アンチエイジングと機能性食品
―今なぜバイオマーカーか―
Anti-aging and Functional Foods−Why is it a Biomarker now?−
[コードNo.2006T513]

■監修/ 吉川敏一(京都府立医科大学)
大澤俊彦(名古屋大学)
■体裁/ B5判 234ページ
■発行/ 2006年 8月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

バイオマーカーによる「加齢」の現象解明と予防、治療における利用法を解説
アンチエイジングに有効な機能性食品の成分と作用を詳述
第一線の御執筆者による、アンチエイジング医学、産業に携わる方々必携の一書

※ 本書籍はご試読頂けません ※

「緒言」より抜粋
 ここ数年、雑誌や新聞、テレビなどジャーナリズムで「アンチエイジング」や「抗加齢」といった言葉や概念が目に入らない日はないといっても過言ではない、というのが現状であろう。また、つい最近では、「メタボリックシンドローム」と「生活習慣病」発症のリスクの関連性も大きく取り上げられてきている。がんや動脈硬化、糖尿病の合併症など、「生活習慣病」になる高い可能性を誰もが持っているが、「未病」段階に如何に長くとどめることができるか、が重要な課題であろう。そのためには、運動や喫煙などのライフスタイルも大きく影響するが、特に、食生活が重要な役割を果たしている。最近の食生活の欧米化の影響が顕著な沖縄では、25-50歳までの年齢層では、男性、女性ともに死亡率が全国平均より高く、女性はかろうじて全国一位の長寿を保っているものの、男性は26位と新聞に大きく報道されたことも記憶に新しい。このままの状況が続くと、「世界最長寿」の看板も下ろさざるを得ないと危惧され、特に、沖縄の伝統的な食生活から急激な欧米化への変化が問題視されている。
 このような背景から、「アンチエイジング」を謳った「サプリメント」や「健康食品」、さらには、「化粧品」まで生まれてきているが、科学的な根拠に基づく機能評価がなされた商品はごく僅かしか存在しないといっても過言ではない。本書の共同監修者である吉川敏一京都府立医科大学教授とともに、機能性食品評価における「バイオマーカー」(生体指標)の必要性を痛感してきた。
 この本を監修するにあたって、吉川教授は、本書の前半の監修を担当し、特に、科学的な根拠に基づいた「アンチエイジング」評価に必要な最新の「バイオマーカー」研究の現状の網羅的な紹介を企画し、また、私は、後半で、「アンチエイジング」に関る機能性食品・素材開発研究の最新の話題を中心に紹介していただくべく、この分野で活躍中の研究者の方々に執筆をお願いした。今回の企画の執筆者は、いずれも、この分野では国際的にも評価の高いトップの研究者であり、「バイオマーカー」という重要な概念を基盤に自身の研究成果の紹介と共に、専門分野に関連した国際的な研究動向をまとめていただいた。「アンエイジング」の重要性が世界的にも認知されつつあり、本書の刊行はきわめてタイムリーであり、食品機能の研究者のみならず、予防医学や臨床医学、生化学、薬理学、栄養学、食品科学など、産官学の一線の研究者にとって必読の書であると確信する。
名古屋大学 大澤俊彦

執筆者一覧
吉川敏一京都府立医科大学 大学院医学研究科 生体機能制御学 教授
大澤俊彦名古屋大学 大学院生命農学研究科 応用分子生命科学専攻 食品機能化学研究室 教授
内藤裕二京都府立医科大学 生体機能分析医学講座 助教授
有國尚(株)ナノビオテック 代表取締役
青井渉同志社大学 スポーツ医科学研究センター 講師
清水孝彦東京都老人総合研究所 老化ゲノムバイオマーカー研究チーム 研究員
白澤卓二東京都老人総合研究所 老化ゲノムバイオマーカー研究チーム 研究部長
今村裕慶應義塾大学 医学部 眼科学教室 講師
梁洪淵鶴見大学 歯学部 高齢者歯科学講座 助手
鶴見大学 歯学部付属病院 アンチエンジング専門外来
斎藤一郎鶴見大学 歯学部 口腔病理学講座 教授
鶴見大学 歯学部付属病院 アンチエンジング専門外来
市橋正光サンクリニック 院長 サンケア研究所 所長、神戸大学名誉教授
米井嘉一同志社大学 アンチエイジングリサーチセンター 教授
高橋洋子同志社大学 アンチエイジングリサーチセンター 助教授
丸山和佳子国立長寿医療センター研究所 老年病研究部 部長
渡邊昌(独)国立健康・栄養研究所 理事長
卓興鋼(独)国立健康・栄養研究所
メリッサ・メルビー(独)国立健康・栄養研究所
君羅満東京農業大学 応用生物科学部 助教授
三谷和男京都府立医科大学 東洋医学講座 助教授
細野朗日本大学 生物資源科学部 講師
上野川修一日本大学 生物資源科学部 教授
阿部啓子東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授
荒井綜一東京農業大学 総合研究所 客員教授
加藤久典東京大学 大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 栄養化学研究室 助教授
清水俊雄名古屋文理大学 健康生活学部 教授

