自動車用半導体の開発技術と展望
Recent Technologies&Perspective of Automotive Semiconductor
[コードNo.2007T580]

■監修/ 大山宜茂(東北学院大学 工学部 非常勤講師)
■体裁/ B5判 268ページ
■発行/ 2007年 10月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

次世代の車載半導体、アプリケーションの発展に!
カーエレクトロニクスの半導体の使われ方、材料を網羅!

※ 本書籍はご試読頂けません ※

刊行のねらい
 本書は、車載半導体のみでなく、それが使われているシステム、センサ、アクチュエータも横断的にとりあげ、この分野の研究開発にあたられる方々、新たにこの分野に従事する方々に役立てていただく目的で執筆したものである。
 1960年代、米国のロスアンゼルスで始まった排ガス規制は、電子制御燃料噴射システムの採用を促し、現在では、50個以上のモータ、エレクトロニクスコントロールユニット(ECU)、100個以上のセンサを搭載した車も量産されている。自動車エレクトロニクスが、車全体のコストの20%を占めるようになったともいわれている。
 今後、油圧式の多板クラッチに代わり電動式のPower-by-Wireシステム、車輪の転舵を自在に電子制御するSteer-by-Wireシステム、ブレーキ力をモータで制御するBrake-by-WireシステムなどのX-by-Wireシステムが登場するものと思われる。1990年代に検討されたハイブリッドシステム、1970年代に開発された衝突警報用のレーダシステムも陽の目を見るものと思われる。
 これらを支える技術に、マイクロプロセッサ、パワー半導体などがある。マイクロプロセッサは、インベーダゲームなどによって大量生産され、MOSFET、IGBTなどのパワー素子は、冷蔵庫などのインバータドライブの普及で、低コストで供給できるようになった。これらが、グレードアップされ、-40から150度の温度の環境におかれる自動車エレクトロニクスの普及につながっている。今後、X-by-Wireの登場で、自動車半導体が、半導体アプリケーションの主役のひとつになることが予測される。
 このような状況の中で、半導体の市場において、自動車半導体が占める割合は、2000年代の初頭は8%程度であったが、2010年には30%程度に増加するものと見込まれている。半導体の世界マーケットシェアの上位3社の次に、自動車半導体も手がけている、Infineon Technologies AG, ルネサステクノロジ、ST Microelectronics, 東芝、NECエレクトロニクス、Philips Semiconductors,Inc., Freescale Semiconductor、富士通などが名をつらねている。各社は、持ち味を生かして、今後、シェアの向上をねらってくるものと思われる。
 自動車においては、安全性、信頼性が最重要課題である。車載システムでは、自動車メーカー、部品メーカー、半導体メーカーの役割分担において、半導体自体の信頼性のほかに、システムを構成する各要素の信頼性、ソフトウェアの信頼性を横断的に検証する必要がある。本書が、次世代の車載半導体およびアプリケーションの発展に貢献できれば幸いである。
 本書をまとめるに際し、多くの方々に力添えをいただいた。執筆者を代表して深く感謝申し上げたい。
(「まえがき」より)
2007年10月 大山宜茂

執筆者一覧
大山宜茂東北学院大学 工学部 非常勤講師(元(株)日立製作所)
鷲野翔一鳥取環境大学 環境情報学部 情報システム学科 教授
射場本正彦(株)日立ニコトランスミッション 本社 技術顧問(元(株)日立製作所)
山内照夫技術研究組合 走行支援道路システム開発機構 交流促進部 部長
相薗岳生(株)日立製作所 システム開発研究所 CISシステムソリューション分室 ユニットリーダー主任研究員(分室長)
小山敏(株)日立製作所 トータルソリューション事業部 ITSソリューションセンタ 担当部長
佐藤孝スタンレー電気(株) 研究開発センター 技術研究所 主任技師
栗原伸夫八戸工業大学 工学部 システム情報工学科 教授
金川信康(株)日立製作所 日立研究所 情報制御第三研究部 LSIユニット 主管研究員
諸岡泰男筑波大学 先端学際領域研究センター 研究員
前島英雄東京工業大学 大学院総合理工学研究科 物理情報システム専攻 教授
藤平龍彦富士電機デバイステクノロジー(株) 電子デバイス研究所 所長
内藤治夫岐阜大学 工学部 人間情報システム工学科 教授
松平信紀(元)(株)日立製作所 自動車機器事業部 事業部長付
加藤和男技術コンサルタント
福島 E. 文彦東京工業大学 大学院理工学研究科 機械宇宙システム専攻 准教授
嶋田智(株)日立カーエンジニアリング 電子設計本部 特別嘱託
大井幸二三菱マテリアル(株) セラミックス工場 電子デバイス開発センター 主任研究員
野尻俊幸石塚電子(株) 営業統轄本部 特販課 課長
真山修二(株)オートネットワーク技術研究所 PDS研究所 パワーネットワーク研究室 主任研究員

