自動車用バイオ燃料技術の最前線
Recent Technologies of Biofuel for Automotive
[コードNo.2007T604]

■監修/ 山根浩二(滋賀県立大学 教授)
■体裁/ B5判 192ページ
■発行/ 2007年 12月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

石油代替のクリーンなエネルギーとして脚光を浴びる技術!
バイオ燃料の品質向上や実証試験という斬り方で刊行!
自動車産業や石油産業の関係者、NPOや自治体の方々に是非!

※ 本書籍はご試読頂けません ※

刊行のねらい
 現在の自動車の動力装置である往復式内燃エンジンは、ほとんどが石油を原料としたガソリンと軽油を燃料としている。しかし、火花点火エンジンを搭載した世界最初の大衆車であったT型フォードは、開発当初はエタノールを燃料としていたことや、ルドルフディーゼルが発明したディーゼルエンジンは、当初はピーナッツ油を燃料としていたことはあまり知られていない。もちろん、現在と当時のエンジンシステムとは基本的な機構そのものは全く変わっていないが、電子制御による燃焼制御や排ガス後処理装置など、多くの高度技術が盛り込まれており、熱効率や排気ガスの向上などでまったく当時とは比較にならないほど進歩している。しかし、それら高度技術は、数十年にわたるガソリンや軽油の均質化や安定化の技術開発に支えられている。この石油技術の歴史に比べれば、バイオエタノールやバイオディーゼルの歴史は浅い。中東戦争など石油危機のたびにバイオ燃料が現れるがすぐに消えてしまい、バイオ燃料自身は古いものの、技術開発の歴史はまだ短く、短期間でバイオ燃料に現在のようなガソリンや軽油と同じ品質や技術を要求するのは酷な話である。
 一方、地球温暖化を加速させている主な原因は、石油に代表される化石燃料の燃焼によって排出される二酸化炭素であることが、2007年のIPCCで明らかになり、今後、世界の気温上昇を2℃以下に抑制しなければ、地球全体が取り返しのつかない事態に陥る可能性が示唆されている。この点からも、CO2ニュートラルであるバイオマスエネルギーの技術開発は重要なキーテクノロジーである。とくに、自動車用燃料としては、現在のガソリンや軽油の利便性やインフラがそのまま利用できるバイオマス由来の液体燃料の重要性が高くなってくることは言うまでもない。日本においても、2006年4月に定められた「京都議定書目標達成計画」に2010年までに輸送用燃料の50万kL(原油換算)をエタノールなどのバイオ燃料に置き換えることが掲げられており、わずかながら自動車用燃料のバイオ燃料への代替が進められている。
 本書は、バイオ燃料の製造や品質向上技術開発、バイオ燃料を使用した高効率エンジン技術開発や実証試験に関わっている多くの方々に執筆頂くことができた。ここに深く謝意を表す。また、本書は、多くの自動車産業や石油産業の関係者、自動車燃料に強く興味をもつNPOや自治体の方々の参考書となることを狙いとしており、これらの方々に数多くご購読頂ければ幸いである。
(「はじめに」より)
2007年12月 山根浩二(滋賀県立大学)

執筆者一覧
山根浩二滋賀県立大学 工学部 機械システム工学科 教授
井上貴至(株)三菱総合研究所 環境・エネルギー研究本部 地球温暖化対策研究グループ 主任研究員
齊木良治(株)本田技術研究所 四輪開発センター 第3A技術開発室 第2ブロック 主任研究員
川野大輔(独)交通安全環境研究所 環境研究領域 研究員
塩谷仁(独)産業技術総合研究所 新燃料自動車技術研究センター 計測評価チーム
後藤新一(独)産業技術総合研究所 新燃料自動車技術研究センター 研究センター長
小出俊一(株)エス・ブイ・シー東京 中津事業所 技術サービスセンター 性能実験グループ 部長兼プロジェクト担当
湯川英明(財)地球環境産業技術研究機構(RITE) 微生物研究グループ 理事、グループリーダー
酒井伸介(財)地球環境産業技術研究機構(RITE) 微生物研究グループ 研究員
王祥生(株)ダイキアクシス R&D統括部 開発部 マネジャー
新名謙多郎びわこバイオラボ(株) 取締役
林光男びわこバイオラボ(株) 代表取締役
小原聡アサヒビール(株) 技術開発研究所 副課長
寺島義文(独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター バイオマス・資源作物開発チーム 研究員
奥島憲二(株)りゅうせき バイオエタノールプロジェクト推進室 室長
古志秀人石油連盟 技術環境安全部 部長
石黒久雄富山BDF(株) 取締役 所長
青山裕史油藤商事(株) 専務取締役
池田博史木村化工機(株) 開発部 部長

