メタボロミクスの先端技術と応用
Advanced Technology of Metabolomics and its Practical Application
[コードNo.2008T605]

■監修/ 福ア英一郎(大阪大学 教授)
■体裁/ B5判 299ページ
■発行/ 2008年 1月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

最前線でご活躍のメタボローム研究者による執筆
基礎技術から応用まで、実用に則したノウハウを解説
「メタボロミクス」における本格的な技術書

※ 本書籍はご試読頂けません ※

刊行にあたって
 代謝物の網羅的解析に基づくオーム科学である「メタボロミクス」は、トランスクリプトミクスやプロテオミクスとは異なる情報を与える有用技術として期待される半面、その技術内容が分かりにくく、胡散臭い技術として敬遠される場合も多い。本書の目的は、メタボロミクスの先端技術を出来るだけ平易に解説し、メタボロミクスとは何かということを分かっていただくことである。そのために、メタボロミクス研究の最前線で活躍中の先生方には、ご自身の仕事を単に紹介するのではなく、現状技術の内容、限界、問題点を出来るだけわかり易く解説することをお願いした。本書の前半では、分析技術、情報処理技術の現状が解説されている。本書後半では、生命科学への応用ならびに、実用技術としての可能性が記述されている。本書を読むことにより、メタボロミクスへの理解が深まり、より多くの方にメタボロミクスを使ってみたいと思っていただければ至福である。
 なお、本書企画に賛同し、ご多忙の中、執筆してくださった諸先生方に深く感謝する次第である。
(「はじめに」より)
大阪大学 福ア英一郎

執筆者一覧(執筆順)
福ア英一郎大阪大学 大学院工学研究科 生命先端工学専攻 教授
宮野博味の素(株) ライフサイエンス研究所 分析基盤研究グループ グループ長 主席研究員
石濱泰慶應義塾大学 先端生命科学研究所 准教授
原田和生大阪大学 大学院工学研究科 生命先端工学専攻 特任研究員
馬場健史大阪大学 大学院薬学研究科 助教
及川彰(独)理化学研究所 横浜研究所 植物科学研究センター メタボローム基盤研究グループ メタボローム解析研究チーム 研究員
飯島陽子(財)かずさDNA研究所 産業基盤開発研究部 ゲノムバイテク研究室 特別研究員
根本直(独)産業技術総合研究所 生物情報解析研究センター 主任研究員
菊地淳(独)理化学研究所 植物科学研究センター ユニットリーダー;名古屋大学 大学院生命農学研究科 客員教授
田口良東京大学 大学院医学系研究科 メタボローム寄付講座 客員教授
中西広樹東京大学 大学院医学系研究科 メタボローム寄付講座 研究員
川瀬雅也大阪大谷大学 薬学部 教授
真保陽子奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 情報生命科学専攻 比較ゲノム学講座;JST-BIRD研究員
高橋弘喜奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 情報生命科学専攻 比較ゲノム学講座
田中健一奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 情報生命科学専攻 比較ゲノム学講座
草場亮奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 情報生命科学専攻 比較ゲノム学講座
Md.Altaf
-Ul-Amin
奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 情報生命科学専攻 比較ゲノム学講座
Aziza Kawsar
Parvin
奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 情報生命科学専攻 比較ゲノム学講座
旭弘子バイオテクノロジー開発技術研究組合 研究員
平井晶奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 情報生命科学専攻 比較ゲノム学講座;JST-BIRD研究員
黒川顕奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 情報生命科学専攻 比較ゲノム学講座
金谷重彦奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 情報生命科学専攻 比較ゲノム学講座 教授;JST-BIRD研究員
時松敏明京都大学 化学研究所 バイオインフォマティクスセンター 助教
石井伸佳慶應義塾大学 先端生命科学研究所 研究員
清水浩大阪大学 大学院情報科学研究科 バイオ情報工学専攻 教授
古澤力大阪大学 大学院情報科学研究科 バイオ情報工学専攻 准教授
白井智量(財)地球環境産業技術研究機構 微生物研究グループ 研究員
田中喜秀(独)産業技術総合研究所 ヒューマンストレスシグナル研究センター ストレス計測評価研究チーム 主任研究員
東哲司(独)産業技術総合研究所 ヒューマンストレスシグナル研究センター ストレス計測評価研究チーム テクニカルスタッフ
Randeep Rakwal(独)産業技術総合研究所 ヒューマンストレスシグナル研究センター 精神ストレス研究チーム テクニカルスタッフ
柴藤淳子(独)産業技術総合研究所 ヒューマンストレスシグナル研究センター 精神ストレス研究チーム テクニカルスタッフ
脇田慎一(独)産業技術総合研究所 ヒューマンストレスシグナル研究センター ストレス計測評価研究チーム チーム長
岩橋均(独)産業技術総合研究所 ヒューマンストレスシグナル研究センター 副研究センター長
榊原圭子(独)理化学研究所 植物科学研究センター 研究員
斉藤和季(独)理化学研究所 植物科学研究センター グループディレクター;千葉大学 大学院薬学研究院 教授
平井優美(独)理化学研究所 植物科学研究センター メタボローム基盤研究グループ 代謝システム解析ユニット ユニットリーダー
久原とみ子金沢医科大学 総合医学研究所 人類遺伝学研究部門 部門長;教授
東城博雅大阪大学 大学院医学系研究科 分子医化学 准教授
木野邦器早稲田大学 理工学術院 先進理工学部 応用化学科 教授
古屋俊樹早稲田大学 理工学術院、(独)日本学術振興会 特別研究員
鈴木克昌北海道大学農学院 共生基盤学専攻 博士課程
岡崎圭毅北海道農業研究センター 根圏域研究チーム 研究員
俵谷圭太郎山形大学 農学部 教授
信濃卓郎北海道大学 創成科学共同研究機構/大学院農学研究院 准教授
田中福代(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 土壌作物分析診断手法高度化研究チーム 主任研究員
堤浩子月桂冠(株) 総合研究所 副主任研究員

