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フローマイクロ合成の実用化への展望    
Prospects for Practical Applications of Flow Microreactor Synthesis
[コードNo.2016T036]

※ 本書籍はご試読頂けません ※

■監修/ 吉田潤一
■体裁/ B5判 211ページ
■発行/ 2017年1月11日発売 (株)シーエムシー出版
■定価/ 77,760円(税込価格)
■ISBNコード/ 978-4-7813-1232-3

 
★ 医薬品や香料など化学品の製造プロセス強化へ! 迅速な混合・熱交換、滞留時間の厳密制御、微小空間を活かした界面制御などを特性とするフローマイクロ合成!
★ 研究段階から実用化段階への転換期到来! 化学・製薬・香料・合成樹脂メーカーによる実例解説、ポンプ・装置・電機・食品・鉄鋼メーカーによるデバイス開発技術を収載!
★ フローマイクロ合成の実用化に向けた課題解決のための指南書!

キーワード

フローケミストリー / グリーン・サステイナブルケミストリー / マイクロリアクター / デバイス材料・加工 / 流路 / マイクロミキサー / ポンプ各種 / 装置 / プラント / 連続運転 / 有機合成 / ナノ粒子合成 / 混合 / 反応 / 分離 / 乳化 / 濃縮 / スケールアップ / 化学品 / 医薬品 / 香料 / 電子材料 / 製薬・化学業界の動向

刊行にあたって

微細な構造をもつ流路を製作するマイクロ加工技術の発展に伴って1990年代から始まったフローマイクロリアクター技術は21世紀に入ってめざましい発展を遂げてきた。細い流路の中に反応溶液を連続的に流しながら化学反応を行うこの新しい方法は、まず分析化学の分野でLab on a Chip として広まっていった。合成化学の分野でも、フローマイクロリアクターを用いる方法は、フラスコやバッチ型反応器で化学反応を行う従来の方法とは全く異なるものとして、化学者や化学技術者の意識に大きな変革をもたらした。そしてフローマイクロ合成は、持続可能な環境にやさしい化学プロセスを実現するものとして有機化合物や高分子の精密合成などの分野での研究開発が活発に行われてきた。このような背景のもと、多くの製薬企業や農薬企業、化学系企業ではフローマイクロ合成の導入による生産プロセスの強化に積極的に取り組んできた。しかし、ポンプなどを含めた装置のコストが比較的高いことやフロー合成の経験をもつ研究者が少ないことなどから、まだ導入を躊躇している企業が多くあるのも事実である。そこで、化学産業や医農薬産業の分野で、さらにフローマイクロリアクター技術が広く利用されるための一助となるべく本書を企画した。
本書では、フローマイクロ合成の特長、フローマイクロ合成を行うための装置、そして医薬品やファインケミカルズなどの化学品製造への応用について、様々な分野の企業の研究者の方々に執筆をお願いした。そして、どのような反応に対してフローマイクロ合成を適用するのか、そのためにどのような装置を利用すればよいのか、また、企業において実際にどのような研究開発が行われ実用化に向けてどのような取り組みが行われているかなどについて、解説していただいた。本書はフローマイクロ合成の導入を検討している製薬や化学系企業の研究者に対して、また、これからそれらの企業に就職してこの分野の研究開発に取り組もうと考えている学生さんたちに対して、研究開発の現状や実用化のための課題などについて適切な指針を与えてくれるものと期待している。

2016年11月
京都大学 吉田潤一

著者一覧

吉田潤一京都大学
富樫盛典(株)日立製作所
三宅亮東京大学
荒井秀紀(株)タクミナ
伊藤寿英(株)タクミナ
島崎寿也(株)タクミナ
橘内卓児富士テクノ工業(株)
前澤真(株)ワイエムシィ
野村伸志(株)中村超硬
嶋田茂人(株)ナード研究所
野一色公二(株)神戸製鋼所
中原祐一味の素(株)
豊田倶透(株)カネカ
小沢征巳日産化学工業(株)
安川隼也三菱レイヨン(株)
二宮航三菱レイヨン(株)
星野学三菱レイヨン(株)
中ア義晃(株)ナノ・キューブ・ジャパン
山本哲也高砂香料工業(株)
田口麻衣ダイキン工業(株)
中谷英樹ダイキン工業(株)
臼谷弘次武田薬品工業(株)
松山一雄花王(株)
浅野由花子(株)日立製作所
佐藤忠久(株)ナノイノベーション研究所
高山正己塩野義製薬(株)
金熙珍京都大学
永木愛一郎京都大学

