ZnO系の最新技術と応用
ZnO its Most Up-to-date Technology and Application 、Perspectives
[コードNo.2007T538]

■監修/ 八百隆文(東北大学 学際科学国際高等研究センター 教授)
■体裁/ B5判 237ページ
■発行/ 2007年 1月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

ポストGaNの電子材料としての新素材!
ITOを代替する次世代の透明導電膜材料として注目を集めているZnO!
透明導電膜、LED、TFT、蛍光体などの応用を考えている方々に!

※ 本書籍はご試読頂けません ※

刊行にあたって
 ZnOは古くから人間生活に用いられてきた。例えば、ZnOの微粒子は古くから日焼け止め化粧品の原料であり、人間生活に極めて馴染みの深い材料である。日焼け止めとして紫外線の透過を防ぎ、しかも無色の顔料として用いることが出来るのは、まさにZnOが人間に優しい材料でありかつ3.37eVの近紫外域に直接遷移バンドギャップを持ち、大きな吸収帯を持つためである。この他に、タイヤの脱硫材としても大量に使われている。
 電子・光材料としては、これまでに蛍光体、ヴァリスター、センサー、透明電極などに用いられてきた。蛍光体としては、ZnOの微粒子に希土類原子を混ぜて電子線励起によって種々のカラーを発光させることが出来る。ZnO蛍光体はCRTや冷陰極蛍光表示管などの発光体として用いられてきた。ヴァリスターは印加電圧によって抵抗が変化する現象を利用した素子である。多結晶ZnO中のグレイン間の電気伝導が印加電圧によって非線形の電気伝導を示す現象を利用して、過電流を自動的に制御できる。ヴァリスター素子の性能はグレインとグレイン間の欠陥によって決定される。センサー応用としては、分子が表面に吸着すると電気抵抗変化が起きる現象を利用している。基本的な素子構造はオープン・ゲートFET構造である。ガスセンサーへの応用は古くからあり、一酸化炭素センサー、水素センサー、硫化ガスセンサー等々がある。
 最近は、DNAやグルコース分子などの検知の為のバイオセンサーへの応用が活発である。特に、表面にナノスケールの凹凸を施すことによって吸着能を改善して感度を増大させる試みやナノスケールの吸着孔を制御して、分子認識機能を持たせるなどの試みも為されており、活発に研究開発が進行中である。透明電極としては、従来から太陽電池用の透明電極としての応用が盛んである。最近は、液晶ディスプレイの透明電極として用いられているITO(InTiO2)透明導電膜の主要原料であるInやTiの資源問題が顕在化したため、ITO代替透明電極として注目されており、近い将来に透明導電膜の主流となる可能性がある。
「はじめに」より抜粋
2007年1月 東北大学 学際科学国際高等研究センター 八百隆文

執筆者一覧(執筆順)
八百隆文東北大学 学際科学国際高等研究センター 教授
花田貴東北大学 金属材料研究所 助手
福田承生東北大学 多元物質科学研究所 客員教授、名誉教授
三川豊(株)福田結晶技術研究所 結晶センター センター長
小野隆夫東京電波(株) 専務取締役
加藤裕幸スタンレー電気(株) 研究開発センター 主任技師
富永喜久雄徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス部 先進物質材料部門 電気電子創生工学コース 助教授
山本哲也高知工科大学 総合研究所 マテリアルデザインセンター センター長・教授
佐々誠彦大阪工業大学 工学部 電気電子システム工学科 教授
小池一歩大阪工業大学 工学部 電子情報通信工学科 講師
前元利彦大阪工業大学 工学部 電気電子システム工学科 助教授
矢野満明大阪工業大学 工学部 電子情報通信工学科 教授
井上正崇大阪工業大学 工学部 電気電子システム工学科 教授
大橋直樹(独)物質・材料研究機構 光材料センター 光電機能グループ グループリーダー
門田道雄(株)村田製作所 技術開発本部 フェロー
李常賢東北大学 学際科学国際高等研究センター 八百研究室
佐藤和則大阪大学 産業科学研究所 産業科学ナノテクノロジーセンター 助手
豊田雅之大阪大学 産業科学研究所 計算機ナノマテリアルデザイン分野 大学院生
吉田博大阪大学 産業科学研究所 教授
福永正則北海道大学大学院 理学研究科
小野寺彰北海道大学大学院 理学研究科 教授

