RF MEMS技術の最前線
―ワイヤレス時代のキーテクノロジー―
Frontier of RF MEMS Technology
―Key Technology in Wireless Age―
[コードNo.2006T496]

■監修/ 大和田邦樹(国際標準化工学研究所 所長)
■体裁/ B5判 224ページ
■発行/ 2006年 4月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

ワイヤレス通信向けの新しいアプリケーションとして注目!
携帯電話や無線LANなどの高周波帯への応用が活発化!

※ 本書籍はご試読頂けません ※

刊行のねらい
 最近、低損失なRFスイッチやRFバラクタを実現できる技術としてRF MEMS技術が注目されている。MEMS技術は半導体集積回路技術にMEMS固有のプロセス技術を付加することにより、基板上で機械的動作可能な構造を実現するものである。MEMSによりマイクロセンサ、マイクロアクチュエータ、光スイッチ、バイオチップ、ケミカルチップなどの分野で多くの革新的なデバイスが生み出されてきた。
 RF MEMSはこのMEMS技術をマイクロ波・ミリ波帯で使用される無線通信用部品に応用したものである。RF MEMS技術により低損失、高Qのスイッチ、バラクタ、インダクタ等の部品が開発された。さらに、これらスイッチやバラクタを使ったチューナブルフィルタ、フェーズシフタなどの回路も開発され、可変RFフロントエンドシステムやフェーズドアレイレーダなどへの応用の期待が高まっている。RF MEMS技術はまさに、ワイヤレス時代のキーテクノロジーと位置付けられよう。
 本書は我が国におけるRF MEMS研究開発の最前線を紹介するものである。各章を最前線の研究者が執筆し、これからRF MEMSの開発に取り組む若手開発者やRF MEMSの知識を深めたい応用分野の担当者を対象にRF MEMS技術とその応用分野についてわかりやすく説明する。

 本書が読者のRF MEMSデバイス開発の一助になれば、著者らの幸いである。(巻頭言より抜粋)
2006年4月 大和田邦樹

執筆者一覧(執筆順)
大和田邦樹国際標準化工学研究所 所長
前田龍太郎(独)産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 グループ長
小林健(独)産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 研究員
神野伊策京都大学 工学研究科 マイクロエンジニアリング専攻 助教授
三原孝士オリンパス(株) 未来創造研究所 研究コーディネーター
鈴木健一郎立命館大学 理工学部 マイクロ機械システム工学科 教授
佐野浩二オムロン(株) 技術本部先端デバイス研究所 マイクロマシニンググループ 主事
曽田真之介三菱電機(株) 先端技術総合研究所 センシング技術部 MEMSプロセスグループ 研究員
中谷忠司(株)富士通研究所 ストレージ・インテリジェントシステム研究所 メディアデバイス研究部 研究員
中西淑人松下電器産業(株) ネットワーク開発センター 主任技師
佐藤良夫(株)富士通研究所 フェロー
吉田幸久三菱電機(株) 先端技術総合研究所 センシング技術部 MEMSプロセスグループ 専任
李相錫三菱電機(株) 先端技術総合研究所 センシング技術部 MEMSプロセスグループ Research Scientist
寒川潮松下電器産業(株) 先端技術研究所 研究員
楢橋祥一(株)NTTドコモ ワイヤレス研究所 無線回路研究室 室長
原晋介大阪市立大学 大学院工学研究科 教授
チャントゥアンコク大阪大学 大学院工学研究科 大学院生
中谷勇太(株)富士通研究所 ワイヤレスシステム研究所 RFソリューション研究部 研究員
井田一郎(株)富士通研究所 ワイヤレスシステム研究所 RFソリューション研究部 研究員
大石泰之(株)富士通研究所 ワイヤレスシステム研究所 RFソリューション研究部 部長
中村陽登(株)アドバンテスト研究所 第2研究部門 RF部品研究室

