プラズモンナノ材料の設計と応用技術
Recent Advances on Design and Applications of Plasmonic Nanomaterials
[コードNo.2006T502]

■監修/ 山田淳(Supervisor:Sunao Yamada)
■体裁/ B5判 330ページ
■発行/ 2006年 6月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

最近話題の「プラズモニクス」の基礎理論から応用までを網羅した日本初の成書!
「プラズモニクス」研究開発の第一線で活躍中、37名による分担執筆!

※ 本書籍はご試読頂けません ※

はじめに
 伝統的なガラス工芸品である薩摩切子などには、「金赤」で代表されるように、金属微粒子がガラスの着色剤として使われている。金の微粒子が、何とも味わい深い赤色を生み出すのである。この現象こそ、表面プラズモン共鳴によるものである。表面プラズモンを設計し応用する科学技術分野はプラズモニクス(plasmonics)と呼ばれ、ここ数年の間で世界的な高まりを見せている。その主な理由として、光の回折限界を打ち破るナノ領域での光制御を可能にする最有力の技術であること、金属ナノ構造(ナノ粒子や規則的ナノ構造)を理論、実験の両面から設計・創製・解析する技術が発展したことが挙げられる。すでに、金属ナノ構造で起こる局在型表面プラズモン共鳴(局在プラズモン共鳴とも呼ぶ)は、表面増強ラマン散乱(SERS)をはじめとする優れた局所分光計測技術を生み出している。金属ナノ構造と光が生み出す現象は、無限の可能性を秘めている次世代の光科学技術なのである。
 プラズモニクスは物理学だけでなく、化学、電子工学、生物学など、多くの分野が対象となる学際的な研究分野である。こうした背景から、本書の執筆者の幾人かが結集して2003年に「プラズモニクス研究会」が設立され、産学一体となった活発な情報交換が展開されるようになった。
 本書「プラズモンナノ材料の設計と応用技術」は、上記のように、ここ数年急速に発展しているプラズモニクスの中核となるナノ構造の設計技術、分光計測技術、バイオ応用技術、フォトニクス応用技術の分野で先導的研究を展開している研究者に、最新の研究成果と関連分野の話題を中心に、“わかりやすく”、を合言葉に執筆いただいたつもりである。本書が、これから表面プラズモンを研究し利用しようとしている方々のために少しでも貢献できれば幸甚である。
2006年5月 山田淳

執筆者一覧(執筆順)
林真至神戸大学 工学部 電気電子工学科 教授
桑原穣熊本大学 大学院自然科学研究科 物質生命科学専攻 助手
寺崎正(独)産業技術総合研究所 九州センター、実環境計測・診断研究ラボ 研究員
寺西利治筑波大学 大学院数理物質科学研究科 教授
平田寛樹三菱マテリアル(株) 開発部門 技術開発室 技術主幹
石橋秀夫日本ペイント(株) ファインプロダクツ事業部
秋山毅九州大学 大学院工学研究院 応用科学部門(分子) 助手
山田淳九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門(分子) 教授
立間徹東京大学 生産技術研究所 助教授
沢井良尚北海道大学 大学院理学研究科 博士課程
加賀祐介北海道大学 大学院理学研究科 修士課程
村越敬北海道大学 大学院理学研究科 教授
上野貢生北海道大学 電子科学研究所 助手
三澤弘明北海道大学 電子科学研究所 教授
田丸博晴東京大学 先端科学技術研究センター フォトニクス材料分野 助手
岡本裕巳自然科学研究機構 分子科学研究所 分子構造研究系 教授
朝日剛大阪大学 大学院工学研究科 助教授
宇和田貴之大阪大学 大学院工学研究科 博士課程後期
二又政之(独)産業技術総合研究所 界面ナノアーキテクトニクス研究センター 主任研究員
丸山芳弘(株)浜松ホトニクス 筑波研究所 部員
石川満(独)産業技術総合研究所 健康工学研究センター チーム長
新留康郎九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 助教授
池羽田晶文関西学院大学 理工学部 化学科 博士研究員
尾崎幸洋関西学院大学 理工学部 化学科 教授
大澤雅俊北海道大学 触媒化学研究センター 教授
石田昭人京都府立大学 人間環境学部 環境情報学科 助教授
藤井亜矢子京都府立大学 人間環境学部 環境情報学科 大学院生
佐藤保信(独)理化学研究所 前田バイオ工学研究室 基礎科学特別研究員
細川和生(独)理化学研究所 前田バイオ工学研究室 先任研究員
前田瑞夫(独)理化学研究所 前田バイオ工学研究室 主任研究員
河済博文近畿大学 産業理工学部 生物環境化学科 教授
遠藤達郎東京工業大学大学院 総合理工学研究科 メカノマイクロ工学専攻 助手
民谷栄一北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 教授
岡本隆之(独)理化学研究所 河田ナノフォトニクス研究室 先任研究員
梶川浩太郎東京工業大学 大学院総合理工学研究科 助教授
高原淳一大阪大学 大学院基礎工学研究科 助教授
福井萬壽夫徳島大学 大学院ソシオテクノサイエンス研究部 先進物質材料部門 教授

