メタマテリアル
―最新技術と応用―
Metamaterial:New Technology and Its Application
[コードNo.2007T585]

■監修/ 石原照也(東北大学 大学院理学研究科 物理学専攻 教授)
■体裁/ B5判 304ページ
■発行/ 2007年 11月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

「メタマテリアル」をまとめた日本初の成書!
通信デバイスや光学材料、電子部品、センサなどへの応用が期待される「メタマテリアル」。その研究歴史や産業への展望、基礎研究、材料研究、応用研究を網羅!

※ 本書籍はご試読頂けません ※

メタマテリアルとは
 メタマテリアルとは物質を超えた物質、材料を超えた材料という意味である。電磁波の波長に対してその波長よりも十分に小さい人工的な構造体をうまくデザインすると通常の物質では生じないような電磁応答が生じる。前世紀末に始まったこの分野の研究は現在急速に発展し、物理、材料科学、光学を含んだ新しいパラダイムとなっている。(中略)
 材料科学は化学的な手法によってマイクロな操作でミクロな原子の配列を制御し、様々な物性を持った物質を生み出してきた。しかし、このアプローチでは光領域で透磁率を負にしたり、屈折率を負にしたりすることはできない。メタマテリアルはこの限界に対して、人工的な構造を設計することによる処方箋を与えた。実効的にコイルとコンデンサを配置して電磁応答を制御するという考え方である。この考え方をさらに発展させると、種各の機能を持った電子回路を物質化して材料として考える観点があらわれてくる。このような考え方は物理と工学に対して、大きな恵みを与える土台となると予想される。
(石原照也、「理研シンポジウム電磁メタマテリアル(2007年5月)」予稿集より、一部抜粋)

監修
石原照也東北大学 大学院理学研究科 物理学専攻 教授

編集委員一覧
真田篤志山口大学 大学院理工学研究科 准教授
梶川浩太郎東京工業大学 大学院総合理工学研究科 准教授
田丸博晴東京大学 先端科学技術研究センター 助教
萩行正憲大阪大学 レーザーエネルギー学研究センター 教授
岡本隆之(独)理化学研究所 河田ナノフォトニクス研究室 先任研究員
尾辻泰一東北大学 電気通信研究所 教授

執筆者一覧(執筆順)
石原照也東北大学 大学院理学研究科 物理学専攻 教授
真田篤志山口大学 大学院理工学研究科 准教授
梶川浩太郎東京工業大学 大学院総合理工学研究科 准教授
伊藤龍男University of California,Los Angeles Electrical Engineering Department Professor
北野正雄京都大学 大学院工学研究科 教授
田丸博晴東京大学 先端科学技術研究センター 助教
黒川要一(独)物質・材料研究機構 若手国際研究拠点 特別研究員
迫田和彰(独)物質・材料研究機構 量子ドットセンター センター長
セルゲイ G.
ティホデーエフ
A.M. Prokhorov General Physics Institute RAS,Laboratory of Semiconductor Nanostructures Theory,Professor and Head;RIKEN Senior visiting researcher
永井正也京都大学 大学院理学研究科 助教
蓑輪陽介京都大学 大学院理学研究科
田中耕一郎京都大学 大学院理学研究科 教授
石川篤University of California Berkeley,USA Department of Mechanical Engineering 日本学術振興会 海外特別研究員
堀井康史関西大学 総合情報学部 教授
上田哲也京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 電子システム工学部門 助教
萩行正憲大阪大学 レーザーエネルギー学研究センター 教授
宮丸文章信州大学 理学物 物理学科 助教
高野恵介大阪大学 レーザーエネルギー学研究センター
岡本隆之(独)理化学研究所 河田ナノフォトニクス研究室 先任研究員
岡本敏弘徳島大学 大学院ソシオテクノサイエンス研究部 先進物質材料部門 助教
原口雅宣徳島大学 大学院ソシオテクノサイエンス研究部 先進物質材料部門 准教授
福井萬壽夫徳島大学 大学院ソシオテクノサイエンス研究部 先進物質材料部門 教授
冨田知志奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 助教
宮崎康次九州工業大学 大学院生命体工学研究科 准教授
田中拓男(独)理化学研究所 河田ナノフォトニクス研究室 先任研究員;(独)科学技術振興機構 さきがけ 研究員
高原淳一大阪大学 大学院基礎工学研究科 准教授
尾辻泰一東北大学 電気通信研究所 教授
榊原久二男名古屋工業大学 大学院工学研究科 情報工学専攻 准教授
佐野栄一北海道大学 量子集積エレクトロニクス研究センター 教授
楢原浩一山形大学 大学院理工学研究科 准教授
佐藤和夫(株)豊田中央研究所 走行安全研究センター 電磁波応用研究室 室長