構成および内容
序論バイオ燃料と自動車エンジンとの関係性(山根浩二)
1バイオ燃料の概要
2バイオエタノールとETBE
3バイオディーゼル
4自動車用燃料として必要な条件
【第I編 総論】
第1章ガソリン機関用バイオ燃料の生産技術と利用の動向(原料、製造技術概要、国内の利用動向)(井上貴至)
1はじめに
2ガソリン機関用バイオ燃料の生産技術と利用の動向
2.1バイオエタノールの概要
2.1.1バイオエタノール
2.1.2ETBE
2.2国内の主な取り組み
2.2.1政策動向
2.2.2取組動向
3ディーゼル機関用バイオ燃料の生産技術と利用の動向
3.1ディーゼル機関用バイオ燃料の概要
3.1.1SVO(Straight Vegetable Oil)
3.1.2バイオディーゼル
3.1.3水素化油脂
3.1.4BTL
3.2BDFの主な取り組み
4海外のバイオ燃料の利用動向
4.1バイオエタノール
4.1.1ブラジル
4.1.2欧州
4.1.3米国
4.2バイオディーゼル燃料
4.2.1欧州
4.2.2米国
【第II編 バイオ燃料と自動車エンジン適用技術と品質規格】
第1章エンジン適用技術(齊木良治)
1ホンダの適用技術例
1.1ブラジルの状況
1.2エタノール燃料の性状
1.3エタノール燃料およびエタノール混合燃料の自動車への影響
1.4試験エンジン
1.5エタノールの燃焼時の特性
1.6全負荷性能
1.7エタノールの低温時の特性
2まとめ
第2章FAMEの自動車用燃料適用性(川野大輔)
1はじめに
2FAMEの燃焼・排出ガス特性
2.1供試燃料
2.2供試エンジン
2.3燃焼特性
2.4排出ガス特性
3FAME使用時の超低公害化の実現
4おわりに
第3章バイオエタノールに関する法規制と品質規格(塩谷仁、後藤新一)
1エンジン適用技術
1.1バイオエタノールに関する法規制と品質規格
1.1.1揮発油等の品質の確保等に関する法律におけるエタノール許容濃度
1.1.2燃料用エタノール規格
第4章国内におけるバイオディーゼル燃料(BDF)の品質規格(小出俊一)
1はじめに
2国内におけるFAME混合軽油の規格のあり方
3国内におけるFAME混合軽油の品質管理
3.1国内における燃料品質確保のスキーム
3.2欧州におけるFAME混合軽油の品質管理法
3.3国内でのFAME混合軽油の品質管理法
4検証試験
5品質確保法軽油規格の改正
5.1FAME含有量
5.2トリグリセライド含有量
5.3酸価及び特定の酸含有量
5.4酸化安定性(酸価の増加)
6排ガス性状に及ぼす影響
7混合用ニートFAMEの規格
7.1酸化安定性
7.2酸価
7.3低温特性
8FAME混合軽油の規格試験法の検討
8.1FAME混合軽油中の脂肪酸メチルエステルおよびトリグリセライドの分析
8.2FAME混合軽油中のメタノール及びリノレイン酸メチルの分析
8.3FAME混合軽油中のメタノールの分析
8.4FAME混合軽油中の低級脂肪酸の分析
8.5FAME混合軽油の酸化安定性試験
9FAME混合軽油規格における今後の課題
【第III編 国内の主なバイオ燃料製造に関わる研究と取組事例】
第1章RITEバイオプロセスによる燃料エタノール製造(湯川英明、酒井伸介)
1はじめに
2米国におけるバイオエタノールの現状と今後
2.1バイオエタノールの動向
2.2ソフトバイオマス原料法への期待
2.2.1温室効果ガスの削減効果
2.2.2セルロース原料法の経済性
3ソフトバイオマス原料法の開発
3.1要素技術
3.2バイオ変換工程に必須な技術特性
3.3研究開発の状況
3.3.1醸造微生物を用いた生産技術
3.3.2工業用微生物を用いた生産技術
4RITEにおける技術開発
4.1高生産性RITEバイオプロセス
4.2高生産性「エタノールRITE菌」の創製
4.3C6糖類、C5糖類の同時利用
4.4発酵阻害物質に対する高度耐性
4.5工業化に向けた取り組み
5バイオエタノール実用化へのシナリオ
6バイオ燃料の光と影
7おわりに
第2章製造事業及び製造装置(王祥生)
1バイオディーゼルの原料
2バイオディーゼル製造技術
3バイオディーゼル燃料製造装置
3.1原料油脂の前処理
3.2エステル変換
3.3エステル精製
3.4副生成物の精製
4装置例
4.1小型製造装置
4.2大型プラント
