーの形成
7まとめ
 
第11章脂質ナノチューブのサイズ制御と内・外表面の非対称化(増田光俊)
1はじめに−ナノチューブのサイズ・表面制御の重要性−
2従来の脂質ナノチューブのサイズ制御とその問題点
3くさび型の非対称双頭型脂質が形成するマイクロ・ナノチューブ
4マイクロ・ナノチューブ中での分子配列
5ナノチューブの内径制御
6選択的なカプセル化を目指した内表面制御とナノ微粒子、タンパクの包接
7ナノチューブの選択的な合成
8おわりに
 
第12章磁性金属ナノチューブ(中川勝)
1はじめに
2繊維状分子集合体の形態制御
3繊維状分子集合体の形成機構
4無電解めっきの鋳型機能
5Ni-P中空マイクロ繊維の物性
6おわりに
 
第13章イモゴライトナノチューブ(高原淳、井上望)
1はじめに
2イモゴライトの構造と性質
3イモゴライトを用いたポリマーハイブリッド
4イモゴライトを用いたハイブリッドゲル
 
第14章ゾル・ゲル重合法による金属酸化物ナノチューブ(英謙二)
1はじめに
2ゲル化剤
3ゾル・ゲル重合による金属酸化物の作製
3.1シリカナノチューブ
3.2チタニア、酸化タンタル、酸化バナジウムのナノチューブ
3.3チタニアへリックスナノチューブ
3.4L-バリン誘導体によるチタニア、酸化タンタルナノチューブ
4おわりに
 
Vカーボンナノチューブ
第15章可溶性カーボンナノチューブ(中嶋直敏)
1カーボンナノチューブの可溶化の重要性
2カーボンナノチューブの構造・基本特性
3カーボンナノチューブの合成・精製法
4カーボンナノチューブの可溶化と機能化
4.1共有結合による可溶化
4.2サイドウオールへの物理吸着(非化学結合)による可溶化(あるいはコロイド分散)
4.2.1界面活性剤ミセルによる可溶化・機能化
4.2.2多核芳香族化合物による可溶化と機能化
5ポリマー・SWNTナノコンポジット
6DNAおよびRNAとCNTのナノコンポジット
7SWNTのキラリティ分離
8ナノチューブ複合による液晶、ゲル形成
9ナノチューブラセン状超構造体
10まとめと将来展望
 
第16章カーボンナノチューブのバイオ応用(佐野正人)
1はじめに
2CNTの化学構造と特性
3CNTの水への分散化と安定性
4バイオ分子によるCNTの表面修飾
4.1糖質
4.2核酸
4.3タンパク質
5バイオセンサーへの応用
5.1電気化学センサー
5.2FETセンサー
6化学修飾CNTの細胞レベルでの応用
7おわりに
 
第17章有機分子を内包したナノチューブ(竹延大志、岩佐義宏)
1はじめに
2内包ナノチューブ
3有機分子内包ナノチューブの合成
4構造
5電子状態
5.1ナノチューブの光吸収スペクトル
5.2有機内包ナノチューブの光吸収スペクトル
6キャリア数制御
7まとめ
 
第18章カーボンナノチューブ電子源(世古和幸、齋藤弥八)
1電界放出とカーボンナノチューブの特長
2電界放出顕微鏡法によるCNTエミッタの特性評価
2.1先端の閉じたCNTの電界放出パターン
2.2電子線干渉縞
2.3単一の五員環からの電界放出電子のエネルギー分布
2.4単一の五員環から放出された電子線の輝度
3透過電子顕微鏡による動的観察
3.1電界印加中のCNTの挙動
3.2電界印加中のCNTの挙動パターン
3.3電界放出中の二層CNT束の挙動
3.4各種CNTの電界放出の電流-電圧特性
4CNTの構造と残留ガスの影響
5CNTエミッタの電子放出均一性
6ディスプレイへの応用
6.1CNT陰極の作製
6.2ランプ型デバイス
6.3フラットパネル型デバイス
7X線源への応用
 

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