ホログラフィックメモリーのシステムと材料
Systems, Devices and Materials for the Holographic Data Storage
[コードNo.2006T497]

■監修/ 志村努(東京大学 生産技術研究所 教授)
■体裁/ B5判 247ページ
■発行/ 2006年 4月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

HD-DVD、Blu-rayの次はこれだ!夢のテラバイト光ディスクの実現に乗り遅れるな!!
日本発のブレークスルー技術「コリニア方式」がいよいよ市場投入へ!!
次世代光メモリーの最有力候補!ホログラフィックメモリーのシステム、材料、シミュレーション、光源技術を一堂に掲載!!

※ 本書籍はご試読頂けません ※

刊行のねらい
 波長405nmの青色レーザーを用いた光ディスク(HD-DVD、Blu-ray)の次の世代の光メモリーの候補として、ホログラフィックメモリーへの注目度が高まっている。これまで二度までも死んだかと思われた技術が三たび息を吹き返しつつあるわけで、かつてホログラフィックメモリーを研究されていた方の中には、「今さらホロメモ?」という感想をお持ちの方もあるかもしれない。CDに始まる平面・ビット記録型光ディスクは、光源波長405nmで記録密度の限界に来ており、その次の世代は記録再生の原理を変えなければ壁を打ち破れない、ということはおそらく間違い無い。しかしながら、その新方式がどれも決め手に欠いていることも事実で、その中でホログラフィックメモリーが改めて注目されてきた、ということだろう。とは言え、ただ何もしないでいて注目され始めたわけではなく、これまでのホログラフィックメモリーの失敗の要因を良く分析した、新たなシステムが提案、研究されて、その研究成果が認められてきた、ということが大きな要因になっていると思われる。しかもそれらは日本発の技術である、という点は明記すべきだろう。
 本書では、光メモリー一般の動向についてレビューした後、ホログラフィックメモリーに関する国内の最新の研究・開発の成果を、システム、記録メディア、信号処理、シミュレーション、光源技術、の各分野にわたって解説する。新しい技術の実用化への一つの鍵は、いかに多くの人がその分野で集中的に研究・開発を行うか、であると思う。本書によってホログラフィックメモリー研究・開発の現状を認識してもらい、できればこの分野に新たに参入する研究者が増えて欲しいと考えている。特に現状では、記録メディアの性能、特にダイナミックレンジが記録密度・容量に大きな影響を与えていると考えられ、この面の改良が今最も重要なポイントであり、研究者人口の増加が切に望まれる。
 ホログラフィックメモリーの研究者、特にこれからこの分野に参入しようとしている人々にとって、本書がその一助となれば幸いである。
(志村努、本書「はじめに」より抜粋)

執筆者一覧(執筆順)
横森清(株)リコー 研究開発本部 研究開発企画室
志村努東京大学 生産技術研究所 教授
堀米秀嘉(株)オプトウエア 取締役;CTO
譚小地(株)オプトウエア 技術開発グループ シニアエンジニア
石岡宏治ソニー(株) コアコンポーネント事業グループ コアテクノロジー開発本部 テラバイトメモリー開発部
外石満ソニー(株) コアコンポーネント事業グループ コアテクノロジー開発本部 テラバイトメモリー開発部 1課
田中富士ソニー(株) コアコンポーネント事業グループ コアテクノロジー開発本部 テラバイトメモリー開発部 1課
的場修神戸大学 工学部 情報知能工学科 助教授
岡本淳北海道大学 大学院情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻 助教授
八木生剛日本電信電話(株) フォトニクス研究所 主幹研究員
寺西卓日本ペイント(株) ファインケミカル事業本部 FP部 係長
植田秀昭ダイソー(株) 研究開発本部 研究所 次長
桜井宏巳旭硝子(株) 中央研究所 主幹研究員
平尾明子(株)東芝 研究開発センター 記憶材料・デバイスラボラトリー 主任研究員
藤村隆史東京大学 生産技術研究所 助手
山本学東京理科大学 基礎工学部 電子応用工学科 教授
木下延博日本放送協会 放送技術研究所
ステラ・ランボーディ(元)ソニー(株)
福本敦ソニー(株) コアコンポーネント事業グループ コアテクノロジー開発本部 テラバイトメモリー開発部
山本和久松下電器産業(株) AVコア技術 開発センター 主幹技師
平等拓範自然科学研究機構分子科学研究所 分子制御レーザー開発研究センター 助教授