構成および内容
【第I編】 自動車エレクトロニクスの現状と今後の方向
第1章次世代カーエレクトロニクスの展望(鷲野翔一)
1まえがき
2カーエレクトロニクスの歴史的概観
3社会の今後の動き
3.1少子高齢化
3.2安全・安心と環境
4一つの提案
5おわりに
第2章自動車エンジンの電子制御技術(大山宜茂)
1火花点火エンジンの電子制御技術
1.1アナログからディジタルへの変遷
1.2電子制御ユニット(ECU;Electronic Control Unit)の構成
1.3燃料量の制御
1.4点火時期の制御
1.5制御のタイミング
1.6制御システムの例
2ディーゼルエンジンの電子制御技術
2.1燃料噴射システム
2.2エンジン制御システム
3予混合圧縮自着火の電子制御技術
4二輪車用エンジン
5天然ガスエンジンの電子制御技術
6ハイブリッドシステムの電子制御技術
7自律分散制御
8ECU(Electric Control Unit)の性能および構成
8.1マイクロプロセッサの性能
8.2ガソリンエンジン用のECUのLSIの構成
8.3フェイルセーフ機能
8.4ECUと周辺デバイスとの接続例 (ディーゼルエンジンの場合)
【第II編】 自動車エレクトロニクスと半導体の使われ方
第1章パワートレイン(大山宜茂、射場本正彦)
1エンジン制御システム
2インジェクタのドライバ
3スロットルバルブの電子制御
4点火システム
5触媒のための尿素供給システム
6変速機
6.1オートマチックトランスミッション
6.2無段変速機CVT(Continuously Variable Transmission)
6.3自動化機械式変速機
7駆動力制御
8ハイブリッドシステム
8.1シリーズハイブリッドシステム
8.2パラレルハイブリッドシステム
8.3省エネルギ制御
8.4コントロールシステム
9電動アシストターボ
第2章安全走行支援システムの開発状況(山内照夫)
1はじめに
2日本の状況
2.1相変わらず発生する交通事故
2.2国内車両メーカーが考える対策案
2.3内閣府が発表したIT改革戦略
3海外の状況
3.1欧米の政策的動向
3.1.1欧米の路車協調取組み経緯と予算額の推移
3.1.2各国政府の交通事故低減の目標
3.1.3ITS関連のプロジェクト例
3.1.4ITS関連マーケット
3.2米国の技術的活動の状況
3.3欧州の技術的活動の状況
4おわりに
第3章車載情報システム(相薗岳生)
1車載情報システムの構成
2車載情報端末を活用したサービス
2.1安全性の向上
2.1.1テレマティクスシステムを活用した緊急支援と遠隔診断サービス
2.1.2ナビゲーションシステムを使った危険の通知
2.1.3車載制御機器との連携による安全支援
2.1.4車載映像機器との連携による安全支援
2.2環境性能の向上
2.2.1車載情報端末を活用した燃費向上
2.2.2テレマティクスシステムを活用した燃費向上
2.3利便性の向上
2.3.1ナビゲーションの高度化
2.3.2リアルタイムコンテンツの普及
2.4娯楽性の向上
2.4.1テレマティクスシステムを活用した娯楽コンテンツの提供
2.4.2情報家電機器との連携による娯楽性向上
2.4.3リアシートエンターテイメント
3車載情報端末に対する要件
3.1製品の分類とハードウエアの要件
3.1.1高機能ナビゲーションシステム
3.1.2中低価格ナビゲーションシステム
3.1.3PND
3.1.4S&S端末
3.2他分野技術とのコンバージェンス
第4章車両関係通信(ITS)(小山敏)
1はじめに
2日本のDSRC
2.1DSRCの標準化
2.1.1日本における標準化の経緯
2.1.25.8GHzアクティブ方式DSRC
2.1.3DSRCチップセット
2.1.4セキュリティ
3国際標準化
3.1ITU-R
3.2ISO
4次世代DSRC
4.1日本の安全運転支援システム
4.2欧米の次世代DSRC
4.2.1欧州
4.2.2米国
5おわりに
第5章照明(LEDヘッドランプなど)(佐藤孝)
1はじめに
2LEDヘッドランプの動向
3自動車用ヘッドランプに求められる要件
3.1動作環境
3.2法規
3.3配光
4LEDヘッドランプの構成要素と課題
4.1光源
4.1.1光束
4.1.2形状
4.1.3発光色と法規
4.1.4発光スペクトル
4.2光学系と配光形成
4.3回路
4.4熱マネジメント
4.4.1放熱
4.4.2アウターカバーレンズの曇りと融雪
5開発課題と改良点
5.1発光効率
5.2発光色
5.3コスト
6おわりに
第6章オンボード診断、信号処理とノッキング制御(栗原伸夫)
1オンボード診断
1.1オンボード診断システム
1.2失火検出
1.3三元触媒診断
1.4エバポリーク検出
2信号処理とノッキング制御
2.1ノッキング制御
2.2マルチ周波数スペクトル方式
2.3ウェーブレットスペクトル方式
【第III編】 自動車車載半導体の要件と課題(材料含む)
第1章半導体
1車載ECU(金川信康)
1.1ECUとは
