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抗菌ペプチドの機能解明と技術利用    
Functional Analysis and Technological Application of Antimicrobial Peptides
[コードNo.2017T047]

※ 本書籍はご試読頂けません ※

■体裁/ B5判 239ページ
■発行/ 2017年5月1日 (株)シーエムシー出版
■定価/ 79,920円(税・送料込価格)
■ISBNコード/ 978-4-7813-1245-3

 
★抗菌・抗真菌、抗がん活性など幅広い生物活性をもつ“抗菌ペプチド”の医薬・食品への利活用に向けた作用機構、評価、臨床、応用事例をまとめた一冊!
★従来の抗生物質と比べて耐性菌を生み出さないことで注目が高まる抗菌ペプチド!
★抗菌ペプチドの安定性、抗菌活性、高効率生産などの課題のブレークスルーに繋がる技術を解説!

キーワード

機能性ペプチド / 自然免疫 / 獲得免疫 / 生体・感染防御 / 作用機構 / 抗菌・抗真菌 / 抗ウイルス / 抗バイオフィルム / 抗がん活性 / 免疫調節 / 乳酸菌 / 大腸菌 / ラクトフェリン / βグルカン / エンドトキシン / 構造 / アミノ酸配列 / 合成 / 修飾 / 安定性 / 高効率生産 / 評価 / 臨床 / 口腔ケア / ペプチド医薬 / 食品添加物 / 鳥類 / 昆虫テクノロジー

刊行にあたって

 本書は「抗菌ペプチドの機能解明と利用技術」というタイトルで出版されますが、執筆は、国内外で抗菌ペプチド研究において多大な実績をあげている方々にお願いしております。

 抗菌ペプチド(antimicrobial peptides)は、一般的にプラスに荷電した両親媒性分子(親水性ドメインと疎水性ドメインをもつ)であり、進化の上で保存され、あらゆる種の生物に存在します。抗菌ペプチドは生体防御ペプチド(host defense peptides)とも呼ばれますが、それは、抗菌作用だけでなく、抗ウイルス作用、抗真菌作用を示し、さらに宿主細胞に作用して自然免疫だけでなく獲得免疫を介して、生体防御に重要な役割を果たしているからです。また、ある種の抗菌ペプチドにはグラム陰性菌のエンドトキシン(リポ多糖)を中和する能力をもつものがあります。このように、抗菌ペプチドは、幅広い生物活性を示すことから、新たな抗菌物質、免疫調節物質として、その応用が期待されています。

 抗菌ペプチドは、植物、昆虫、脊椎動物などあらゆる生物に存在しますが、いつ頃、地球上に出現したかわかりません。しかし、グラム陰性菌のエンドトキシンや真菌のβ-グルカンの検出・測定に用いられる、カブトガニ(節足動物)のアメーボサイト(白血球に相当する)の顆粒にはデフェンシンをはじめとする種々の抗菌ペプチドが存在します。カブトガニは生きた化石と呼ばれていますが、それは4億5千万年前(オルドビス紀)から現在まで生息しているからです。興味深いことに、カブトガニは、5億4000万年前(カンブリア紀)に出現した三葉虫にもっとも近い、現存生物であるとされています。したがって、抗菌ペプチドは、三葉虫が生息していたカンブリア紀から存在していたと推測してもよいと思われます。

 そして、今や我々は、太古の昔から生体防御に関わっている抗菌ペプチドを使って、医薬、食品分野等に応用可能な物質を創り出そうとしています。

順天堂大学
長岡功

著者一覧

長岡功順天堂大学
川村出横浜国立大学
岩室祥一東邦大学
若林裕之森永乳業(株)
橋本茂樹東京理科大学
田口精一東京農業大学;北海道大学
山ア浩司北海道大学
吉村幸則広島大学
相沢智康北海道大学
谷口正之新潟大学
落合秋人新潟大学
加治屋勝子鹿児島大学
南雄二鹿児島大学
中神啓徳大阪大学
田村弘志LPSコンサルティング事務所;順天堂大学
JohannesReichUniversity of Regensburg
鈴木香順天堂大学
伊藤英晃秋田大学
ニヨンサバフランソワ順天堂大学
善藤威史九州大学
角田愛美阪本歯科医院
永利浩平(株)優しい研究所
園元謙二九州大学
北河憲雄福岡歯科大学
小磯博昭三栄源エフ・エフ・アイ(株)
米北太郎日本ハム(株)
岩崎崇鳥取大学
石橋純(国研)農業・食品産業技術総合研究機構