構成および内容
序論メタボロミクスの現状と可能性(福ア英一郎)
1メタボロミクスの上流に位置するオーム科学
2メタボロミクスの位置づけ
3メタボロミクス技術の現状
3.1分析技術
3.2情報処理技術
4メタボロミクスの応用展開
4.1生命科学への応用
4.2実用技術としての可能性
5おわりに
【第1編 分析技術】
第1章メタボロミクスにおけるHPLCの応用(宮野博)
1はじめに
2LC-MSによる非特異的メタボロミクス
3LC-MSによる特異的メタボロミクス
3.1官能基特異的分析法の有用性
3.2アミノ基-アミノ酸
3.3カルボキシル基-TCAサイクルを構成する代謝物
3.4リン酸エステル-解糖系やペントースリン酸系を構成する代謝物
4おわりに
第2章メタボロミクス、プロテオミクスのためのナノLC/MSシステム(石濱泰)
1はじめに
2ナノLCカラムと質量分析計とのインターフェース
3注入システム
4カラム径、流速の影響
5オフラインLC-MS/MS
6多次元分離
7今後の展望
第3章CE/MSによるアニオン性代謝産物解析システムの開発(原田和生、福ア英一郎)
1はじめに
2アニオン性代謝産物プロファイリングのためのCE/MSシステム
3技術的課題
3.1質量分析計の使い分け
3.2サンプル調製法
3.3定量法
3.4感度
3.5移動時間再現性
4おわりに
第4章超臨界流体クロマトグラフィー/質量分析による脂質プロファイリング(馬場健史)
1はじめに
2超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)とは?
3SFC/MSによる脂質分析条件の検討
4脂質混合物のSFC/MS分析
5おわりに
第5章フーリエ変換イオンサイクロトロン質量分析装置(FT-ICR MS)を用いたメタボリックプロファイリング解析(及川彰)
1序論
2FT-ICR MSによる分析
2.1FT-ICR MSの原理
2.2FT-ICR MSによる分析
3FT-ICR MSを用いたメタボローム解析
3.1メタボローム解析におけるFT-ICR MS
3.2サンプル抽出および前処理
3.3FT-ICR MS分析
3.4データ解析
3.5MSMS分析
3.6イオンサプレッションの問題点
4研究例―除草剤による代謝攪乱のメタボリックプロファイリング解析―
4.1導入
4.2方法
4.3結果
5展望
第6章LC-FT-ICR-MSによる未知代謝物のアノテーション(飯島陽子)
1はじめに
2未知代謝物のアノテーションにおけるLC-FT-ICR-MSの有効性
3代謝物アノテーション方法
4トマト果実における代謝物アノテーション例
5代謝物アノテーション情報の応用−トマトフラボノイドの代謝−
6今後の課題と展望
第7章FT-NMRを用いたメタボリックプロファイリング(根本直)
1NMR-MP導入―何が必要か―
2NMRの調整―良いデータセットを得るために―
3シム調整―プロファイリングに分解能は不要か?―
4水信号消去操作
5NMR-MPにおけるデータポイント
6NMR-MP試料調製
7NMR-MP自動測定
8NMR-MPデータ処理
9標的型NMR-MP
10非標的型NMR-MP
第8章メタボノミクスとNMR技術開発(菊地淳)
1メタボノミクスとメタボロミクス
2多様なNMR計測手法
2.1抽出物計測と非侵襲計測
2.2観測核の選択
2.3パルス系列の選択
2.4NMRデータ解析法の実際
3メタボノミクス解析の報告例
3.1環境メタボノミクス
3.2栄養メタボノミクス
3.3システム生物学、フラクソミクス、合成生物学
4計測機器開発の重要性
第9章脂質メタボロミクスとその応用(中西広樹、田口良)
1はじめに
2脂質メタボローム解析法
