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ポリイミドの機能向上技術と応用展開    
Functional Improvement Technologies and New Application Fields of Polyimides
[コードNo.2017T045]

※ 本書籍はご試読頂けません ※

■体裁/ B5判 237ページ
■発行/ 2017年4月27日 (株)シーエムシー出版
■定価/ 79,920円(税・送料込価格)
■ISBNコード/ 978-4-7813-1243-9

 
★耐熱性高分子の代名詞“ポリイミド”の機能向上、機能性付与実現の糸口を掴むための一冊!
★ポリイミドの物性・構造を深く理解し、機能化に向けた分子設計、技術動向、応用展開事例を把握できる!
★ポリイミド樹脂単体だけでなく炭素材料との複合化を含むさまざまな視点からポリイミドの高性能化設計を解説!

キーワード

ポリイミド / スーパーエンプラ / 合成 / 分子設計 / 評価 / 透明化 /高耐熱化 / 低熱膨張化 / 複合化・アロイ化 / 微粒子化 / 吸湿化 / 自己組織化 / 熱可塑性 / 感光性 / 多孔性 / 耐候性 / 難燃性 / ガス透過・分離性 / 電気・電子材料 / 放熱材料 / 宇宙・航空用材料 / マトリックス樹脂 / CFRP /グラファイト / フォトレジスト / FO-WLP / フィルム / リチウムイオン電池 / 燃料電池 / 液晶ディスプレイ / 有機ELディスプレイ / フレキシブルディスプレイ / プリンテッドエレクトロニクス

刊行にあたって

 ポリイミドが論文に登場したのは、調べた限りではBogertらが1908年、J. Am. Chem. Soc.,で報告した“4-amino-o-phthalic acid and some of its derivatives”になろう。彼らはその中で4-アミノフタル酸無水物を加熱すると“a polymolecular imide”が生成すると述べている。Staudingerが高分子説を提唱する約20年も前である。ポリイミドが意図的に開発されるのは1950年代からであり、背景には「米ソの冷戦」と「ナイロンの発明」があった。当初はナイロン塩型溶融重合法、次いで酸二無水物法が採用され、そして1965年のH-フィルム(後のKapton®)の発明に繋がっていくのである。現在に至るまで多くの耐熱性に優れる高分子が生まれ、そして消え去っていったが、ポリイミドは合成の簡便さから今もなお耐熱性高分子の代名詞になっている。また、本書のように“ポリイミド”という単独な高分子材料を冠した成書が出たり、高分子学会などで一つのセッションが構成できたのも稀有な例である。ポリイミドは、触媒を用いないで合成可能な稀有な高分子であり、したがって電気的性質、特に絶縁性に秀で、耐放射線性や耐薬品性を有し、さらには優れた機械的強度を持っている。これらの諸性質から宇宙・航空分野および電子産業分野で利用されている。ポリイミドは酸二無水物とジアミンをモノマーとして用いて合成されるが、これらを化学修飾や合成法を工夫することでポリイミドに多彩な機能を持たせることが可能であり、比較的分子設計が容易な点も大きな特徴の一つである。

 本書はポリイミドの基礎から機能向上技術、そして将来の応用展開について網羅している。本書の著者は、いずれもその分野の第一線で活躍されている専門家であり、多くの方は日本ポリイミド・芳香族系高分子研究会のメンバーである。ご多忙中、執筆を快諾していただいたことに感謝申し上げたい。本書の第1編は基礎編であり、ポリイミドの分子設計と合成について述べられている。第2編はポリイミドの機能向上技術動向について様々な内容から構成されている。設計、処理、複合/アロイ化、ハイブリッド化、ポリイミド材料の評価など、多彩である。第3編はポリイミドの応用について述べられ、ポリイミドを直接あるいは改質してメモリー、触媒、グラファイトへの展開が図られている。

 本書が、長い歴史を持つポリイミドに新たな命を吹き込み、その発展に貢献できれば幸いである。

東京工芸大学
松本利彦

著者一覧

松本利彦東京工芸大学
後藤幸平後藤技術事務所
森川敦司茨城大学
長谷川匡俊東邦大学
早川晃鏡東京工業大学
寺境光俊秋田大学
山田保治神奈川大学
古川信之佐世保工業高等専門学校
市瀬英明長崎県工業技術センター
竹市力豊橋技術科学大学名誉教授
岩佐怜穂明治大学
風間伸吾明治大学
永井一清明治大学
津田祐輔久留米工業高等専門学校
石田雄一(国研)宇宙航空研究開発機構
前田郷司東洋紡(株)
富川真佐夫東レ(株)
村上睦明(株)カネカ;大阪大学招聘教授
難波江裕太東京工業大学
金子達雄北陸先端科学技術大学院大学
劉貴生国立台湾大学