構成と内容
第1章大容量光メモリーの展開(横森清)
1はじめに
2大容量光メモリーの応用
2.1光ディスク市場の現状
2.2将来応用およびニーズ
3大容量光メモリー技術の現状
3.1技術開発の概要
3.2海外での研究開発例
3.3光メモリー技術の将来
4おわりに
 
第2章システム技術
1ホログラフィックメモリー総説(志村努)
1.1平面ビット記録型光メモリーの限界
1.2ホログラフィックメモリーの原理
1.3多重記録の方式
1.3.1ブラッグ回折
1.3.2角度多重
1.3.3波長多重
1.3.4球面波シフト多重
1.3.5位相コード多重
1.3.6スペックル多重
1.3.7コリニア方式シフト多重
1.4記録媒体
1.4.1フォトリフラクティブ材料
1.4.2フォトポリマー材料
1.4.3記録のスケジューリング
1.4.4ダイナミックレンジ:M/#
1.5ホログラフィックメモリーの歴史と今後の課題
1.5.1誕生と第1次ブーム
1.5.2第2次ブーム
1.5.3フォトポリマーを記録材料としたシステムの登場と現在の状況
1.5.4今後の課題
1.6まとめ
2コリニア方式ホログラフィック光ディスクメモリー:HVDTM(堀米秀嘉)
2.1はじめに
2.2コリニア方式ホログラフィー技術
2.3コリニア方式における記録再生原理
2.4二波長光学系の構成と波長選択反射膜付き光ディスク構造
2.5データページフォーマット
2.6コリニアシフト多重方式
2.7ダイナミック記録再生実験システム
2.8ホログラフィック光ディスクシステム:HVDTM
2.9今後の課題
2.10まとめ
3コリニア方式HVD−ROM大量複製技術(譚小地)
3.1はじめに
3.2従来のホログラフィックROM複製技術の問題点
3.3コリニア方式によるホログラムの複製方式
3.4「面多重記録方式」および位相共役再生によるホログラフィックROMの複製
3.4.1マスターホログラムディスクのカッティング
3.4.2面ホログラムの位相共役再生による一括コピーと面多重記録方式
3.5原理実証実験装置と実験結果
3.6まとめ
4青色ECLD光源とランダム位相マスクを用いたコアキシャルホログラムシステム(石岡宏治)
4.1はじめに
4.2光学系の構成
4.3データパターン
4.4実験
4.5結果
4.6まとめ
5ホログラフィックメモリーの温度トレランスとその改善法(外石満、田中富士)
5.1はじめに
5.2ホログラフィックメモリーの温度変化の影響
5.2.1メディアの膨張・収縮と屈折率変化
5.2.2温度変化が出力画像に与える影響
5.3Littrow型外部共振器付き波長可変レーザ
5.4数値計算と実験による温度変化の解析
5.4.1角度による補正方式
5.4.2波長による補正
5.4.3角度と波長を組み合わせたハイブリッド方式
5.4.4各方式の比較
5.5光束系での温度トレランス
5.6おわりに
6光暗号化によるセキュリティーホログラフィックメモリー(的場修)
6.1はじめに
6.2光暗号化技術
6.3信号光暗号化バルク型ホログラフィックメモリー
6.4参照光暗号化ディスク型ホログラフィックメモリー
6.5まとめ
7光学的リフレッシュ法によるリライタブル記録再生システム(岡本淳)
7.1はじめに
7.2フォトリフラクティブ媒質の記録・消去特性
7.3光学的リフレッシュ技術
7.4空間スペクトル拡散多重記録と多重ホログラムの一括リフレッシュ方式
7.5まとめ
8積層導波路ホログラフィー(八木生剛)
8.1媒体構成
8.1.1層間クロストークの回避
8.1.2積層による信号光強度減衰・劣化の回避
8.1.3入射光由来の迷光回避
8.2媒体製造
8.2.1計算機ホログラム
8.2.2媒体作製
8.3再生光学系
8.3.1開口多重
8.3.2段差ビームサーボ
8.4おわりに
 