2.1グローバル解析法
2.2グループ特異的解析法
2.3個別分子特異的解析法
2.4データ解析法
3酸化脂肪酸の包括的測定系
3.1固相抽出法によるサンプル前処理
3.2酸化脂肪酸同定法
3.3MRMの利点とLCによる分離の意義
3.4内部標準法による定量と検出限界
3.5急性腹膜炎モデルの酸化脂肪酸解析
4新しい手法
5おわりに
【第2編 情報処理技術】
第10章メタボロミクスデータ解析のための基礎統計学(川瀬雅也)
1統計学の基礎
2多変量解析
2.1回帰分析
2.1.1相関係数
2.1.2重回帰分析の実際
2.1.3回帰式の検定
2.1.4部分最小二乗法(PLS)
2.2主成分分析
2.3因子分析
2.4判別分析
2.5クラスター分析
2.6自己組織化マップ(SOM)
3まとめ
第11章生物種-代謝物関係データベース:KNApSAcK
(真保陽子、高橋弘喜、田中健一、草場亮、Md.Altaf-Ul-Amin、Aziza Kawsar Parvin、旭弘子、平井晶、黒川顕、金谷重彦)
1はじめに
2メタボローム・バイオインフォマティクス(スペクトル解析)
3一括処理型の自己組織化法(BL-SOM)
3.1初期ベクトルの設定
3.2入力ベクトルの分類
3.3代表ベクトルの更新
4トランスクリプトームおよびメタボロームデータの統合的な解析
5生物種-代謝物関係データベースKNApSAcK
6KNApSAcKの検索機能
6.1検索方法
6.1.1化合物名、生物種名からの検索
7ソフトウエアのダウンロード
第12章メタボロミクスの理解に有用な代謝マップビューアー・代謝経路データベース(時松敏明)
1はじめに
2個別の代謝マップビューアー・代謝マップデータベースの紹介
2.1KEGG
2.1.1KEGGの特徴
2.1.2KEGG PATHWAYの機能
2.2BioCycおよび関連のパスウェイデータベースについて
2.2.1BioCycの概要と特徴
2.2.2BioCycの機能
(1)パスウェイ情報の閲覧
(2)Birds-eyeマップへのOmicsデータの表示
2.3MapMAN
2.3.1MapManの特徴
2.3.2MapMANの機能
(1)オミックスデータの表示
(2)代謝パスウェイマップの作成
2.4KaPPA-View2
2.4.1KaPPA-View2の特徴
2.4.2KaPPA-Viewの機能
(1)トランスクリプトームデータ、メタボロームデータの代謝経路マップ上での比較
(2)代謝マップ上への遺伝子発現相関共発現ネットワーク情報の描画
(3)代謝マップの閲覧
3おわりに
第13章微生物の代謝シミュレーション(石井伸佳)
1はじめに
2各種の微生物モデル
3微生物代謝の構造化モデル
4動的モデリングにおける酵素反応速度式の問題
5マルチオミクスデータの利用
6おわりに
【第3編 生命科学への応用】
第14章メタボロームデータを利用した代謝フラックス解析(清水浩、古澤力、白井智量)
113C標識を用いた代謝フラックス解析
2GC-MSおよびNMR分析のためのサンプル調製
3GC-MS分析条件
4NMR分析条件
5代謝フラックス解析のためのモデル構築
613Cフラックス解析(13C MFA)方法
7測定データの誤差に対する13C MFAの精度解析
8決定されたフラックスの精度
9NMR分析データによる13C MFA結果の検証
10二種のコリネ型細菌の13C MFA
11まとめ
第15章in vivo同位体標識による網羅的代謝物ターンオーバー解析(原田和生、福ア英一郎)
1はじめに
2代謝フラックス解析の現状
3代謝フラックス解析の技術的要素
4培養細胞における代謝産物のin vivo 15N標識率測定
5おわりに
