CMOSイメージセンサの最新動向
―高性能化、高機能化から応用展開まで―
The latest trend in CMOS image sensors
―high performance,versatile functions and widely spread of applications―
[コードNo.2007T549]

■監修/ 太田淳(奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 教授)
■体裁/ B5判 281ページ
■発行/ 2007年 4月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

携帯電話、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどでの採用が拡大中!
高感度化、高速化、広ダイナミックレンジ化、車載、画像処理・画像認識など“今知りたい”情報が満載!
「基本性能と高性能化」「高機能化と応用」の2部構成で、最新の開発動向や応用展開を丁寧に解説!

※ 本書籍はご試読頂けません ※

刊行にあたって
 最近のCMOSイメージセンサは携帯電話搭載カメラから一眼レフカメラまで様々なカメラにおける撮像素子として使われている。このように広く普及しているCMOSイメージセンサの前身はCCDよりも早く1960年代頃に誕生したMOSイメージセンサであり、民生品(ビデオカメラ)への搭載もCCDより早くおこなわれた。しかし結局画質等基本性能でCCDが勝りMOSイメージセンサは表舞台から消えていった。しかし近年のCMOSプロセス微細化や回路技術の高性能化によりCMOSイメージセンサとして再び脚光を浴び、研究開発が活発となり、いまやCCDとその性能で肩を並べるところまでになってきた。またその応用分野もデジタルスチールカメラやビデオカメラなどいわゆる撮像分野だけでなく、車載、監視から画像処理やバイオ医療応用まで幅広い分野への応用が期待されている。
 本書はこのようなCMOSイメージセンサの開発動向や今後の応用展開に関する技術説明を行い、本分野で活躍する技術者やこれからこの分野に携わる技術者への手引きとなることを目指すものである。本書は2部構成であり第I編はセンサの基本性能と高性能化について、第II編は高機能化と応用について、各々の最新動向について第一線でご活躍される著名な研究者の方々にご執筆頂いている。まずCMOSイメージセンサの基本構造とその動作原理に関する解説の後に、高性能化について、感度、速度、サイズ、ダイナミックレンジについての最新動向について実例を交えた解説がなされている。カラー化については新しい試みである有機積層型について一節を設けている。これらによりCMOSイメージセンサの基本特性の向上がどのように進んでいるか最新の成果を知ることができる。応用に関しては、実用化に向けての開発が活発な車載や画像処理・画像認識、計測応用などについてその原理から実例までを著者らの研究開発成果をもとに詳述されている。これらにより現在開発が活発に行われている応用分野がその基礎から実現例まで最新の動向が俯瞰できる。更に今後の展開として薄型カメラへの応用や空間光通信、さらにバイオ医療応用の節を設けた。これらはまだ研究段階ではあるがCMOSイメージセンサの今後の展開の一つとして期待されている分野である。
(「はじめに」より抜粋)
2007年3月 奈良先端科学技術大学大学院 太田淳

執筆者一覧
太田淳奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 教授
阿部正英広島国際大学 社会環境科学部 情報通信学科 教授
米本和也松下電器産業(株) 半導体社 イメージセンサビジネスユニット 開発グループ グループマネージャー
角博文ソニー(株) 半導体(事) IS事業部 カメラシステム部 イメージングシステム開発室 室長、Senior Principal Engineer,Distinguished Researcher/早稲田大学 客員教授(理工総研)
高橋秀和キヤノン(株) デバイス製品第一設計部 デバイス製品12設計室 室長
池辺将之北海道大学大学院 情報科学研究科 准教授
相原聡日本放送協会 放送技術研究所 材料・デバイス
渡部俊久日本放送協会 放送技術研究所 材料・デバイス 専任研究員
川人祥二静岡大学 電子工学研究所 教授
浜本隆之東京理科大学 工学部 電気工学科 准教授
来海暁大阪電気通信大学 情報通信工学部 情報工学科 准教授
安藤繁東京大学 大学院情報理工学系研究科 システム情報学専攻 教授
香川景一郎奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 光機能素子科学講座 助教
澤田和明豊橋技術科学大学 電気・電子工学系 教授
谷田純大阪大学 大学院情報科学研究科 情報数理学専攻 教授