構成と内容
T総論
第1章MEMS技術の概要(大和田邦樹)
1MEMSとは
2MEMS開発の歴史
3MEMSのグループ別代表デバイスと応用分野
4MEMS技術の特徴、技術分野と専門用語
5MEMSの国際標準化
 
第2章RF MEMS技術の概要(大和田邦樹)
1RF MEMSとは
2RF MEMS開発の歴史
3RF MEMSの構造例
4RF MEMSの利点
4.1RF MEMSとGaAs回路、SiGe回路、またはCMOS回路との集積化
4.2RF MEMSのリニアリティと相互変調歪積
 
Uプロセス技術
第1章プロセス基盤技術(前田龍太郎、小林健)
1はじめに
2マイクロマシニングの流れ
3ウエハ準備
4成膜(付着加工)
4.1熱酸化(シリコン酸化膜の成膜)
4.2CVD法
4.3物理蒸着法
4.4めっき法
4.5アディティブ法とサブトラクティブ法
4.6ドーピング
5フォトリソグラフィーによる微細パターニング
6除去加工(エッチング)
6.1ウエットエッチング
6.2ドライエッチング
6.3サーフェスマイクロマシニング
7パッケージング
7.1ウエハレベルパッケージの重要性
7.2ウエハレベル接合
7.2.1陽極接合(Anodic Bonding)
7.2.2シリコン直接接合(Silicon direct bonding or fusion bonding)
7.2.3その他の結合
7.3封止したデバイスからの電気配線のとりだし
 
第2章RF MEMSのプロセス技術(前田龍太郎、小林健)
1はじめに
2RFスイッチのプロセス技術
3RFフィルターのプロセス技術
4圧電膜の製造法
 
第3章圧電薄膜を用いたRF MEMSスイッチの開発(神野伊策)
1はじめに
1.1圧電マイクロアクチュエータ
1.2圧電駆動MEMSスイッチの特徴
2圧電薄膜成膜プロセス
2.1薄膜材料
2.2成膜プロセスの特徴
2.3スパッタ法によるPZT圧電薄膜の形成
2.4圧電特性評価
3RF MEMSスイッチの作製プロセス
4アクチュエータ特性
5スイッチング特性
6おわりに
 
第4章MEMSファンドリーサービス(三原孝士)
1はじめに
2RF MEMSの特徴とファンドリーへのアプローチ
3MEMSファンドリーインフラ、およびそのネットワークの必要性
4MEMSファンドリーネットワークの誕生と活動
4.1MEMSファンドリーサービス産業委員会の誕生
4.2MEMSファンドリーサービス産業委員会の活動
5産業委員会メンバーのサービス内容の簡単な紹介
6RF MEMSとしてファンドリーを利用する場合の注意事項
6.1どのような段階からファンドリーサービスに依頼するのか?
6.2個別部品型か?集積化MEMSか?
6.3MEMSスイッチの場合はアクチュエータを何に選ぶか?
6.4共同研究・開発の分担をどうするか?
6.5量産を前提としているか?
7おわりに
 
V設計技術
第1章MEMS構造体の力学的設計技術(鈴木健一郎)
1はじめに
2静的解析
2.1静電気力
2.2ばねの復元力
2.3静的釣り合い
3駆動電圧低減化のための設計
3.1ばね定数を変化させる方法
3.2駆動電圧を印加する場所を変化させる方法
3.3構造体を両側に変位させる方法
4マイクロスイッチ設計の実例
5動的解析
6解析シミュレーションソフトウェア
 
第2章MEMS構造体のRF設計技術(鈴木健一郎)
1はじめに
2RF平面導波路
2.1表皮効果
2.2コプレーナ導波路
3Sパラメータ
4並列型スイッチ
5直列型スイッチ
 
Wデバイス技術
第1章単結晶シリコンメンブレン型スイッチ(佐野浩二)
1はじめに
2設計
2.1デバイス構造
2.2静電アクチュエータ設計
2.3パッケージ設計
2.4高周波線路設計
3製造プロセス
4評価結果
5おわりに
 