第16章ゲノミクスとメタボロミクスの生物学的解析技術としての融合(田中喜秀、東哲司、Randeep Rakwal、柴藤淳子、脇田慎一、岩橋均)
1はじめに
2ゲノミクス
3メタボロミクス
4ゲノミクスとメタボロミクスの融合
5ゲノミクスとメタボロミクスの融合から得られた結果の考察
6おわりに
第17章メタボロミクスを基盤とした植物ゲノム機能科学(榊原圭子、斉藤和季)
1はじめに
2植物におけるメタボロミクス
3植物代謝産物の多様性と植物ゲノム
4メタボロミクスとトランスクリプトミクスの統合による遺伝子機能同定
5公開トランスクリプトームデータベースを利用した遺伝子機能同定
6メタボロミクスと植物二次代謝
7おわりに
第18章オミクス統合解析による植物代謝の解明(平井優美)
1植物代謝の環境応答
2植物代謝に関する機能ゲノム科学
2.1グルコシノレート生合成酵素遺伝子群
2.2グルコシノレート生合成を制御する転写因子
3おわりに
【第4編 実用技術としての可能性】
第19章診断と個別化医療のための非侵襲的ヒトメタボロミクス(久原とみ子)
1はじめに
2メタボリックプロファイリングからメタボロームプロファイリングへ
3メタボローム解析では多種類の酵素機能と塩基配列異常を包括的に観ている
4試料としての尿の特長
5簡易ウレアーゼ法による尿の前処理とGC-MSによる代謝物の計測
6内部標準物質の添加、安定同位体希釈法等を用いた定量性の向上
7GC-MS測定条件
8クレアチニン定量
9指標物質異常度評価とその応用
10GC-MS測定の特徴
11個別化医療
12先天性代謝異常症のローリスクおよびハイリスクスクリーニング、化学診断、モニタリング
13おわりに
第20章自動化脂質分析装置を用いた病態リピドミクス(東城博雅)
1はじめに
2リピドミクスとプロテオミクスの連携
3中性脂質からリン脂質にわたる極性の脂質クラスの自動化分析装置
4自動化分析装置の病態リピドミクスへの応用
第21章メタボロミクスとゲノム情報を活用した有用酵素の探索(木野邦器、古屋俊樹)
1はじめに
2CE-MSを活用した酵素機能の探索法
3FT-ICR MSを活用した酵素の基質探索法
3.1本手法の戦略
3.2Bacillus subtilis由来P450の基質探索
3.3本手法の有効性と留意点
4FT-ICR MSを活用した関連研究
5おわりに
第22章根圏メタボローム解析(鈴木克昌、岡崎圭毅、俵谷圭太郎、信濃卓郎)
1はじめに
2根の分泌物とは
3イネの根分泌物の一斉分析
4微生物との相互作用
5根の分泌物の環境要因による変動
6菌糸の浸出物
7今後の方向性
第23章炭素同位体を用いた作物品質関連成分の代謝解析(田中福代)
1安定同位体トレーサーとメタボロミクス
2安定同位体比質量分析計(Isotope Ratio Mass Spectrometry,IRMS)を使用する
3安定同位体トレーサー―IRMS法による物質代謝解析の例―
3.1カンショ中の桂皮酸誘導体分析
3.2ホウレンソウにおけるシュウ酸生成と硝酸濃度還元の相関
413C標識の実際-個体用13C同システムの仕様
5メタボロミクスにおけるIRMS利用のこれから
第24章清酒酵母のメタボローム解析(堤浩子)
1はじめに
2培養と試料調製
3GC/MS分析とデータ解析
4「清酒酵母」と「実験室酵母」との代謝の違い
5おわりに
第25章メタボロミクスの食品工学への応用(福ア英一郎)
1はじめに
2メタボロミクスに用いる質量分析
3質量分析計を用いる場合の定量性について
4メタボロミクスにおけるデータ解析
5メタボロミクスの食品工学への応用
6おわりに

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