構成および内容
【第I編 CMOSイメージセンサの基本性能と高性能化】
第1章基本構造と動作原理(阿部正英)
1はじめに
2CMOSイメージセンサとCCDイメージセンサの比較
2.1信号の取り出し
2.2製造プロセス
2.3特性と電源
3イメージセンサの機能と映像信号
3.1イメージセンサの機能
3.2映像信号の構成
4CMOSイメージセンサの基本構造
4.1基本構成
4.2CMOSイメージセンサの動作
4.3信号の走査
5MOS素子の構造とその動作
5.1電子エネルギーと電子の面密度
5.2MOSダイオード
5.3pn接合ダイオード
5.4ソースを浮遊状態にしたMOSFETの動作
5.4.1モード(1)
5.4.2モード(2)
5.4.3モード(3)
6CMOSイメージセンサの構成要素と固定パターン雑音
6.1単位画素の構成
6.2固定パターン雑音
6.2.1増幅器のバラツキ
6.2.2暗電流
7各種画素構造と雑音除去
7.1pn接合フォトダイオード方式
7.2埋め込みフォトダイオードとFDによる方式
7.3フォトゲートとFDによる方式
7.43方式の比較
7.5固定パターン雑音除去方式
<付録1>フォトダイオードで発生する暗電流
<付録2>kTC雑音
第2章高感度化と高SN化(米本和也)
1はじめに
2画素構造と材料による高感度化
2.1マイクロレンズ
2.2開口率
2.3フォトダイオード拡大
2.4フォトダイオード上の低反射膜構造
2.5配線層の構造
2.6周辺減光抑制
3その他の方式による高感度化
3.1裏面照射型
3.2カラー分離フォトダイオード
3.3アバランシェフォトダイオード
3.4HARP(High-gain Avalanche Rushing amorphous Photoconductor)
4ランダムノイズ低減による高SN化
4.1画素回路のランダムノイズ
4.2列回路のランダムノイズ低減
第3章CMOSイメージセンサの高性能化―高速撮像―(角博文)
1はじめに
2CMOSイメージセンサの基本動作
2.1基本画素回路
2.2低ノイズカラム回路
3高画質大型サイズ(APS:Advanced Photo Systemサイズ)のCMOSイメージセンサ
4高画質、高速撮像対応のCMOSイメージセンサ
4.12.8Mピクセル180fps CMOSイメージセンサ
4.26.4Mピクセル60fps CMOSイメージセンサ
5まとめ
第4章画素微細化技術(高橋秀和)
1まえがき
2CMOSイメージセンサ微細化の背景
2.1CMOSイメージセンサ復活まで
2.2画素微細化の推移
2.3微細化技術の発展
34Tr型CMOSイメージセンサの課題
4画素微細化技術
4.1画素共有技術
4.2FD駆動技術
4.3配線兼用技術
4.41.5Tr/画素CMOSイメージセンサ
4.4.1PDリセット動作及び蓄積動作
4.4.2暗信号読み出し動作
4.4.3完全電荷転送動作
4.4.4光信号読み出し動作
4.4.5画素アンプオフ動作とCDS動作
4.5微細素子分離構造
4.6低背化構造
4.7Cu配線構造
4.8カラーフィルタ薄膜化
4.93次元フォトダイオード構造
4.10光導波路構造
5今後の展開
6更なる画素微細化のためのパラダイムシフト
7むすび
第5章広ダイナミックレンジ化(池辺将之)
1はじめに
2広ダイナミックレンジ撮像技術
2.1概論
2.2BROME、複数短時間露光画像合成
2.3横型オーバーフロードレインを用いた方式
2.4パルス密度変調方式(PFM、デルタシグマ)
2.4.1フィードバック形パルス周波数変調
2.5対数変換方式
2.5.1サブスレッショルド電流積分型
2.5.2オーバーフロー型
2.6条件付リセット方式
2.7蓄積容量変調方式
3広ダイナミックレンジ圧縮技術
3.1概論
3.2広ダイナミックレンジ情報の復元処理と単一輝度特性による圧縮処理
3.3空間方向の輝度補正方式
4補足
第6章有機積層型CMOSセンサ(相原聡、渡部俊久)
1はじめに
2現在の撮像方式と有機光電変換膜を用いた新しい撮像方式
3有機光電変換膜の特徴
3.1波長選択性
3.2撮像特性
4有機光電変換膜を積層したCMOSイメージセンサ
4.1全体構成
4.2信号読み出しの原理
4.3信号読み出し動作のシミュレーション解析
4.4試作センサの仕様と特性
5有機材料を用いた単板撮像デバイスの将来展望
6おわりに
【第II編 CMOSイメージセンサの高機能化と応用】
第7章車載応用(川人祥二)
1はじめに
2車載カメラの用途
3車載用イメージセンサに求められる性能