目 次

【第T編 合成・機能解明】
第1章抗菌ペプチドの構造-機能相関の研究
1はじめに
2抗菌ペプチドの構造の特徴と抗菌活性モデル
3固体NMR分光法
4ペプチド合成
5ヘリックス型の抗菌ペプチドの構造
5.1アラメチシン
5.2メリチン
5.3ラクトフェランピン
5.4グラミシジンA
6両生類に存在する抗菌ペプチド
6.1マガイニン2とPGLa
6.2ボンビニンH2とH4
7終わりに
第2章両生類の抗菌ペプチドとその多機能性
1はじめに
2両生類の生息環境と皮膚構造
3両生類抗菌ペプチドの多様なファミリー、多様なサブタイプ
4両生類抗菌ペプチドの網羅的解析
5抗菌ペプチドの探索源としての両生類の有用性
6両生類抗菌ペプチドの多機能性
6.1抗ウイルス活性
6.2細菌毒素結合活性
6.3レクチン様作用
6.4イムノモデュレーター作用
6.5マスト細胞脱顆粒作用
6.6抗酸化作用
7終わりに
第3章ラクトフェリンの抗菌・抗ウイルス作用機構
1ラクトフェリンとは
2ラクトフェリンの抗菌作用機構
2.1ラクトフェリンのin vitro抗菌作用
2.2ラクトフェリシンのin vitro抗菌作用
2.3ラクトフェリンのin vitro抗バイオフィルム作用
2.4ラクトフェリンのin vivoでの細菌・真菌感染防御作用
3ラクトフェリンの抗ウイルス作用機構
4おわりに
第4章ラショナルなデザインによる抗菌ペプチドの特性改変
1はじめに
2アミノ酸の置換
2.1疎水性アミノ酸による置換
2.2塩基性アミノ酸による置換
2.3疎水性アミノ酸と塩基性アミノ酸による置換
2.4Dアミノ酸による置換
3アミノ酸の欠失
4オリゴペプチドの付加
5キメラペプチドの形成
6脂肪酸の付加
6.1ラウリル酸の付加
6.2他の脂肪酸の付加
7非タンパク質性アミノ酸による置換
7.1アルキルアミノ酸による置換
7.2嵩高い芳香族アミノ酸による置換
8おわりに
第5章昆虫由来抗菌ペプチドの進化工学的高活性化
1はじめに
2アピデシン作用機序研究の変遷
3アピデシンの高活性化
3.1進化工学システムの基盤整備
3.2進化工学研究に基づく合理的高活性化へ
4タナチン作用機序研究の変遷
5タナチンの高活性化
6おわりに
第6章乳酸菌由来の抗菌ペプチド(バクテリオシン)による食中毒菌と腐敗細菌の発育抑制
1乳酸菌による食品保蔵
2食品保蔵における非加熱殺菌技術の必要性
3乳酸菌の産生する抗菌ペプチド(バクテリオシン)
4食品微生物制御へのバクテリオシン産生乳酸菌の利用
5バクテリオシン産生乳酸菌による食中毒菌の制御
5.1プロテクティブカルチャーによる制御
5.2バクテリオシンを含有する発酵粉末または培養上清による制御
5.3精製または粗精製バクテリオシンによる制御
5.4乳酸菌産生バクテリオシンのその他の利用方法
6バクテリオシンによる腐敗菌の制御
7抗菌ペプチド耐性菌の出現
8おわりに
第7章鳥類生殖器の抗菌ペプチドと感染防御システム
1はじめに
2鳥類のToll様受容体
3鳥類のディフェンシンとカテリシジン
4ニワトリ卵巣におけるTLRとAvBDの発現特性
5ニワトリ卵管におけるTLRとAvBDの発現特性
6卵管の抗菌ペプチド分泌
7オス生殖器と精子におけるAvBDsの特性
8おわりに
第8章抗菌ペプチドの遺伝子組換え微生物を用いた高効率生産技術
1はじめに
2大腸菌を宿主とした可溶性での抗菌ペプチドの生産
3大腸菌を宿主とした不溶性での抗菌ペプチドの生産
4酵母を宿主とした抗菌ペプチドの生産
5組換え抗菌ペプチドのNMR解析への応用
6おわりに
【第U編 機能評価・臨床試験】
第1章病原微生物を標的とした抗菌ペプチドの生体防御に関する多機能性評価
1はじめに
2コメα-amylase由来ペプチド(Amyl-1-18)のアミノ酸置換体の設計
3Amyl-1-18とそのアミノ酸置換体の抗菌活性
4Amyl-1-18とそのアミノ酸置換体の抗菌作用の機構
4.1細胞膜損傷作用
4.2タンパク質合成阻害作用
5Amyl-1-18とそのアミノ酸置換体の抗炎症活性
6Amyl-1-18とそのアミノ酸置換体の抗炎症作用の機構
7Amyl-1-18とそのアミノ酸置換体の創傷治癒作用
8まとめと今後の課題
第2章天然物由来抗菌ペプチドの同定および機能性評価
1抗菌ペプチドの位置づけ
2特徴
3植物由来抗菌ペプチドの分子内ジスルフィド結合の重要性
4今後の展開