目 次

【第1編 ポリイミドの合成・分子設計】
第1章ポリイミドの機能化設計のための構造・特性と機能発現の制御
1ポリイミドの構造と分類
2ポリイミドの開発の歴史とエンプラ系での耐熱性の位置づけ
3ポリイミド構造と特性の関係
3.1ポリイミド固有の構造因子
3.1.1一次構造因子(化学構造)
3.1.2高次構造因子(電荷移動錯体形成による分子内・分子間相互作用)
4おわりに
第2章ポリイミドの合成
1はじめに
2二段階合成法
2.1ポリアミド酸を経由する方法
2.2ポリアミド酸誘導体を経由する方法
3一段階合成法
3.1高温溶液合成法
3.2イオン液体中での合成
3.3ジイソシアネートを用いる合成
3.4テトラカルボン酸ジチオ無水物を用いる合成
3.5溶媒を用いない合成
4ポリイソイミドを経由する三段階合成法
5反応溶液からの相分離を利用して成型体を作製する方法
【第2編 ポリイミドの機能向上技術動向―設計・処理・複合/アロイ化・評価―】
第1章無色透明ポリイミドの分子設計と高性能化技術
第2章溶液加工性を有する低熱膨張性透明ポリイミド
1透明耐熱樹脂の必要性
2ポリイミドフィルムの着色の抑制と低熱膨張化のための方策
2.1透明性に及ぼす因子
2.2ポリイミドの化学構造と透明性の関係
2.3ポリイミドフィルムの透明性に及ぼす化学構造以外の因子
2.4ポリイミドの化学構造と低熱膨張特性の関係、およびモノマーの選択
2.5線熱膨張係数を測定する際の留意点
3低熱膨張係数と高透明性を同時に実現するポリイミド系の探索
3.1脂環式ジアミンを用いる系
3.1.1ポリイミド前駆体を重合する際の問題点
3.1.2trans-1,4-CHDAより得られるPIフィルムの低熱膨張性
3.2脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンからなる系
3.2.1脂環式テトラカルボン酸二無水物の重合反応性とその他の問題
3.2.2フィルム物性
3.3溶液キャスト製膜により低熱膨張性で可撓性のある透明耐熱フィルムを与える系
3.3.1溶媒溶解性の改善に付随する好都合な特性
3.3.2CBDAを用いる系
3.3.3脂環式モノマーに頼らずに要求特性に近づく試み
4おわりに
第3章自己組織化を利用する多孔化ポリイミド膜の創成
1はじめに
2高周期性ポーラスポリイミド膜の創製
2.1分子間相互作用を利用する高周期性ポリイミド前駆体(ポリアミド酸コンポジット)のナノ構造制御
2.2ポリアミド酸コンポジット膜(BCP/PAA膜)の調製とポーラスポリイミド化
2.3高温加熱処理によるBCP/PAA膜の炭素化
2.4BCP/PAA膜の高温熱処理膜の三角相図
2.5BCP/PAAコンポジット薄膜におけるナノ構造制御
3おわりに
第4章多分岐ポリイミドの合成と機能化
1多分岐ポリマー(ハイパーブランチポリマー)とは
2AB2型モノマーの自己重縮合によるハイパーブランチポリイミドの合成
3A2型、B3型モノマーの重縮合によるハイパーブランチポリイミドの合成
4まとめ
第5章多分岐ポリイミド-シリカハイブリッドの合成と特性
1はじめに
2PI系複合材料の合成
2.1PI-SiO2 HBDの合成
2.2HBPI-SiO2 HBDの合成
3HBPI-SiO2 HBDの特性
4HBPI-SiO2 HBDの応用
4.1多孔性ポリイミド
4.2気体分離膜
5おわりに
第6章熱可塑性ポリイミド/ポリヒドロキシエーテル系ポリマーアロイ
1はじめに
2ポリ(ヒドロキシエーテル)(PHE)の基礎
3熱可塑性ポリイミドの基礎
4ポリマーアロイの基礎
5熱可塑性ポリイミド/ポリヒドロキシエーテル系ポリマーアロイ
5.1主鎖にアミド構造を有するPHE(アミド構造含有PHE)
5.2有機溶剤に可溶な熱可塑性ポリイミド
5.3PHE/PI系ポリマーアロイフィルムの調製方法
5.4PHEおよびPHE/PI系ポリマーアロイの熱機械的特性
5.5PHEおよびPHE/PI系ポリマーアロイの化学的耐熱性
5.6PHE/PI系ポリマーアロイの相溶性
5.7PHEおよびPHE/PI系ポリマーアロイの表面構造