第3章記録メディア技術
1ハイブリッド硬化システムを利用したホログラム記録材料(寺西卓)
1.1はじめに
1.2ハイブリッド硬化システム
1.2.1ホログラム記録メカニズム
1.2.2ハイブリッド硬化システム
1.2.3当社材料の特長と性能
1.3当社ホログラム記録材料を用いた用途展開例
1.3.1セキュリティー分野(認証ラベル)
1.3.2光学素子分野-VPHグリズム
1.3.3情報記録分野
1.4おわりに
2ダイソー(株)のホログラム記録材料(植田秀昭)
2.1はじめに
2.2ダイソーホログラム記録材料の特徴
2.3ホログラム記録材料の調製
2.3.1感光層作製
2.3.2配合材料
2.3.3ホログラムの記録
2.3.4記録原理
2.4ホログラム記録特性
2.4.1透過型ホログラム
2.4.2反射型ホログラム
2.4.3増感色素の影響
2.4.4増感色素の濃度効果
2.4.5TEMによる観察
2.5光メモリー
2.6おわりに
3液晶性フォトクロミック材料を用いた光記録材料(桜井宏巳)
3.1はじめに
3.2リライタブル用記録材料の開発動向
3.3基本材料コンセプト
3.4特性評価
3.5ホログラム記録
3.6今後の課題とまとめ
4フォトリフラクティブポリマー(平尾明子)
4.1はじめに
4.2フォトリフラクティブポリマー以外のフォトリフラクティブ材料
4.3フォトリフラクティブポリマー
4.4ホログラフィックメモリーの記録材料としてのPRポリマー
4.5フォトリフラクティブ効果発現の素過程
4.5.1キャリア発生
4.5.2キャリア輸送
4.5.3電気光学効果
52色書き込み不揮発性フォトリフラクティブ結晶(藤村隆史)
5.1はじめに
5.2フォトリフラクティブ効果
5.3ホログラム記録媒体としてのフォトリフラクティブ結晶
5.3.1光学品質
5.3.2保持時間
5.3.3ダイナミックレンジ
5.3.4記録感度
5.4ホログラムの再生劣化とその対処法
5.52色書き込み法による不揮発性ホログラムの記録
5.6不揮発性フォトリフラクティブ結晶の開発状況
5.6.12光子吸収・励起状態吸収を用いた2色書き込み
5.6.2コングルエント組成LiNbO3結晶での2色書き込み
5.6.3ストイキオメトリック組成LiNbO3結晶を用いた2色書き込み
5.6.4Mn添加ストイキオメトリック組成LiNbO3結晶を用いた2色書き込み
5.6.5ストイキオメトリック組成LiTaO3結晶を用いた2色書き込み
5.6.6ダブルドープLiNbO3結晶における2色書き込み
5.7おわりに
 
第4章ホログラフィックメモリーの信号処理(山本学)
1はじめに
2信号品質の劣化要因
3信号品質の劣化に対する信号処理
3.1歪補正
3.2変調符号
4信頼度を用いた信号品質の評価
5信頼度を用いた軟判定ビタビ復号
6おわりに
 
第5章シミュレーション技術
1デジタルホログラム再生のFDTDシミュレーション(木下延博)
1.1はじめに
1.2FDTD法
1.3一様なホログラムの二次元シミュレーション
1.3.1解析モデル
1.3.2波源面
1.3.3観測面での空間周波数領域への変換
1.3.4RCWAとのシミュレーション結果比較
1.4デジタルホログラムの三次元シミュレーション
1.4.1解析モデル
1.4.2デジタルホログラムの記録過程
1.4.3デジタルホログラムの再生過程
1.5おわりに
2コアキシャルホログラムの記録再生シミュレーション(ステラ・ランボーディ、福本敦)
2.1はじめに
2.2シミュレーションの手法
2.2.1シミュレーション条件
2.2.2シミュレーションの手順
2.2.3SNRの計算
2.3シミュレーション結果と考察
2.3.1シミュレーションプログラムと数値パラメータの検証
2.3.2z方向のホログラム媒体位置、厚み依存性の評価
2.3.3記録再生トレランスの評価
2.4まとめ
 
第6章光源技術
1ホログラフィックメモリー用光源技術(山本和久)
1.1はじめに
1.2ホログラフィックメモリーに求められるもの
1.3小型短波長レーザとホログラフィックメモリーへの適用性
1.4半導体レーザ
1.4.1GaN半導体レーザ
1.4.2半導体レーザの波長ロック技術
1.5SHGレーザ
1.5.1分極反転とバルク型SHG素子
1.5.2導波路型SHGデバイス
1.6ホログラフィック光メモリーへの展開
1.7将来光源技術
1.8おわりに
2単一周波数マイクロ固体レーザー(平等拓範)
2.1レーザー光の指標
2.2固体レーザー材料
2.3マイクロ固体レーザーの基本特性
2.3.1単一モード発振
2.3.2複合共振器による単一モード化
2.3.3波長可変化
2.4光メモリー用単一レーザー
2.4.1波長可変内部共振器SHG型Yb:YAGレーザー
2.4.2受動QスイッチNd:YAGレーザー
2.5まとめ
 
付録波長多重ホログラフィック光メモリーへの応用
 

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