構成と内容
第1章入門:伝播型プラズモンと局在型プラズモン(林真至)
1はじめに
2金属の誘電関数(負の誘電率とは?)
3伝播型表面プラズモン
4局在型プラズモン
5電場増強効果
【合成と色材としての応用編】
第2章金ナノ粒子のボトムアップ作製法(桑原穣、寺崎正)
1はじめに
2還元試薬による金ナノ粒子作製法
2.1クエン酸を利用した作製法
2.2強い還元剤(NaBH4、NH2NH2)を利用した作製法
2.2.1界面活性剤を保護剤とした作製法
2.2.2含硫黄化合物を保護剤とした作製法
2.3りん化合物を利用した作製法
2.4アルコール還元による作製法
3紫外線還元による金ナノ粒子作製法
4超音波還元による金ナノ粒子作製法
5最近のトピックス
5.1銀ナノ粒子の形状制御
5.2形状防御された銀ナノ粒子を鋳型とする金ナノ粒子の作製
5.3金ナノ粒子の形状制御
第3章金属ナノ粒子の粒径制御・二次元構造制御(寺西利治)
1はじめに
2金属ナノ粒子の粒径制御
3金属ナノ粒子の二次元構造制御
3.1溶媒乾燥による自己組織化二次元超格子の形成
3.2配位子間相互作用を利用した二次元超格子の形成
3.3有機・無機テンプレートを利用した一次元・二次元超格子の形成
3.4三次元格子の形成
4将来展望と謝辞
第4章金ナノロッドの合成・特性と応用展開について(平田寛樹)
1金ナノロッドとは?
2合成方法
3電気化学的合成法
4光合成法(化学還元+光照射)
5化学還元法
6金ナノロッド塗料化
7金ナノロッドフィルム特性
8導電性
9まとめ
10おわりに
第5章色材分野における金属ナノ粒子の最近の開発動向(石橋秀夫)
1はじめに
2金ナノ粒子の発色のメカニズム
3金属ナノ粒子の調製法
4金ナノ粒子の高耐熱性赤色着色剤としての応用
5金、銀ナノ粒子の塗料用着色材料としての応用
6複合金属ナノ粒子の開発による色域の拡大
7複合金属ナノ粒子による高意匠の発現(リクルゴス酒杯の意匠の再現)
8おわりに
【金属ナノ構造の設計と応用編】
第6章金ナノ構造電極の設計と光電変換への応用(秋山毅、山田淳)
1はじめに
2表面プラズモンを用いた色素励起と光電変換
3三次元金ナノ構造を用いた光電変換と表面プラズモンの効果
4おわりに
第7章金属―半導体ナノ複合材料とプラズモン光電気化学(立間徹)
1はじめに
2プラズモン誘起電荷分離
3金属―半導体なの複合材料の作製
4光電変換への応用
5光触媒への応用
6パターニングへの応用
7マルチカラーフォトクロミズムへの応用
8光電気化学アクチュエータ/光変形材料への応用
9おわりに
第8章固体表面における金属2次元配列微小構造制御と局所情報取得(沢井良尚、加賀祐介、村越敬)
1はじめに
2金属薄膜の溶液内非接触光・電場変形による光学特性変化と局所分子情報取得
3二次元規則配列金属微粒子構造の作製と多点同時分子分光情報取得の試み
3.1二次元規則配列金属微粒子構造の作製
3.2二次元規則配列金属微粒子構造におけるSERS応答
4分子配向制御可能な単一SERS活性サイトの位置選択的形成
5おわりに
第9章電気ビームリソグラフィを用いる金属ナノ規則構造の設計・作製とその光学特性(上野貢生、三澤弘明)
1はじめに