構成および内容
【総論編】
第1章メタマテリアルの歴史(石原照也)
1はじめに
2ベセラゴの考えたこと
3ペンドリーの人工媒質
4負の屈折の実験的検証
5ペンドリーの完全レンズ
6種々の批判と反論
7均質化の概念と方法
8今後の展望
第2章最新の研究動向(真田篤志、石原照也、梶川浩太郎)
1マイクロ波・ミリ波帯における最新動向
2光領域における最新動向
3超解像とクローキング
第3章光学分野におけるメタマテリアルの産業化(梶川浩太郎)
1メタマテリアルとは
2メタ物質と実在物質の対応
3完全レンズ
4まとめ
第4章マイクロ波メタマテリアル構造の開発(伊藤龍男)
1序論
2黎明期
3右手/左手系複合メタマテリアル構造
4他のアプローチ
5結論
【基礎編】
第1章マクスウェル方程式(北野正雄)
1はじめに
2マクスウェル方程式
3光速と真空インピーダンス
4マクスウェル方程式の構造
4.1光速の役割
4.2真空のインピーダンスの役割
5巨視的マクスウェル方程式
5.1微視的マクスウェル方程式
5.2粗視化
6媒質の構成方程式
7屈折率
8位相速度、群速度、エネルギー流
9波動インピーダンス
10一般座標変換
11おわりに
第2章回路理論からのアプローチ(真田篤志)
1伝送線路理論
2周期構造線路
3非共振型左手系メタマテリアル
4バランス型右手/左手系複合(CRLH)線路
5次元右手/左手系複合媒質
第3章電磁場の数値計算(FDTD法)(田丸博晴)
1はじめに
2FDTD法
3メタマテリアル研究におけるFDTD法の位置付け
4巨視的モデルによる透磁率の表現:μ≠μ0の計算
5微視的モデルによる透磁率の表現:μ=μ0の計算
6まとめ
7さいごに
第4章電磁場の数値計算法(境界要素法)(黒川要一、迫田和彰)
1序論
2電磁場の数値計算法
3計算法
3.1積分方程式
3.2離散化
3.3内部電磁場と散乱電磁場
3.4TEモード
4計算結果
5まとめ
第5章メタマテリアルにおける有効誘電率と有効透磁率の決定(セルゲイ G.ティホデーエフ)
1はじめに
2転送行列と有効光学定数の抽出方法
3εとμの抽出のための散乱行列
4いくつかの実例
4.1孔のあいた2重金属膜
4.2金属膜上の金属ストリップ対
5結論
第6章メタマテリアル薄膜の実効的誘電率・透磁率の決定(永井正也、蓑輪陽介、田中耕一郎)
第7章SRR(分割リング共振器)の短波長化(石川篤)
1はじめに―SRR(分割リング共振器)の短波長化の必要性―
2SRRの動作原理
3光周波数領域における金属の特性
4SRRの磁気応答の周波数特性
5まとめ―最近の動向―
【材料編】
第1章平面型左手系メタマテリアル(真田篤志)
1分布定数型負屈折率メタマテリアル
2基本伝送特性
3負屈折率スラブレンズ
第2章誘電体左手系メタマテリアルI(堀井康史)
1はじめに
2原理
3密閉型1次元CDPメタマテリアル
4密閉型2次元CDPメタマテリアル
5開放型2次元CDPメタマテリアル
6CDPメタマテリアルの今後について
第3章誘電体左手系メタマテリアルII(上田哲也)
1あらまし
2誘電体共振器からなる構造の持つ実効誘電率および透磁率
3左手系メタマテリアルの構成方法
3.12種類の誘電体共振器群による構成
3.2単一誘電体共振器群とその相互結合による構成
4負誘電率媒質中に配置された1種類の誘電体共振器群からなる構成
5むすび
第4章テラヘルツメタマテリアル(萩行正憲、宮丸文章、高野恵介)
1はじめに
2THz帯での磁気メタマテリアルとNIM
3磁気共鳴の電気的励起
4メタマテリアルの動的制御
5金属微細構造体中のTHz波伝播
6まとめ
第5章メタマテリアルにおける損失補償と利得(岡本隆之)