構成および内容
第1編 バイオマーカー
第1章アンチエイジングとバイオマーカー(吉川敏一、内藤裕二)
1はじめに
2アンチエイジング医学とは?
2.1健康長寿とアンチエイジング医学
2.2加齢と老化
2.3アンチエイジング医学の実践
3エイジングのバイオマーカー
3.1老化度の判定
3.1.1ホルモン年齢
3.2酸化ストレス度の判定
3.2.1活性酸素・フリーラジカルとは?
3.2.2活性酸素・フリーラジカルの生成
3.2.3フリーラジカルによる障害とその防御
3.2.4酸化ストレスマーカー
3.2.5酸化ストレスとエイジング
4アンチエイジングとその具体的対策
4.1酸素消費量と寿命
4.2アンチエイジングに向けた環境対策
4.3アンチエイジングに向けた食事療法
4.4抗酸化物質によるアンチエイジング介入試験
5おわりに
第2章バイオマーカーとタンパク質解析(有國尚)
1はじめに
2プロテオミクス法による潰瘍性大腸炎患者血清におけるバイオマーカー探索
2.1少数例を用いたパイロットスタディ
2.2多数症例を用いたバイオマーカー探索の試み
2.2.1多数例による探索と解析
3バイオマーカー探索研究:最近の動向
3.1疾病予防マーカーの探索
3.2疾病予防マーカー測定法の開発
第3章疲労とバイオマーカー(青井渉)
1はじめに
2疲労の種類
2.1慢性疲労
2.2運動による疲労
2.3心理的ストレスによる疲労
2.4ウイルス感染による疲労
2.5眼精疲労
3疲労のバイオマーカーと診断
3.1乳酸
3.2ホルモン
3.3サイトカイン
3.4セロトニンとトリプトファン
3.5アシルカルニチン
3.6自律神経活動
3.7ヘルペスウイルス
3.8遺伝子マーカー
4おわりに
第4章老化メカニズムとバイオマーカー(清水孝彦、白澤卓二)
1はじめに
2インスリンシグナルと寿命制御
3インスリンのシグナル伝達経路は種を越えて保存され、固体寿命を制御する
4カロリー制限と固体寿命延長の分子機構
5低体温、低インスリン血症、高DHEAS血症が長寿のバイオマーカーである
6ミトコンドリア機能と寿命制御機構
7フリーラジカルと老化
8活性酸素に対する防御機構
9組織特異的MnSOD欠損マウスの作製
10心臓・骨格筋特異的MnSOD欠損マウス
11臓器障害と酸化ストレス
12おわりに
第5章メタボリックシンドロームとバイオマーカー(内藤裕二)
1はじめに
2メタボリックシンドロームとは?
3メタボリックシンドロームのバイオマーカー
3.1内臓脂肪蓄積
3.2インスリン抵抗性
3.3動脈硬化症
4メタボリックシンドロームに有効な機能性食品因子
5遺伝素因
6おわりに
第6章眼科とバイオマーカー:加齢黄斑変性の危険因子(今村裕)
1はじめに
2病態整理
3遺伝子の要因
4薬物内服とAMD発症リスク
5高感度CRPとAMD
6クラミジア感染とAMD
7おわりに
第7章口腔とバイオマーカー(梁洪淵、斎藤一郎)
1はじめに
2口腔の機能
3唾液の役割
4重金属と歯科治療
5抗加齢歯科医学
6老化危険因子の評価と酸化ストレス測定の意義
7口腔の老化度診断
7.1現在歯数
7.2歯肉の状態(CPIとアタッチメントレベル)
7.2.1CPIによる老化度の評価
7.2.2アタッチメントレベル
7.2.3咬合力
7.2.4嚥下能力テスト
7.2.5Candida菌検査
8おわりに
第8章皮膚の老化とバイオマーカー(市橋正光)
1はじめに
2皮膚の老化
3表皮の老化
3.1乾燥と萎縮
3.2シミ
3.3シワ
4真皮の老化
5光老化の発症メカニズム
5.1太陽紫外線
5.2紫外線は直接あるいは活性酸素を介して間接的に遺伝子に傷をつける
5.3日焼け(サンバーンとサンタン)
5.4サンタン
5.5慢性反応
6皮膚の老化マーカー
6.1物理的計測器を用いた皮膚老化マーカー
6.2皮膚のアンチエイジング検査方法
(1)シワの計測
(2)シミの計測