第2章線路駆動型スイッチとメタルカンチレバー型スイッチ(曽田真之介)
1はじめに
2線路駆動型MEMSスイッチ
2.1構造
2.2作製プロセス
2.3周波数特性
2.4耐電力試験
3メタルカンチレバー型MEMSスイッチ
3.1構造
3.2作製プロセス
3.3高周波特性
3.4耐電力試験
 
第3章単結晶シリコンカンチレバー型スイッチ(中谷忠司)
1はじめに
2素子構造と特長
3作製プロセス
4素子特性
5おわりに
 
第4章簡易トリプル電極構造スイッチ(中西淑人)
1はじめに
2スイッチの現状と課題
3低駆動電圧・高速スイッチの検討
3.1簡易トリプル電極構造スイッチの考案
3.2基本Design
3.3櫛歯部Design
3.4Materials Selection and Characterization
3.5Fabrication
3.6Measurement
4おわりに
 
第5章FBARフィルタ(佐藤良夫)
1FBARの構造と特徴
2FBAR(SMR)開発の歴史
3富士通研究所におけるFBARの開発
3.1開発の背景
3.2圧電薄膜とその製造方法
3.3電極膜について
3.4空洞の形成方法について
3.5ラダー型フィルタの設計方法について
3.6パッケージについて
3.7特性およびSAWフィルタとの比較
4おわりに
 
第6章受動回路素子(吉田幸久)
1はじめに
2中空伝送線路
3集中定数型ハイブリッド回路
 
第7章Dielectric-Air‐Metalキャビティ構造によるソレノイドインダクタと遅延線路(李相錫)
1はじめに
2デバイス構造および作製プロセス
2.1開発背景
2.2デバイス構造
2.3作製プロセス
3試作結果
4高周波特性
5おわりに
 
X応用技術
第1章60GHz帯送・受信フロントエンドモジュール(寒川潮)
1はじめに
260GHz帯送・受信フロントエンドモジュールの設計コンセプト
360GHz帯送・受信ハイブリッドIC
3.1フロントエンド回路ブロック構成
3.2線路・配線構造
3.3インバーテッドマイクロストリップ線路
3.4MSLとIMSL間の線路変換器
3.5IMSLによるバンドパスフィルタ
3.6IMSLによる放射器
3.7フリップチップ実装と実装部構造
3.8送信モジュールの筐体への実装
4誘電体レンズ
5おわりに
 
第2章高効率デュアルバンド増幅器(楢橋祥一)
1はじめに
2モバイルユビキタス
3モバイルユビキタスと移動端末の技術課題
4電力増幅器のマルチバンド化
4.1電力増幅器
4.2マルチバンド化
5帯域切替型整合回路を備えた高効率電力増幅器
5.1帯域切替型整合回路の動作原理
5.2スイッチの特性が与える影響
5.3提案構成の特徴
5.4MEMSスイッチの適用
6900MHz/1900MHz帯デュアルバンド電力増幅器
7おわりに
 
第3章RF MEMSを用いた無線通信端末用適応アンテナ(原晋介、チャントゥアンコク、中谷勇太、井田一郎、大石泰之)
1はじめに
2フェーズドアレーアンテナ
3アンテナ選択ダイバーシティアンテナ
4おわりに
 
第4章計測器応用(中村陽登)
1はじめに
2測定の対象と計測器
2.1周波数とアプリケーション
2.2計測器の構成とデバイス
3RF MEMSの計測器への応用
3.1VCO(発振器)
3.1.1VCO
3.1.2周波数固定の発振器
3.2フィルター
3.3プローブ
3.4スイッチ
3.4.1スイッチの役割と具備条件
3.4.2RF MEMSリレーの種類
3.4.3それぞれの特徴
3.4.4RF MEMSスイッチの問題点
4おわりに
 

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