第3章新規抗菌性ペプチドによる難治性皮膚潰瘍治療薬の臨床試験
1はじめに
2新規機能性ペプチドAG30/5C
3皮膚潰瘍を標的とした探索的な臨床研究計画
3.1評価項目
3.2選択基準
3.3除外基準
3.4試験方法
3.5併用治療
3.6解析手法
4皮膚潰瘍を標的とした探索的な臨床研究結果
4.1有効性評価
4.1.1潰瘍面積(cm2)
4.1.2潰瘍面積の縮小率(%)
4.1.3菌量
4.2有効性の結論
4.3安全性評価
4.3.1有害事象
4.3.2臨床検査値の評価
4.4安全性の結論
5臨床試験に対する全般的考察
第4章エンドトキシン測定法と抗菌ペプチド
1はじめに
2リムルステストおよびLAL試薬の開発経緯
3リムルステストの諸方法と最近の進歩
4リムルス反応に対する干渉因子
5測定干渉への対処方法
6エンドトキシンとタンパク質との相互作用
7生体防御ペプチド中のエンドトキシン測定の意義
8HDPの抗エンドトキシン活性
9今後の課題および展望
【第V編 技術利用】
第1章Cathelicidin抗菌ペプチドの作用メカニズムと敗血症治療への応用
1はじめに
2cathelicidinの構造と抗菌メカニズム
3エンドトキシンに対する中和効果
4敗血症モデル動物に対するcathelicidinペプチドの効果
5LL-37による宿主細胞活性化のメカニズム
6新たに明らかになったLL-37のLPS除去作用
7敗血症治療への応用の可能性と問題点
第2章納豆抽出抗菌ペプチドの抗がん剤への応用
1緒言
2材料及び方法
2.1材料
2.2納豆抽出成分
2.3培養がん細胞
2.4タンパク質定量及び培養細胞生存率
2.5Butyl column chromatography
2.6HPLC、アミノ酸配列
3結果
3.1納豆抽出成分のがん細胞に及ぼす影響
3.2煮豆抽出成分、及び納豆菌のHeLa細胞に及ぼす影響
3.3納豆抽出成分の他のがん細胞に及ぼす影響
3.4がん細胞増殖阻止因子の同定
4考察
第3章抗菌ペプチドと皮膚疾患
1はじめに
2ヒトの皮膚疾患におけるAMPの役割
2.1乾癬
2.2アトピー性皮膚炎
2.3酒さ
2.4尋常性座創
2.5全身性エリテマトーデス
2.6創傷治癒
3結論と今後の展望
第4章乳酸菌抗菌ペプチドの口腔ケア剤への応用
1はじめに
2乳酸菌が生産する抗菌ペプチド、バクテリオシン
2.1一般的な性質と分類
2.2ナイシンの特徴
3ナイシンの利用
3.1食品への利用
3.2非食品用途への利用
4ナイシンの口腔ケアへの利用
4.1口腔用天然抗菌剤、ネオナイシン(R)の開発
4.2ネオナイシン(R)の口腔細菌への効果
4.3口腔ケア製品、オーラルピース(R)の開発
5新しい乳酸菌抗菌ペプチドの利用
6今後の展望
第5章ヒト上皮組織に対する抗菌ペプチドの作用
1上皮組織とは
2ケラチノサイトを取り巻く抗菌ペプチドの種類
3分化と抗菌ペプチド
3.1ケラチノサイトに由来する抗菌ペプチド
3.2分化によるケラチノサイトの抗菌ペプチドの分泌促進
3.3ケラチノサイト由来抗菌ペプチドによるケラチノサイトの分化
4抗菌ペプチドと細胞遊走
5癌細胞と抗菌ペプチド
5.1抗菌ペプチドによるケラチノサイトの細胞死
5.2ケラチノサイト由来癌細胞による抗菌ペプチドの分泌
6最後に
第6章抗菌ペプチド(リゾチーム、ナイシン、ε-ポリリジン・プロタミン)の食品添加物としての利用
1はじめに
2リゾチーム
2.1リゾチームの抗菌効果
2.2リゾチームの安定性
2.3リゾチームの効果的な使い方
3ナイシン
3.1ナイシンの抗菌効果
3.2ナイシンの安定性について
3.3ナイシンの効果的な使用方法
4ε-ポリリジン、プロタミン
4.1ε-ポリリジン、プロタミンの抗菌効果
4.2ε-ポリリジン、プロタミンの安定性
4.3ε-ポリリジン、プロタミンの効果的な使い方
5おわりに
第7章抗菌ペプチドのプローブとしての利用
1はじめに
2プローブに適した抗菌ペプチドのスクリーニング
3抗菌ペプチドの遺伝子組換え生産
4ラテラルフロー法への応用
5まとめ
第8章昆虫由来の抗菌ペプチドの応用
1昆虫の生体防御機構
2昆虫の抗菌ペプチド
3昆虫抗菌ペプチドの応用:抗生物質
4昆虫抗菌ペプチドの応用:抗がん剤
5昆虫抗菌ペプチドの応用:ミサイル療法
6総括



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