(3)毛穴の計測
(4)クスミの評価
(5)角層の水分量
(6)もち肌の測定
6.3角層を用いた生物学的計測法−将来の皮膚アンチエイジングマーカー
(1)カテプシンD酵素量の計測による老化度評価
(2)D体アミノ酸(D−β−アスパラギン酸)を認識する抗体を用いて表皮角層タンパク質のD体アミノ酸量を計測する
(3)角層細胞の大きさ
第2編 機能性食品・素材
第1章アンチエイジングと機能性食品(米井嘉一、高橋洋子)
1はじめに〜アンチエイジングにおける機能性食品の位置づけ
2機能性食品を摂取する前に
2.1悪しき食習慣を正す
2.2食の安全を考える
2.3機能性食品を食べればよいというわけではない
3状況に応じた機能性食品を
3.1老化度
3.1.1筋年齢
3.1.2血管年齢
3.1.3神経年齢
3.1.4ホルモン年齢
3.1.5骨年齢
3.2老化危険因子
3.2.1免疫機能
3.2.2酸化ストレス
3.2.3心身ストレス
3.2.4生活習慣
3.2.5代謝機能
4おわりに 〜アンチエイジングから見た医学的証拠
第2章老化制御と抗酸化食品(大澤俊彦)
1はじめに
2「抗酸化食品因子」と「アンチエイジング」
3「クルクミノイド」と老化予防
4「リスベラトロール」と老化予防
5「アントシアニン」と老化予防
6「ゴマリグナン」と老化予防
第3章脳内老化制御と食品機能(丸山和佳子)
1はじめに
2脳の老化と個体の老化
3老化の基礎メカニズム
3.1酸化ストレスはタンパク質の酸化修飾を介して細胞障害を引き起こす
3.2老化あるいは寿命関連遺伝子のはたらきとその制御機構
4食品成分による神経細胞死防御の可能性
4.1食品成分は毒性をもつ構造異常タンパク質を低下させる
4.2食品成分は寿命関連遺伝子を制御する
4.3ヒトにおける疫学データおよび介入試験
5おわりに
第4章生活習慣病予防とサプリメント(渡邊昌、卓興鋼、メリッサ・メルビー、君羅満)
1はじめに
2FFFデータベースによるフィトケミカルの摂取量と妥当性
2.1FFFデータベースによるイソフラボン摂取の妥当性
2.2フィールド調査によるフィトケミカルの摂取量
2.3機能性食品因子の摂取量と健康影響
2.4既往歴・羅患状態によるフィトケミカルの摂取量
3フラボノイド等の生体内代謝と複合作用
4おわりに
第5章漢方とアンチエイジング(三谷和男)
1はじめに
2漢方医学概論
3病(やまい)とは
4疾病の治療
5漢方治療
6未病ヲ治ス
7徐福伝説
8加齢と漢方医学
9五行説と五臓
10五行・五臓の相生相克について
11漢方医学の養生
12まとめにかえて
第6章免疫アレルギーから見た機能性食品(細野朗、上野川修一)
1はじめに
2消化管に存在する腸管免疫系の構造と特徴
3腸内細菌が関与する宿主の免疫応答
4腸内細菌などの微生物を認識する免疫系応答
5プロバイオティクスによる免疫調節作用
6プレバイオティクスによる免疫調節作用
7その他の食品成分が免疫応答におよぼす影響
7.1脂質成分と免疫応答
7.2ビタミン成分と免疫応答
7.3ミネラル(微量元素など)成分と免疫応答
8おわりに
第7章ニュートリゲノミクスと機能性食品
1総論(阿部啓子、荒井綜一)
2食品機能のDNAマイクロアレイ解析の具体例(加藤久典)
2.1ニュートリゲノミクスデータベース
2.2摂取タンパク質の効果の検討の例
2.3食品機能解析の様々な例
2.4食品の安全性評価への応用の試み
第8章疾病のリスク低減と機能性食品(清水俊雄)
1食品の疾病のリスク低減とは
2「疾病のリスク低減」の科学的評価法
2.1アメリカ合衆国
2.2欧州連合
3疾病リスク低減と食品成分
3.1骨粗鬆症
3.2がん
3.3心臓病(冠状動脈疾患)
3.4高血圧症
3.5神経管閉鎖障害
3.6虫歯
4おわりに

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