5.8PHEおよびPHE/PI系ポリマーアロイの防湿性
6おわりに
第7章ポリイミドハイブリッド膜のガス透過性とガス分離性
1はじめに
2ポリイミドハイブリッド膜開発の方向性
3イオン液体ハイブリッド膜
3.1液膜〜ガス吸収液含有まで
3.2イオン液体
4ABAトリブロックコポリマー型ハイブリッド膜
4.1ABAトリブロックコポリマー
4.2PMMA
4.3アダマンタン
4.4POSS
5おわりに
第8章紫外線照射表面濡れ性制御ポリイミド
1はじめに
2紫外線照射濡れ性制御ポリイミドの合成と物性評価
3長鎖アルキル基を有する紫外線照射濡れ性制御ポリイミド
4天然物骨格に基づく紫外線照射濡れ性制御ポリイミド
5不飽和長鎖アルキル基を有する紫外線照射濡れ性制御ポリイミド
6光反応性の官能基を有する紫外線照射濡れ性制御ポリイミド
7各種の表面分析
8おわりに
第9章ポリイミド/炭素繊維複合材料の作製と強度評価
1はじめに
2CFRPマトリックス用ポリイミドの分子設計
2.1成形材料に求められる条件
2.2反応性末端剤
3プリプレグ用熱硬化性ポリイミド樹脂
3.1プリプレグ/オートクレーブ成形の概要
3.2PMR-15
3.3PETI-5
3.4TriA-PI
3.5TriA-SI
3.6TriA-X
3.7PETI-340M
4レジントランスファーモールディング(RTM)用熱硬化性ポリイミド樹脂
4.1RTM成形の概要
4.2PETI-330
5熱可塑性ポリイミド樹脂
6まとめ
【第3編 ポリイミドの応用展開】
第1章耐熱・低線膨張ポリイミドフィルムとその応用
1はじめに
2ポリイミド
3XENOMAX®の特性
3.1CTE:線膨張係数
3.2粘弾性特性
3.3機械特性、熱収縮率、電気特性
3.4耐薬品性
3.5ガス透過性
3.6難燃性
4XENOMAX®の応用技術
4.1半導体パッケージ用サブストレート
4.1.1ビルドアップ層
4.1.2コア層
4.2三次元実装パッケージ
4.3無機薄膜形成用フレキシブル基板
4.3.1誘電体薄膜、厚膜
4.3.2半導体薄膜
5まとめ
第2章感光性ポリイミドの展開と将来動向
1はじめに
2電子材料への展開
3リチウムイオン電池への展開
4ディスプレイ分野への展開
5イメージセンサーへの展開
6おわりに
第3章ポリイミドからのグラファイト作製と応用
1緒言
2ポリイミド(PI)からグラファイトへ
2.1PIの熱分解反応
2.2炭素前駆体の形成
2.3グラファイト化反応
3PIより得られるグラファイトの物性
3.1理想的グラファイトの物性
3.2グラファイト膜(Graphinity)の物性
3.3グラファイトブロック(GB)の物性
3.4超薄膜グラファイトの物性
4グラファイトの応用
4.1放熱シートとしての応用
4.2グラファイトブロック(GB)の応用
4.3グラファイト超薄膜の加速器応用
5結論
第4章ポリイミドガス分離膜の設計開発
1はじめに
2高分子膜のガス透過モデル
3膜材料としてのポリイミド
4ポリイミドの分離性能
5ポリイミド膜の分離性能向上
5.1拡散係数(D)の増大
5.2架橋構造の導入による拡散係数(D)の制御
5.3炭化による拡散係数の制御
5.4溶解係数(S)の向上
5.5ブロックコポリマーによる拡散係数(D)と溶解係数(S)の制御の可能性
5.6他素材とのハイブリッドとその他の方法
6ポリイミド膜の展望
6.1酸素富化空気の製造:O2/N2分離
6.2CO2回収技術
7おわりに
第5章芳香族ポリイミドの炭素化による燃料電池用カソード触媒
1はじめに
2研究背景
3カーボン系カソード触媒の機能・要求特性
4ポリイミド微粒子から作製したカーボン系カソード触媒の性能
5ポリイミド微粒子の作製法、および炭素化法
6メソポーラス化の取り組み
7おわりに
第6章バイオポリイミドの開発と有機無機複合化による透明メモリーデバイスの作製
1芳香族生体分子
2バイオ芳香族ジアミン
3芳香族バイオポリイミドの合成
4有機無機複合化
5おわりに



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