構成および内容
はじめに(八百隆文)
第1章ZnO関連物質の基礎データ(花田貴)
1ZnOと関連物質の構造
2六方晶の実格子と逆格子
3ZnOと関連物質の歪
4ウルツ鉱型半導体の電子構造
5ウルツ鉱型半導体の励起子
6ZnO系混晶薄膜と量子井戸構造
第2章結晶成長
1バルク結晶成長(福田承生、三川豊、小野隆夫)
1.1はじめに
1.2国内外のZnOバルク単結晶の開発状況
1.3水熱法によるZnO単結晶育成技術
1.3.1水熱法の歴史
1.3.2水熱法の特徴
1.3.3育成装置
1.3.4育成原理
1.3.5育成条件
1.3.6成長過程
1.4水熱法ZnO結晶評価
1.5おわりに
2エピタキシー法(単結晶薄膜)(加藤裕幸)
2.1はじめに
2.2ZnO単結晶薄膜の成長方法
2.2.1PLD(Pulsed Laser Deposition)法
2.2.2MBE(Molecular Beam Epitaxy)法
2.2.3MOCVD(Metalorganic Chemical Vapor Deposition)法
2.3基板の選択と結晶方位関係
2.4ヘテロエピタキシャルZnO膜の高品質化
2.4.1界面制御
2.4.2極性制御
2.4.3O/Znフラックス比
2.4.4アンドープZnO膜の電気的特性向上
2.5ホモエピタキシャルZnO膜の成長
2.6おわりに
3種々のZnO多結晶薄膜作製法(富永喜久雄)
3.1はじめに
3.2プラズマ生成法とスパッタリング
3.3ZnOスパッタ膜作製法
3.3.1c軸配向ZnOスパッタ膜の作製
3.3.2圧電性ZnOスパッタ膜作製における問題点
3.4圧電性ZnO膜のその他の合成法
3.4.1off-axis位置での作製
3.4.2マグネトロンスパッタ法
3.4.3対向ターゲット式スパッタ法
3.4.4ECRスパッタ法
3.4.5PLD法(Pulsed Laser Deposition)
3.4.6ECRアシストMBE法
3.5透明導電膜におけるZnO多結晶膜作製法
3.5.1各種スパッタ法による導電膜作製と抵抗率の基板位置依存性
3.5.2導電膜作製における高速酸素の役割
3.5.3スパッタ法以外によるZnO導電膜作製
3.6おわりに
第3章透明導電膜(山本哲也)
1はじめに
2基板温度と薄膜モルフォロジー
2.1製膜法と基板温度
2.2薄膜モルフォロジーと成長機構
3ガラス基板
4伝導性制御
4.1ドーパントの選択
4.2ドナー・ドーピング効果
5反応性プラズマ蒸着法
6ガリウム添加酸化亜鉛薄膜の特性
6.1薄膜構造の膜厚依存性とその制御
6.2電気特性
6.3表面構造
6.4光学特性
7おわりに
第4章LED(加藤裕幸)
1はじめに
2伝導性制御
2.1n型ZnO結晶の作製
2.2p型ZnO結晶作製への取組み
3バンドギャップエンジニアリング
4異種ヘテロ接合構造LED
5ホモ接合構造LED
6おわりに
第5章酸化亜鉛系トランジスタとその応用(佐々誠彦、小池一歩、前元利彦、矢野満明、井上正崇)
1はじめに
2酸化亜鉛トランジスタ
2.1スパッタ法形成ZnO TFT
2.2パルス・レーザ堆積法形成ZnO TFT
2.3単結晶ZnO チャネル/ヘテロ接合TFT
2.4ZnOにSnO2やIn2O3を含むチャネル層をもつスパッタ法形成ZnO TFT
3ゾル・ゲル法によるZnO TFT
4ZnOナノワイヤートランジスタ
5酸化亜鉛のバイオセンサ応用
6おわりに
第6章酸化亜鉛蛍光体とその関連材料(大橋直樹)
1はじめに