2電子ビームリソグラフィによる金属ナノ構造体の作製
3金属ナノ構造の電子顕微鏡観察による評価
4微細加工により作製した金属ナノ構造体の光学特性
5おわりに
【ナノ粒子の光・電子特性編】
第10章単一金属ナノ粒子の光散乱特性:数値計算による実験の評価(田丸博晴)
1はじめに
2レイリー散乱とミー散乱
3数値計算との比較に基づくサイズ効果を含んだ近似値
4プラズマ共鳴現象の数値計算
5実験との比較
6おわりに
第11章金属ナノ構造におけるプラズモン波動関数の近接場イメージング(岡本裕巳)
1プラズモンの光学的イメージング
2近接場光学顕微鏡
3金属ナノ微粒子のプラズモンモードのイメージング
3.1近接場透過イメージング
3.2近接場二光子励起イメージング
4金属ナノ微粒子集合体における電場の空間分布
5おわりに
第12章単一金ナノ粒子の光散乱スペクトル(朝日剛、宇和田貴之)
1はじめに
2金コロイド溶液吸収と散乱スペクトルと粒子サイズ
3単一金ナノ粒子の光散乱スペクトル
3.1単一ナノ粒子顕微光散乱分光
3.2サイズ依存性
3.3ナノ粒子の局所環境、表面吸着効果
3.4単一ナノ粒子分光・形状測定
4おわりに
【センシング応用技術編】
第13章単一分子感度ラマン分光法の基礎(二又政之、丸山芳弘、石川満)
1はじめに
2単一分子感度ラマンのための接合部の重要性
2.1Blinkingとそのオリジン
2.2弾性散乱に現れる単一分子吸着の証拠
2.3特異的な発光スペクトル
3単一分子金属ナノ構造形成
4今後の展望
第14章単一分子感度ラマン分光技術のデバイス化及び生体分子分析への応用(石川満、二又政之)
1はじめに
2金属ナノ構造形成法
2.1ナノ粒子リソグラフィ(Nanosphere Lithography,NSL)法
2.2電子ビームリソグラフィ法
2.3その他の方法
3応用
3.1NSL,NSOL
3.2その他の金属ナノ構造の利用
4まとめと今後の展望
4.1巨大増強メカニズムの解明と金属ナノ構造形成
4.2バイオ系への適用
第15章金ナノロッドのフォトニクス(新留康郎)
第16章表面プラズモン共鳴近赤外分光センシング(池羽田晶文、尾崎幸洋)
1はじめに
2近赤外分光法
3表面プラズモン共鳴近赤外分光法
4表面プラズモン共鳴の屈折率応答と吸収応答
5金ナノ薄膜と近赤外吸収応答
6従来のNIRスペクトルとの比較
7局在表面プラズモンとSPR―NIR分光法
8おわりに
第17章表面増強赤外分光(大澤雅俊)
1はじめに
2SEIRAの特徴と増強機構
3実験方法
4SEIRASの応用
4.1電極界面の水分子の挙動
4.2Pt電極表面におけるメタノールとギ酸の電解酸化
4.3表面反応の時間分解測定
4.4その他の応用
5おわりに
【バイオセンシング応用技術編】
第18章バイオセンシングのためのナノスペースプラズモン増強蛍光分析(石田昭人、藤井亜矢子)
1はじめに
2プラズモン電場と光応答性分子の相互作用
2.1ポルフィリンSAMの表面プラズモン増強励起
2.1.1伝播性表面プラズモンによる励起
2.1.2局在表面プラズモンによる励起
2.2プラズモン励起のボトルネック
3金属ナノ構造体に局在した表面プラズモン電場による蛍光励起とその応用