1はじめに
2利得媒質中のエバネッセント光
3表面プラズモン共鳴における利得媒質
4メタマテリアルにおける利得媒質
5利得媒質
第6章メタマテリアルにおける非線形光学効果(岡本敏弘、原口雅宣、福井萬壽夫)
1はじめに
2波長変換(SHG、THG、光パラメトリック増幅・発振)
3光カー効果
3.1比透磁率の光強度依存性
3.2光双安定現象
4光学非線形を持つメタマテリアル
5最後に
第7章ナノコンポジットによるメタマテリアル(冨田知志)
1はじめに
2磁性ナノコンポジットによる左手系メタマテリアルの理論的背景
2.1電子磁気共鳴を用いた透磁率制御
2.2多粒子系での電子磁気共鳴
2.3共鳴磁場シフトの計算
3磁性ナノコンポジットによる左手系メタマテリアル実現に向けた実験
3.1磁性ナノコンポジット膜の作製
3.2電子磁気共鳴測定
4まとめと今後の展望
第8章熱電メタマテリアル(宮崎康次)
1はじめに
2熱電半導体の効率
3熱伝導率低減による熱電発電効率の改善
4フォノン輸送と熱伝導率
5ボルツマン輸送方程式によるフォノンの扱い
6分子動力学計算によるナノ構造の熱伝導
7ナノ構造物の熱伝導に関する実験
8まとめ
【応用編】
第1章メタマテリアルを用いた無反射光機能素子(田中拓男)
1はじめに
2ブリュースター
3異方性メタマテリアル
4無偏光ブリュースター素子
5まとめ
第2章メタマテリアルによるセンシング(梶川浩太郎)
1はじめに
2アフィニティーバイオセンサ
3表面増強ラマン散乱
4光アンテナ
5まとめ
第3章メタマテリアルによる熱輻射制御(高原淳一)
1はじめに
2微小共振器アレイの構造と材料
3負誘電体微小共振器アレイにおける熱輻射
3.1微小共振器アレイの構造
3.2共振器のサイズによるスペクトルの違い
3.3擬似表面プラズモン
4応用
5おわりに
第4章プラズモニックメタマテリアルのテラヘルツデバイス応用(尾辻泰一)
1はじめに
2半導体2次元プラズモンの物理
3テラヘルツ帯光源への応用
3.12次元プラズモン共鳴型エミッタ/フォトミキサー
3.2試作素子の室温電磁波放射特性
4メタマテリアルの信号処理回路への応用
4.1周期2次元プラズモン2重層による分散制御
4.2テラヘルツ帯周波数逓倍器
4.3テラヘルツ帯変調器
5むすび
第5章メタマテリアル技術のアンテナへの応用とその可能性(榊原久二男)
1メタマテリアルの電波への応用
1.1人工磁気導体の利用
1.2伝送線路の波長制御
2メタマテリアルによる波長制御
2.1誘電体媒質による波長短縮とメタマテリアルによる波長短縮
2.2メタマテリアルによる波長拡大と左手系伝送線路
2.3左手系伝送線路とその設計
3アンテナへの応用
3.1アンテナの小型化
3.2アンテナの指向性制御
4メタマテリアルの導波管への応用
4.1導波管伝送線路と内部周期構造
4.2アンテナの特性とメタマテリアル導入の効果
5まとめ
第6章能動受動融合メタマテリアルによるミリ波機能回路(佐野栄一)
1ミリ波応用
2ミリ波デバイス
3メタマテリアル
4メタマテリアルのICチップ上への集積化
第7章非線形CRLH線路のソリトンパルス応用(楢原浩一)
1はじめに
2一次元非線形CRLH線路におけるソリトン生成
3二次元非線形CRLH線路における擬似ソリトン
4おわりに
第8章ミリ波帯左手系アンテナと自動車レーダアンテナへの応用(佐藤和夫)
1はじめに
2右手/左手系伝送線路を利用したビーム走査アンテナの概念
3ビーム走査アンテナの設計
4実験結果
5まとめ

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