1.2エンジンECUの機能
1.3ECUの仕様、規格
1.4ECUの将来展望
2AD/DA変換(諸岡泰男)
2.1AD変換
2.2DA変換
第2章マイクロプロセッサのアーキテクチャ(前島英雄)
1はじめに
2マイクロプロセッサの動向
3高性能化技術
3.1パイプライン技術
3.2SIMD技術
3.3ベクタ演算技術
3.4マルチコア技術
3.5リコンフィガラブル・プロセッサ技術
4低消費電力化技術
4.1スリープ・スタンバイ技術
4.2マルチコア技術
4.3リコンフィガラブル・プロセッサ技術
4.4デバイス技術
5マイクロプロセッサの実例
5.13次元高速演算回路内蔵マイクロプロセッサ
5.2Cell Processorの構成
5.3FR1000の構成
6今後の課題
6.1高性能マイクロプロセッサの使途
6.2高信頼化システムの実現
第3章パワー半導体
1車載用パワーデバイスの現状と今後の課題(藤平龍彦)
1.1はじめに
1.2IGBTモジュール
1.3パワーMOSFET
1.4パワーIC
1.5おわりに
2パワーデバイス(内藤治夫)
2.1パワーデバイスの概要
2.2ダイオード
2.2.1ダイオードの静特性
2.2.2ダイオードの構造と高耐圧化
2.2.3ダイオードの動特性
2.3トランジスタ
2.3.1パワートランジスタ
2.3.2パワートランジスタのオン・オフ条件
2.3.3パワートランジスタの過渡状態
2.3.4MOSFET
2.3.5IGBT
2.3.6素子モジュール
2.3.7IPM
2.4パワーデバイスの過渡現象の問題点
2.4.1スイッチング損失
2.4.2デッドタイム
3インバータ(松平信紀)
3.1はじめに
3.2インバータ普及の背景
3.2.1パワーデバイス
3.2.2モータ駆動方式
3.2.3インバータの歴史
3.3自動車用インバータへの要求特性
3.3.1電気品の設計要件
3.3.2EV用電気品の特徴
3.3.3電波雑音
3.3.4電気品の将来動向
3.3.5リサイクル関係等
3.3.6電気品の機能、性能検証
3.4インバータの構造と適用例
3.4.1インバータの構造
3.4.2インバータの適用例
第4章電子回路およびネットワーク
1センサ信号の高精度可変利得増幅と走査回路(加藤和男)
1.1はじめに
1.2センサのアナログ入力装置の発展過程と低レベル信号走査方式
1.3高S/N可変利得増幅器と信号走査回路の設計技術
1.3.1高精度低レベル可変利得増幅器(±10mV〜±5V)
1.3.2同上の信号走査回路への適用
1.4ループバック技術による入出力回路システムの信頼性の向上
1.5まとめ
2CAN(Controller Area Network)(福島 E. 文彦)
2.1CANとは
2.2CANの規格
2.3CANの特徴
2.4CAN半導体デバイスの種類と要件
2.5今後の展望
第5章センサ
1MEMSと半導体センサ(嶋田智)
1.1まえがき
1.2シリコンマイクロマシニング技術の基本プロセス
1.2.1バルクマイクロマシニングプロセス
1.2.2表面マイクロマシニングプロセス
1.2.3マイクロマシニングプロセスの動向
1.3MEMSを活用した車載用半導体センサの例
1.4MEMS技術とそれを用いた自動車用センサの動向
2自動車用温度センサ(大井幸二)
2.1概要
2.2カーエアコン用温度センサ
2.2.1エバポレータ(熱交換器)用センサ
2.2.2外気温(アンビエント)センサ
2.2.3水温センサ
2.2.4車内温(インカー)センサ
2.3パワートレイン系制御用温度センサ
2.3.1水温センサ、油温センサ
2.3.2吸気温センサ
2.3.3HV、EV用温度センサ
2.4ECU用温度センサ
3自動車用サーミスタ(野尻俊幸)
3.1サーミスタについて
3.1.1NTCサーミスタ
3.1.2PTCサーミスタ
3.1.3CTRサーミスタ
3.2自動車とサーミスタについて
3.2.1ガソリンエンジンの自動車に対するNTCサーミスタの応用
3.2.2ハイブリッド自動車及び電気自動車へのサーミスタの応用
3.3最近のガソリン自動車での環境にやさしい制御技術のサポート例
3.4車載用サーミスタの紹介
3.4.1ガラス封入タイプサーミスタ
3.4.2樹脂封入タイプサーミスタ
3.4.3プリント基板の表面実装タイプのサーミスタ
3.5今後の車載用のサーミスタについて
第6章ワイヤハーネス(真山修二)
1ワイヤーハーネスの動向
2半導体リレー活用の理由
2.1小型軽量化
2.2接点耐久
2.3静音性
3インテリジェント・パワーデバイスの機能
4IPD適用の要件
4.1突入電流
4.2負荷短絡
4.3負サージ保護
4.4逆接保護
4.5暗電流
4.6ラッチ/非ラッチ
5インテリジェント・パワーデバイスの一例
6半導体リレーの実装方法
7ワイヤーハーネスにおける半導体リレー活用の展望
7.1低ON抵抗化と低コスト化
7.2高機能化

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