医薬品原薬・中間体製造における
スケールアップとトラブル対策
How to Scale up and Avoid Troubles for Drugs and its Intermediates Production
[コードNo.2008T628]

■監修/ 橋本光紀(医薬研究開発コンサルティング 代表取締役)
■体裁/ B5判 267ページ
■発行/ 2008年 4月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

結晶多形、溶媒の問題、GMPとそれぞれの話題を網羅!
スケールアップのトラブル対策、事故防止策などの製造現場向けの章を紹介!
絶対、重要!大学研究者、企業技術者の研究者の最近の研究事例を紹介!

※ 本書籍はご試読頂けません ※

発刊にあたって
 本書の構成は12章からなり製薬企業の国際情勢からプロセスケミストリーの発展、スケールアップの問題点やトラブル解決法、事故例や防止策、結晶多形や溶媒の問題、GMPと広い範囲でのトピックスを盛り込み、経験を踏まえた臨場感溢れる内容となっており、即戦力としてお役に立てる本と確信している。12章では最近の手法と反応例として化学会の第一線で活躍中の大学、企業の先生に執筆していただいたが、何より大学での、また企業での研究の進め方がわかり読者の立場で共感を感じ取ってもらえると思っている。
(「はじめに」より抜粋)
2008年4月 橋本光紀(医薬研究開発コンサルティング)

執筆者一覧(執筆順)
橋本光紀医薬研究開発コンサルティング 代表取締役
左右田茂日本プロセス化学会 理事
田中守APIプロセスコンサルティング
若倉正英特定非営利活動法人 災害情報センター 理事
大嶋寛大阪市立大学 大学院工学研究科 化学生物系専攻 教授
三野勲GMPコンサルタント 元三共(株)
鈴木章北海道大学名誉教授
柴ア正勝東京大学 大学院薬学系研究科 教授
金井求東京大学 大学院薬学系研究科 准教授
藤岡弘道大阪大学 大学院薬学研究科 准教授
北泰行大阪大学 大学院薬学研究科 教授
佐用昇高砂香料工業(株) 研究開発本部 ファインケミカル研究所 所長
仲辻秀文関西学院大学 理工学部 化学科
永瀬良平関西学院大学 理工学部 化学科
御前智則兵庫県立大学大学院 物質理学研究科 助教
田辺陽関西学院大学 理工学部 化学科 教授
林亮司東レ(株) 医薬研究所 創薬化学研究室 主席研究員
川村邦昭東レ(株) 医薬研究所 創薬化学研究室 室長
伊関克彦東レ(株) 医薬研究所 所長、リサーチフェロー
小松俊哉興和(株) 医薬事業部 知的財産部 課長
谷川慎興和(株) 医薬事業部 東京創薬研究所 主任研究員