2酸化亜鉛の基礎物性
2.1酸化亜鉛の励起子発光
2.2酸化亜鉛中のドナーは何か?
2.3酸化亜鉛の緑色発光の起源は何か?
2.4その他の発光
2.5非輻射遷移
3酸化亜鉛発光体のこれまでの応用
4酸化亜鉛を光らせる
4.1酸化亜鉛への水素添加
4.2酸化亜鉛の誘導放出と不純物の効果
4.3酸化亜鉛への共ドープ効果
4.4新規蛍光体の探索
5酸化亜鉛光触媒
6おわりに
第7章種々のデバイス(門田道雄)
1はじめに
2ZnOセラミックを用いたバリスタ
3超音波
4ZnO圧電膜を用いたバルク波への応用
4.1高周波トランスジューサ
4.2時計用音叉型振動子
4.3テレビクロマ回路VCO用発振子
4.4高周波複合共振子
5ZnO膜と非圧電基板を組合わせた弾性表面波基板
5.1テレビVIF用SAWフィルタ
5.2ZnO/サファイア構造RF用SAWフィルタ
5.3ZnO/水晶構造SAWフィルタ
5.4その他
5.4.1コンボルバ
5.4.2音響光学素子
6おわりに
第8章ZnOナノクリスタル(李常賢)
1序論
2ZnOナノクリスタルの成長と配列
2.1ZnOナノクリスタルの成長
2.2ZnOナノクリスタルの異種構造とドーピング
2.3ナノクリスタルの配列
3ZnOナノクリスタルの特性
3.1構造的及び形態的特性
3.2光学特性
3.2.1サイズによる光学特性の変化
3.2.2レーザー特性
3.2.3ZnOナノクリスタルの異種接合の形成を行った後の光学特性の変化
3.3電気的特性
3.3.1伝導性
3.3.2電界放出特性
3.3.3磁気的特性
3.3.4圧電特性
4ZnOナノクリスタルの応用
4.1電界効果トランジスター(FET)
4.2センサー(Sensor)
4.2.1光検出器(photodetector)
4.2.2化学センサー
4.2.3染色体センシタイズ太陽電池Dye-sensitized Solar cell(DSSC)
4.2.4LED(Light emitting diode)
4.2.5その他の応用
5おわりに
第9章新機能材料への展開
1酸化亜鉛ベース希薄磁性半導体のマテリアルデザイン(佐藤和則、豊田雅之、吉田博)
1.1はじめに―半導体ナノスピントロニクス―
1.2計算機ナノマテリアルデザイン
1.3計算手法について
1.4強磁性のメカニズム―二重交換相互作用、p-d交換相互作用と超交換相互作用―
1.5酸化亜鉛ベース希薄磁性半導体の電子状態と磁性
1.5.1強磁性の安定性
1.5.2酸化亜鉛希薄磁性半導体の電子状態
1.5.3キャリア添加の効果
1.5.4実験との比較
1.6磁気的パーコレーションとスピノダル分解
1.7自己相互作用補正
1.8おわりに
2酸化亜鉛の強誘電性(福永正則、小野寺彰)
2.1はじめに
2.2AB型半導体結晶の強誘電性
2.2.1二原子結晶の強誘電性
2.3半導体の強誘電性―Pb1-xGexTeとCd1-xZnxTe
2.3.1Pb1-xGexTeの相転移
2.3.2CdTe-ZnTeの相転移
2.4LiドープZnOの強誘電性
2.5酸化亜鉛の電子強誘電性
2.6おわりに
第10章ZnO研究開発の将来展望(八百隆文)
1はじめに
2III-V族窒化物半導体成長用基板ならびに窒化物半導体デバイスへの応用
3周期的極性反転による非線形光学素子への応用
4シンチレーターへの応用
5高温用熱電素子への応用

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