3.1ナノアイランド
3.2マイクロ・ナノプリズムアレイ
3.3ナノウェル
3.3.1蛍光消光抑止戦略としてのナノウェル
3.3.2ナノスペース蛍光分析の実証
4おわりに
第19章金ナノ粒子を用いるDNAバイオセンシング(佐藤保信、細川和生、前田瑞夫)
1はじめに
2金ナノ粒子とバイオロジーの接点
3SNPs解析の現状
4DNA担持金ナノ粒子「架橋型凝集反応」
5 DNA担持金ナノ粒子「非架橋型凝集反応」
6金ナノ粒子と表面プラズモン共鳴バイオセンサー
7おわりに
第20章表面プラズモン共鳴(SPR)センサとセンシングナノ構造(河済博文)
1SPRセンサの原理と測定方法
1.1SPRとは
1.2測定方法
2バイオセンシングへの応用
2.1生体分子認識メカニズムの導入
2.2高感度化
3センシングナノ構造の構築
3.1パターニング
3.2局在表面プラズモンとの結合
第21章プラズモンバイオチップ(遠藤達郎、民谷栄一)
1はじめに
2プラズモンバイオチップの作製および諸特性
3プラズモンバイオチップによる非標識生体分子相互作用の検出
3.1抗原・抗体反応の非標識検出および定量
3.2プラズモンバイオチップを用いたDNAの非標識検出および定量
4おわりに
【光学的応用編】
第22章プラズモニック結晶と応用(岡本隆之)
1はじめに
2プラズモニック結晶
3プラズモニック結晶における放射制御
3.1単一界面の場合
3.2金属薄膜の場合
4共鳴透過
5深い格子によるバンドの平坦化
6プラズモニック結晶による蛍光増強
7プラズモニック結晶の有機ELへの応用
8おわりに
第23章表面プラズモンと2次の非線形光学効果(梶川浩太郎)
1はじめに
2非線形光学効果と電気光学効果
3表面プラズモンによる電場増強
4SPR増強光第2高調波発生
4.1電場増強度とSH光強度
4.2伝播型SPR増強SHG
4.3LPR増強SHG
5SPR増強EO効果
6おわりに
第24章プラズモニック導波路(高原淳一)
1はじめに
2プラズモン導波路の構造
2.1基本構造と光閉じ込めの原理
2.22次元光波伝送路
2.2.1負誘電体表面
2.2.2負誘電体薄膜(負誘電体コア平板導波路)
2.2.3負誘電体ギャップ(負誘電体クラッド平板導波路)
2.31次元光波伝送路
2.3.1円柱型負誘電体導波路(負誘電体ロッド)
2.3.2チャネル型およびエッジ型負誘電体導波路
2.40次元光波伝送路
3結合器と光源
4応用
4.1負誘電体材料と周波数特性
4.2伝送距離
4.3ナノ光デバイスへの応用
5おわりに
第25章プラズモンナノ材料とプラズモニクス(福井萬壽夫)
1はじめに
2センサー
2.1全反射減衰(ATR)型
2.2光ファイバ型
2.3ラマン散乱型
3導波路
3.1ストライプ型
3.2細線型
3.3溝型
3.4楔型
3.5ギャップ型
3.6配列金属微粒子型
4光デバイス
4.1SP励起デバイス
4.2エネルギー増大デバイス
4.3光情報処理デバイス
4.4その他
5展望

【プラズモニクス 表面プラズモン】

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