構成および内容
第1章国際化の進む製薬企業(橋本光紀)
1はじめに
2世界の製薬企業の動き
3日本の製薬企業の動き
4医薬品市場の拡大
5国際医薬品の国内外の売上高
6研究開発費
7特許問題
第2章医薬品開発の流れ(橋本光紀)
1はじめに
2seedの発見
3臨床試験の短縮
4予測的バリデーション
5生産の開始
6市場の動向
7国際展開
第3章医薬品プロセス化学の発展(左右田茂)
1はじめに
2製法・製造への思い
3プロセス化学の特徴とフィールド(研究・活躍などの領域)
3.1要素知識・技術とポジショニング
3.2CMC(Chemistry,Manufacturing and Controls)のスピード
3.3関連部署との「ワーク・デザイン」
4多くの観点からGMPやICHのガイドラインを見る
5「大量化」:プロセス化学の醍醐味
6医薬品プロセス化学の課題と挑戦
6.1医薬品のイノベーション
6.2グローバル化:競合と協働
6.3多様な人材育成:体系化
7おわりに
第4章スケールアップの検討(田中守)
1はじめに
2ラボ実験の進め方
2.1重要度および影響度によってデータ採取の優先順位を決める
2.2データ採取の目的を明確にしておくこと
2.3実生産で使用する工業用グレードの試薬・溶媒で実験をすること
3ラボからパイロットスケールへのスケールアップの検討とデータ取得
3.1合成ルートの検討
3.2生産性の向上
3.3安全性
3.4環境への影響
3.5工程パラメータと許容値幅の設定の検討
第5章スケールアップの問題点(橋本光紀)
1はじめに
2プロセス開発
2.1プロセス開発の意義
2.2製法確立の留意点
2.2.1基本製法の確立
2.2.2製造方法の確立
3プロセス開発の問題点
3.1出発原料の決定
3.2反応条件の改良
3.2.1反応温度の緩和
3.2.2反応溶媒の選択
3.2.3溶媒変更と効率化
3.2.4スケールアップのメリット
3.2.5反応の簡略化
4乾燥工程の改良と省略
5濾過工程の省略
6抽出溶媒と反応溶媒の関係
6.1水溶性溶媒の場合
6.2非水溶性溶媒の場合
7効率化とGMP対策
7.1結晶化の改良
7.2濾過乾燥機
7.3Discrepancy
7.4技術の伝承
7.5静電気対策
7.6反応安全性について
8おわりに
第6章トラブル対策(田中守)
1はじめに
2スケールアップの限度
3攪拌
4温度
5操作時間延長と分解抑制
6晶析
7設備
第7章製造条件の最適化(田中守)
1はじめに
2反応工程
2.1反応メカニズムの解明
2.2最適な試薬・触媒・溶媒の選定と使用量
2.3仕込み順序・仕込み方法
2.4反応温度・時間
2.5反応熱量の測定
3抽出
3.1抽出溶媒の選定と使用量
3.2反応液の割り込み
3.3抽出温度、pH
3.4抽出の効率化,分液性,次工程への影響等
4濃縮
4.1濃縮方法の選定
4.2濃縮温度と濃縮残渣
4.3濃縮液の規格
5晶析工程
5.1晶析溶媒と溶解度曲線
5.2攪拌
5.3滴下
5.4pH調整
5.5晶析濃度
5.6晶析温度・晶析時間
5.7種晶投入
5.8結晶形・結晶サイズ
5.9結晶多形
6分離-濾過
7乾燥
8粉砕
第8章事故事例(若倉正英)
1医薬関連の事故事例
1.1研究開発での事故事例
1.1.1自己反応性物質を蒸留中の爆発
1.1.2固体過酸化物取扱中の爆発
1.1.3ヒドロキシルアミン蒸留中の爆発
1.1.4可燃性液体による火災
1.1.5不適切な混合による事故
1.1.6高濃度酸素、高圧酸素による火災
1.1.7酸素欠乏症による中毒
1.2製造工程での事故
1.2.1自己反応性中間体製造中の爆発
1.2.2ヒドロキシルアミン重合中の爆轟
1.2.3医薬品中間体合成プロセスでの爆発
1.2.4合成反応脱ガス工程中の爆発
1.2.5粉体原料投入中の爆発
2バッチ反応の危険因子
2.1プロセス化学上の問題点
2.2プロセスの設計や運転管理での問題点
3事故情報
第9章結晶多形
1結晶多形の制御:安定形と準安定形(大嶋寛)
1.1はじめに
1.2多形の溶媒媒介転移
1.3結晶多形と分子のコンフォメーション
1.4溶解度曲線と溶質分子のコンフォメーション
1.5晶析における平衡と速度
1.6多形制御の実際:3つの多形間で溶媒媒介転移が起こる場合
2スケールアップにおける晶析検討と留意点(橋本光紀)
2.1はじめに
2.2結晶とは
2.3結晶系 (Crystal System)
2.4結晶質(Crystalline substance)と非晶質(Amorphous)
2.4.1晶癖(Crystal habit)
2.4.2結晶水(Crystal Water)と付着水(Adhesion Water)
2.5結晶化-晶析
2.5.1晶析の基礎
2.5.2結晶化の問題点
2.5.3晶析操作線
2.5.4スケールアップ時の晶析
2.6結晶多形(Polymorphism)
2.6.1結晶多形の要因
2.6.2結晶多形の確認
2.6.3擬似結晶多形(Pseudopolymorphism)
2.6.4多形の選択的晶析法
2.6.5結晶多形の例
2.6.6結晶多形の取り扱い
2.6.7ICH(International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human use)
