有機トランジスタ材料の評価と応用 II
Evaluation and Application of Organic Transistor Material II
[コードNo.2008T629]

■監修/ 森健彦(東京工業大学)
長谷川達生((独)産業技術総合研究所)
■体裁/ B5判 233ページ
■発行/ 2008年 7月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 68,250円(税込価格)

好評だった前書『有機トランジスタ材料の評価と応用』(2005年発行)を全面改訂!
有機ELをはじめ注目を集める有機エレクトロニクス。本書では、「材料」「プロセス」「測定技術と評価方法」「新デバイス」の4部構成で、有機トランジスタの最新研究を掲載!

※ 本書籍はご試読頂けません ※

発刊にあたって
 「有機トランジスタ材料の評価と応用」が出版されてからほぼ3年が経過した。幸い前著は好評に迎えられたが、この分野のめまぐるしい発展を反映すべく、工藤先生から引き継いで「有機トランジスタ材料の評価と応用II」を発刊する運びとなった。前著は有機トランジスタの全体を概観するよう構成されていたが、今回はこれを補ってこの間の進展を掘り下げるよう意図した。まず材料としては、最近になって我国で発展が著しい、有機トランジスタ材料としてのワールドレコードを持つような新材料をカバーした。また単結晶トランジスタや、電荷移動錯体を用いた分子性化合物のトランジスタも大きな発展のあった分野であった。有機トランジスタの動作原理を探求する上で、近年のESR、SHG、変位電流法などによる評価法の発展は見逃せない。さらに有機トランジスタの微細化や両極性トランジスタへの課題、発光トランジスタや電気二重層トランジスタなど新しいデバイスへの展開をカバーし、デバイス物理としての成果を多く取り入れた。
 最近になって有機ELという言葉がテレビコマーシャルにも登場するようになり、その次を担う技術として有機トランジスタはまさに時代の最先端を走っている感がある。この分野の研究は欧米やアジア諸国でも極めて盛んであるが、最近、我国からも世界のトップを行く優れた研究が続々と報告されている。その渦中にある多忙な研究者の多大な御尽力をいただいて、比較的スムーズに本書をまとめることができた。この場を借りて、執筆者の皆様に厚くお礼を申し上げたい。
 最後に、本書が関連分野を手がける研究・開発者の助けとなり、きわめて学際的なこの分野の研究に寄与し、実用化にむけた展開に役立てば幸いである。
(「はじめに」より)
2008年7月
東京工業大学 森 健彦
(独)産業技術総合研究所 長谷川達生

執筆者一覧(執筆順)
瀧宮和男広島大学 大学院工学研究科 物質化学システム専攻 教授
山下敬郎東京工業大学 大学院総合理工学研究科 教授
梅田時由NHK放送技術研究所 材料・デバイス 博士研究員
時任静士NHK放送技術研究所 材料・デバイス グループリーダー
竹谷純一大阪大学 大学院理学研究科 准教授
長谷川達生(独)産業技術総合研究所 光技術研究部門 研究グループ長
安田剛九州大学 先導物質化学研究所 助教
森健彦東京工業大学 大学院理工学研究科 物質科学専攻 教授
塚越一仁(独)理化学研究所 分子システムエレクトロニクス研究ユニット ユニットリーダー;(独)産業技術総合研究所;JST-CREST
北村雅季東京大学 ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構 特任准教授
吉田弘幸京都大学 化学研究所 助教
佐藤直樹京都大学 化学研究所 教授
稲葉克彦(株)リガク 開発推進本部 薄膜評価グループ グループマネージャー
丸本一弘筑波大学 大学院数理物質科学研究科 准教授
黒田新一名古屋大学 大学院工学研究科 教授
斉木幸一朗東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
真島豊東京工業大学 大学院理工学研究科 准教授
岩本光正東京工業大学 大学院理工学研究科 電子物理工学専攻 教授
竹延大志東北大学 金属材料研究所 准教授
下谷秀和東北大学 金属材料研究所 助教
岩佐義宏東北大学 金属材料研究所 教授
渡邊康之千葉大学 先進科学研究教育センター 特任教員
工藤一浩千葉大学 工学部 電子機械工学科 教授