3.1暗電流と温度特性
3.2感度
3.3ダイナミックレンジ
4車載カメラのダイナミック拡大
5距離画像センサと車載応用
6まとめ
第8章画像処理・画像認識応用(浜本隆之)
1高機能イメージセンサと画像処理・認識
1.1時間軸の制御
1.2空間軸の制御
1.3振幅軸の制御
2時間変化検出イメージセンサとその応用
2.1時間変化検出イメージセンサ
2.1.1時間変化の検出方式
2.1.2プロトタイプチップ
2.1.3プロトタイプの撮像実験
2.22つのイメージセンサを用いた画像処理システム
2.3単数動物体の抽出処理
2.3.1単数動物体の抽出アルゴリズム
2.3.2単数動物体の抽出処理の実験
2.4単数動物体の奥行き推定
2.4.1単数動物体の奥行き推定アルゴリズム
2.4.2単数動物体の奥行き推定の実験
2.5複数動物体の抽出処理
2.5.1複数動物体の抽出アルゴリズム
2.5.2複数動物体の抽出実験
3白線検出イメージセンサ
3.1センサ上での白線検出方式
3.2白線検出イメージセンサの設計
4複数カメラシステム用イメージセンサと広視野撮像への応用
4.1広視野撮像と高機能イメージセンサ
4.1.1広視野撮像手法
4.1.2全周囲パノラマ画像
4.1.3イメージセンサの機能
4.2新しいイメージセンサの設計と試作
4.2.1回路構成
4.3試作チップの評価
4.4広視野撮像システムのプロトタイプ
5まとめ
第9章時間相関イメージセンサ―これまでにない実時間可視化映像法を実現するセンサデバイス―(来海暁、安藤繁)
1はじめに
2相関検出の意義
3時間相関イメージセンサ
3.1画素の回路構成
3.2三相相関による振幅・位相復調
3.3CMOS画素設計
3.4周波数倍率
4CISの応用展開における着眼点
4.1計測原理:相関検出とヘテロダインへの着眼
4.2現象の可視化:場−光変換と2次元並列性への着眼
4.3計算イメージング:複素画像記録への着眼
5CISの実時間画像センシングへの応用
5.1固視微動型イメージャ
5.1.1局所明暗特徴抽出
5.1.2テンプレート整合
5.2オプティカルフローの高精度推定
5.3実時間3次元形状計測
5.3.1位相スタンプ型レンジファインダ
5.3.2空間位相変調型レンジファインダ
5.3.3法線ベクトルイメージャ
5.4ヘテロダイン振動分布計測
5.5実時間偏光映像法とその応用
5.5.1エリプソメトリックイメージャ
5.5.2多重極偏光マーカ検出システムとそのネットワークセンシング応用
5.6スペクトルマッチングイメージャ
5.7漏洩磁束イメージャ
5.8光干渉パターンの実時間復調
5.8.1ヘテロダイン干渉イメージャ
5.8.2OCT/WLIイメージャ
6おわりに
第10章空間光通信応用(香川景一郎)
1はじめに
2拡張現実システム
2.1東大方式:画素レベルでの変調信号検出
2.2ソニー方式:列レベルでの変調信号検出
2.3奈良先端大方式:読み出しタイミングの工夫による実現
3光無線データ伝送
3.1UCBの事例:小型無人飛行機間通信
3.2奈良先端大の事例:波長多重屋内光無線LAN
4目に対する安全性
5高感度・高速フォトダイオードの課題
6まとめと今後の展望
第11章バイオ応用(澤田和明)
1はじめに
2蛍光検出用イメージセンサ
3イオン(pH)イメージセンサ
4おわりに
第12章医療応用(太田淳)
1はじめに
2カプセル内視鏡
2.1カプセル内視鏡とは
2.2CMOSイメージセンサのカプセル内視鏡への応用
2.3カプセル内視鏡の今後
3人工視覚
3.1人工視覚とその種類
3.2網膜上埋込方式
3.3網膜下埋込方式
3.3.1太陽電池モードによる網膜下刺激方式デバイス
3.3.2アクティブ電極による網膜下刺激デバイス
3.3.3パルス周波数変調方式による網膜下刺激デバイス
3.4STS方式
3.5人工視覚の今後の展望
4X線測定用CMOSイメージセンサ
5CMOSイメージセンサ医療応用の今後の展望
第13章複眼撮像システム―TOMBO―(谷田純)
1はじめに
2複眼光学系
2.1構造
2.2特徴
3複眼撮像システムTOMBO
3.1アーキテクチャ
3.2撮像モジュール
3.3画像再構成処理
4機能拡張
4.1TOMBOシステムの機能拡張性
4.2カラー化
4.3近接物体撮影
4.43次元情報取得
4.5高解像化処理
5応用システム
5.1複眼カメラ
5.2広角カメラ
6おわりに
索引

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