2.7まとめ
第10章溶媒の変更、選択と回収(橋本光紀)
1はじめに
2溶媒の使用目的
3溶媒のICHによる分類
4新しい溶媒CPMEについて
4.1CPMEの物性と特長
5溶媒の回収、再利用
6代表的な溶媒の種類と特徴
第11章ラボ実験・スケールアップから商用生産に至る間のGMPについて(三野勲)
1GMPの特性
1.1GMPと品質管理を比較すると次のようになる
2GMPの誕生と国際的広がり
2.1GMPの誕生
2.2国際的広がり
2.3日本国内
2.4最近の状況と今後の動向
3GMPにおける検証および技術移転の要件
3.1クリティカルプロセスステップのクリティカルパラメータの検討
3.2工程検査の必要性の検討
3.3製造フェーズ完了までのタイムリミットの検証
4クリティカルパラメータの検証許容範囲(PAR:Proven Acceptable Range)の設定
5技術資料の作成
5.1技術資料作成検討における留意点
5.2パラメータレンジ
5.3工程検査および工程試験法
5.4クリティカルパラメータ等のレンジ表
5.5不純物プロファイルおよび関連資料
6技術移転
7治験用原薬のGMP要件
7.1総論(19.1 General)
7.2品質(19.2 Quality)
7.3設備および施設(19.3 Equipment and Facilities)
7.4原料の管理(19.4 Control of Raw Materials)
7.5製造(19.5 Production)
7.6バリデーション(19.6 Validation)
7.7変更(19.7 Changes)
7.8試験管理(19.8 Laboratory Control)
7.9ドキュメンテーション(19.9 Documentation)
第12章最近の手法と反応例
1鈴木カップリング反応の最近の進歩(鈴木章)
1.1はじめに
1.2Alkyl halideとAlkylboron化合物とのカップリング反応
1.3Biarylmonophosphine Ligandを利用する鈴木カップリング
1.4鈴木カップリングに用いられる新しい有機ホウ素化合物(Organotrifluoroborates)
1.4.1Organotrifluoroborateの合成法
1.4.2Organotrifluoroborateの安定性
1.4.3Organotrifluoroborateを用いる鈴木カップリング反応
2不斉触媒反応の実験室レベル大量合成への展開:タミフルの触媒的不斉合成を例に(柴ア正勝、金井求)
2.1はじめに
2.21,2-ジアミンの触媒的不斉合成
2.3タミフルの触媒的不斉合成を指向した反応スケールアップ検討
2.4タミフルの触媒的不斉合成
2.5おわりに
3アセタール脱保護の新手法―ケタールの存在下にアセタールを脱保護する―(藤岡弘道、北泰行)
3.1はじめに
3.2発見
3.3アセタールの脱保護
3.4官能基選択的アセタールの脱保護(ケタール存在下にアセタールを脱保護する)
3.5反応中間体の構造決定
3.6TESOTf-2,4,6-コリジン組み合わせ条件によるTHPエーテルの脱保護
3.7おわりに
4触媒的不斉合成技術のスケールアップ(佐用昇)
4.1はじめに
4.2l-メントール製造の工業化
4.2.1不斉異性化反応
4.3光学活性BINOLを用いたBINAP製造法
4.4抗生物質中間体の製造
4.5おわりに
5革新的アシル化反応の開発と有用有機化合物合成への応用(仲辻秀文、永瀬良平、御前智則、田辺陽)
5.1はじめに
5.2革新的O-,N-,S-アシル化反応の開発を中心として
5.2.1エステル化・アミド化・チオエステル化(O-,N-,S-アシル化):汎用反応の実用的合理化(1)
5.2.2スルホニル化・シリル化:汎用反応の実用的合理化(2)
5.2.3シリル化および脱シリル化:汎用反応の実用的合理化(3)
5.3革新的C-アシル化反応の開発を中心として
5.3.1直接交差型Ti-Claisen縮合およびMannich反応の開発
5.3.2ケテンシリルアセタールを用いる3つの交差型アシル化(含Claisen縮合)および類型の反応の開発
5.4おわりに
6非天然型IP作動薬のプロセスルート開発(林亮司、川村邦昭、伊関克彦)
6.1背景
6.2探索合成段階での合成ルートとその問題点
6.3新規プロセスの開発
6.3.1保護の省略
6.3.2脱炭酸的開環反応の検討
6.3.3ワンポットオキサゾリジノン合成
6.3.4プロセスルート
6.4おわりに
7NIK-639の製造プロセスの開発―メディシナルケミストのプロセス化学奮闘記―(小松俊哉、谷川慎)
7.1はじめに
7.2NIK-639
7.3創薬段階の合成ルートの問題点
7.4合成戦略
7.5プロセス検討
7.5.1サリチルアルデヒド誘導体7の合成
7.5.2ベンゾピラン環の合成
7.5.3オキシムの合成
7.5.4ヒドロキシルアミンの合成
7.5.5NIK-639の合成
7.5.6NIK-639の精製
7.6GMP製造とまとめ
7.7おわりに

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