第3章びわこバイオラボ(株)製造事業及び製造装置について(新名謙太郎、林光男)
1びわこバイオラボ(株)製造施設概要
2製造装置について
2.1BDF製造装置研究開発の変遷
2.1.1工程フロー
2.1.2問題点
2.1.3対策
2.1.4増設施設
2.1.5問題点及び対策
2.1.6増設設備
2.1.7新たな課題及び対策
2.2現在のBDF製造装置
2.2.11日目(原料受入)
2.2.22日目(前処理、反応・分離)
2.2.33日目(後処理)
2.3後処理方式の選択
3製造事業について
3.1現在の製造事業
3.1.1高島市BDF循環型社会形成事業
3.1.2企業や大学とのBDF事業
3.1.3廃食油大量排出先や廃食油回集業者との生産請負事業
3.2BDF製造事業の課題
4新たな資源作物の可能性
第4章伊江島におけるバイオエタノール生産の取り組み(小原聡、寺島義文)
1国産サトウキビからのエタノール生産の可能性
2新たな生産プロセスの提案
2.1新しい原料「高バイオマス量サトウキビ」
2.2砂糖・エタノール複合生産プロセス
3伊江島における取り組み
3.1高バイオマス量サトウキビ栽培試験
3.2砂糖・エタノール複合生産試験
3.3E3ガソリン製造・利用試験
3.4副産物の循環利用
4今後の展望
第5章沖縄産糖蜜からの燃料用エタノール生産プロセス開発及びE3等実証試験(奥島憲二)
1はじめに
2沖縄のサトウキビと糖蜜
3燃料用バイオエタノール生産プロセスの開発
3.1沖縄産糖蜜に適合した発酵プロセス
3.2省エネルギー濃縮脱水プロセス
3.3蒸留残渣液の利活用と廃水処理システムの開発
3.4本設備の省エネルギー性とLCA
4E3燃料の製造と実車走行試験
4.1E3燃料の製造と供給
4.2E3燃料の品質管理
4.3実車走行試験
5宮古島広域実証事業
5.1原料糖蜜の安定供給
5.2蒸留残渣液の利活用と廃水処理システムの開発
5.3隣接製糖会社とのユーティリティ等の融通
5.4バイオエタノール添加ガソリンの揮発油税減免措置
5.5設備建設費への国策支援
6おわりに
第6章バイオガソリン導入の取り組みについて(古志秀人)
1はじめに
2石油業界のバイオバイオエタノール導入方針
3実証事業の概要
4バイオエタノール、バイオETBEの確保に当たっての課題
4.1バイオエタノールの確保
4.2バイオETBEの確保
4.3JBSLの設立
5バイオETBEの活用
5.1品質確保への対応
5.2大気環境や自動車の実用性能への影響
5.3ETBEの化学物質としてのリスク対策
6今後の展開
第7章バイオディーゼル燃料への取り組み(石黒久雄)
1富山市の取り組みと設立の由来
2工場建設の誤算
3目標
4取り組み効果
5特色と概要
6廃食用油の現況
7製造に関する現況と対策
8行政の協力
9走行実験による問題点と対策
9.1現象
9.2その対策
10B-5品確法と軽油取引税
11まとめ
第8章ガソリンスタンドはまちのエコロジーステーション(青山裕史)
1はじめに
2ガソリンスタンドでの資源ゴミ回収のメリット
3「集める=回収」
3.1ガソリンスタンド店頭での回収
3.2行政とタイアップ
3.3事業系の廃食油回収
4「つくる=精製」
5「使う=販売」
6税制の問題
7車両側の注意事項
8おわりに
第9章廃食用油からのバイオディーゼル燃料(FAME)製造装置(池田博史)
1はじめに
2廃食用油原料の現状と問題点
2.1供給と品質の安定化
2.2経済性
2.3FAMEの品質規格
3富山エコタウンでのバイオディーゼル燃料への取り組み
4FAME製造プロセスの概要
4.1設備概要
4.2原料受入と前処理工程
4.32段反応・分離工程
4.4メタノール回収工程
4.5精製工程と給油
4.6FAMEの性状について
5おわりに
【索引】

お申し込み お問い合わせ

お申し込み画面が開かない場合は、『books_entry.pdf』をダウンロードして頂き、プリントアウトした物に必要事項をご記入の上、FAXにてご送信下さいませ。
PDF形式のファイルをご覧頂くには、アドビ システムズ社から無償提供されている「Adobe Reader」が必要です。

■ お問い合わせの前に『よくあるご質問(FAQ)』をご一読下さいませ ■

■ セミナー・講習会のご案内はこちらでございます ■
前のページへ 書籍indexページへ