構成および内容
【第1編 材料】
第1章低分子材料I(低分子p型トランジスタ用材料)(瀧宮和男)
1はじめに
2蒸着材料
2.1新規アセン類
2.1.1ペンタセン誘導体
2.1.2低級アセン誘導体
2.2含複素縮合多環芳香族化合物
3溶液プロセス材料
3.1前駆体(変換型)材料
3.2可溶化オリゴアセン類
3.3高溶解性テトラチアフルバレン(TTF)類
3.4含複素縮合多環芳香族系
4おわりに
第2章低分子系材料II(山下敬郎)
1はじめに
2p-型有機半導体
2.1アセン類
2.2へテロ環オリゴマー類
2.3テトラチアフルバレン(TTF)類
3n-型有機半導体
3.1アセン類
3.2へテロ環オリゴマー類
3.3TTF類
第3章高分子半導体材料(梅田時由、時任静士)
1はじめに
2高分子半導体の特徴
3ポリチオフェン系材料
4高移動度を示すチオフェン-チエノチオフェン系材料
4.1薄膜の表面モルフォロジーと結晶構造
4.2表面処理と薄膜の結晶性
4.3トランジスタ特性
4.4大気安定性
5おわりに
第4章単結晶材料(竹谷純一)
1はじめに
2有機単結晶トランジスタの作製
2.1有機単結晶トランジスタの構造
2.2有機単結晶の成長と結晶表面の観察
2.3単結晶トランジスタの作製方法
2.4電界効果特性の測定
3高移動度有機単結晶トランジスタの電界効果特性
3.1自己組織化単分子膜を用いたルブレン単結晶トランジスタ
3.2有機単結晶トランジスタにおける高移動度実現のメカニズム
3.3フッ素系ポリマーをゲート絶縁膜として用いたルブレン単結晶トランジスタ
3.4大気中で動作するn型有機単結晶トランジスタ
4ルブレン単結晶トランジスタのホール効果
5おわりに
第5章分子化合物系材料(長谷川達生)
1はじめに
2導電性分子化合物材料への利用
2.1高効率キャリヤ注入
2.2キャリヤ注入制御
3分子化合物材料の新規プロセス技術
3.1シングルショット・インクジェット法
3.2ダブルショット・インクジェット法
4まとめ
【第2編 プロセス】
第1章キャリア注入とambipolar化(安田剛)
1はじめに
2Ambipolar有機FET発展の歴史
3有機FETにおけるキャリア注入
4正孔及び電子輸送材料の積層、混合型ambipolar有機FET
5狭バンドギャップ有機半導体を用いた単層型ambipolar有機FET
6低仕事関数と高仕事関数の非対称ソース・ドレイン電極を用いた単層型ambipolar有機FET
7その他のambipolar有機FET
8まとめ
第2章接触抵抗(森健彦)
1はじめに
2接触抵抗の原因としての有機/金属界面の電子構造
3局所ポテンシャル
4四端子法
5トランスファーライン法
6おわりに
第3章トップコンタクト短チャネル有機薄膜トランジスタ(塚越一仁)
第4章低電圧化(北村雅季)
1はじめに
2有機トランジスタの電流電圧特性
3閾値電圧と動作電圧
4コンタクト抵抗の影響
5ゲート絶縁膜
5.1絶縁膜の材料
5.2絶縁膜の構造
5.3製膜方法
6実際の低電圧動作トランジスタ
6.1pチャネルトランジスタ
6.2nチャネルトランジスタ
7おわりに
【第3編 測定技術と評価方法】
第1章薄膜構造解析(吉田弘幸、佐藤直樹、稲葉克彦)
1有機薄膜とその構造
2X線と薄膜構造
3有機薄膜の結晶構造解析の要点
4回折実験による結晶構造決定の原理
5X線回折測定による有機薄膜の結晶格子定数の決定
5.1薄膜X線回折の測定
5.1.1Out-of-plane測定
5.1.2In-plane測定
5.2結晶系と回折パターン
5.3逆格子マップ(RSM)法
5.4結晶方位
5.5逆格子マップ法の適用例
6原子座標
7おわりに
第2章有機トランジスタ中の電子スピン(丸本一弘、黒田新一)
1はじめに
2導電性高分子デバイスのESR研究
2.1高移動度導電性高分子、立体規則性ポリアルキルチオフェン(RR-P3AT)
2.2ESR研究用のRR-P3AT MISダイオードの作製と動作
2.3RR-P3AT MIS界面のESR研究
3ペンタセンFETのESR研究
3.1ペンタセン
3.2ESR研究用のペンタセンFETの作製と動作
3.3ペンタセンFET界面のESR研究
4ルブレン単結晶FETのESR研究
5導電性高分子―フラーレン複合体デバイスのESR研究
5.1導電性高分子―フラーレン複合体の両極性デバイス
5.2ESR研究用のRR-P3HT-C60複合体MIS構造の作製と動作
5.3RR-P3HT-C60複合体MIS界面の両極性電荷キャリアのESR研究
6まとめと今後の展望
第3章光電子分光法(斉木幸一朗)
1はじめに
2有機デバイス研究における光電子分光の役割
3バンド接続とFET特性の関係を示した代表的実験例
3.1Au電極表面修飾によるC60 FETの両極性動作
3.2電界効果移動度と電荷注入障壁の関係
4光電子分光による電子準位評価の問題点
5電子準位とトランジスタ特性の同時評価の試み
6AlPcCl薄膜の電荷極性の起源
第4章変位電流-チャネル電流法(真島豊)
1はじめに
2有機薄膜トランジスタの変位電流-チャネル電流法の計測手法と理論解析
3トップコンタクト型ペンタセン薄膜トランジスタの変位電流-チャネル電流測定
4n型半導体の変位電流-チャネル電流特性
5まとめ
第5章SHG法による有機トランジスタの評価(岩本光正)
1はじめに
2マックスウェル・ワグナー効果素子としての有機トランジスタ
3マックスウェル・ワグナー効果による有機FET内の電荷蓄積とSHGによる評価
4時間分解SHG法によるFET内のキャリヤ輸送の測定
5まとめ
【第4編 新デバイス】
第1章発光トランジスタ(竹延大志)
1はじめに
2有機発光トランジスタの歴史
3単極性発光トランジスタ
4両極性発光トランジスタ
5有機単結晶を用いた両極性発光トランジスタ
6発光特性
7まとめ
第2章電気二重層トランジスタ(下谷秀和、岩佐義宏)
1はじめに
2電気二重層トランジスタの原理
3研究動向
3.1有機FETの低動作電圧化
3.2物性研究への利用
4デバイス構成
4.1EDLTの作製法
4.2電解液材料
5デバイス特性
5.1FET特性
5.2EDLTのゲート容量とキャリア濃度
5.3EDLTの応答速度
6まとめ
第3章縦型有機トランジスタ(渡邊康之、工藤一浩)
1はじめに
2有機トランジスタ
3縦型有機トランジスタ
4有機静電誘導トランジスタ
4.1デバイスプロセス
4.2デバイス動作メカニズム
5界面制御による動作性向上技術
6有機SITのデバイス応用
6.1フレキシブル有機SIT
6.2有機論理素子
6.3縦型有機発光トランジスタ
7おわりに

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