目 次

【第1編 デバイス開発】
第1章3Dプリンターによるデバイス作製
1フローマイクロデバイス
2フローマイクロデバイスの材質と特徴
3デバイス加工のデジタル化の歴史
43Dプリンターによるデバイス加工の方法
53Dプリンターによるフローマイクロデバイスの作製事例
第2章フローマイクロ合成研究者が知っておくべき各種ポンプの違いと特長
1はじめに
2ポンプの種類について
2.1非容積式ポンプ
2.1.1遠心ポンプ
2.1.2軸流ポンプおよび斜流ポンプ
2.2容積式ポンプ
2.2.1容積式ポンプ:往復式ポンプ
2.2.2容積式ポンプ:回転式ポンプ
3フローマイクロ合成研究者が用いるポンプ
3.1スムーズフローポンプ
3.2スムーズフローポンプの特徴について
3.3生産機適正について
3.4フローマイクロ合成の研究で用いられるポンプ
3.4.1シリンジポンプ
3.4.2プランジャポンプ
3.4.3ダイヤフラムポンプ
3.4.4小流量の実験における注意点
4最後に
第3章高定量性の3連式無脈動定量プランジャーポンプ
1マイクロプロセスに必要な液体供給の要素
2マイクロプロセスに必要な液体供給機器
2.1精密ギヤーポンプ
2.2一軸偏心ねじポンプ(モーノポンプ)
2.3高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography,略称:HPLC)用ポンプ
2.4シリンジポンプ
2.52連式無脈動定量プランジャーポンプ(産業用)
2.6ダイヤフラムポンプ
33連式無脈動定量プランジャーポンプ
3.1往復動ポンプ
3.2従来の往復動ポンプ
3.32連式無脈動定量プランジャーポンプ
3.43連式プランジャーポンプ
3.5当社製3連式無脈動定量プランジャーポンプ
3.6当社製3連式無脈動定量プランジャーポンプの性能
43連式無脈動定量プランジャーポンプのマイクロプロセスにおける適応性
4.1性能
4.2外気遮断性
4.3耐蝕性
4.4耐スラリー液性
4.5操作性及び制御の拡張
4.6ブチルリチウムの連続運転
第4章医薬品を中心とした少量・中規模マイクロリアクタシステム
1はじめに
2YMC製マイクロミキサの特徴
3YMC製マイクロリアクタについて
3.1KeyChem-Basic,L/LPの特徴
3.2KeyChem-H,水素吸蔵合金キャニスター,5%Pd/SCの特徴
3.3KeyChem-Lumino2の特徴、光源の紹介
4KeyChem-Integralの特徴、紹介
5おわりに
第5章連続フロー式マイクロリアクターシステム
1はじめに
2連続フロー式マイクロリアクターシステム
2.1X-1αの基本システム構成・機能
2.2代表的反応における実証データ
3各種デバイスによる拡張性
3.1ミキサー
3.2気体流量制御装置
3.3光反応用ユニット
4おわりに
第6章撹拌子を有する多段連続式撹拌槽型反応器
1はじめに
2流通型反応器
3Coflore ACR(Agitated Cell Reactor)
4Coflore ATR(Agitated Tube Reactor)
5鈴木-宮浦クロスカップリング反応
6スラリーの連続フロープロセス
7接触水素化脱塩素反応
8高圧条件での接触水素化反応
9カーボンナノチューブの効率的な化学修飾
10生体触媒による酸化反応
11連続晶析
12おわりに
第7章積層型多流路反応器(SMCR®)
1はじめに
2バルク生産用マイクロリアクターの基本概念
3バルク生産用熱交換器から大容量MCRへ
4大容量MCR 積層型多流路反応器(SMCR®)について
5SMCR®の適用事例
5.1抽出用途への適用検討
5.2実験内容および結果
5.3SMCR®による商業化事例
6分解型SMCR®での適用用途拡大
7おわりに
第8章フローマイクロリアクターを用いた連続合成プロセスの構築
1はじめに
1.1化学合成におけるフローマイクロリアクターの特長
1.2フローマイクロリアクターの課題
1.2.1化学合成と化学工学の融合による反応場の構築
1.2.2パラメータの多さによる開発スピードの遅延
1.2.3安定な連続化プロセスの構築
1.3京都大学マイクロ化学生産研究コンソーシアムにおける取り組み
2フローマイクロリアクターによる高分子合成
3フローマイクロリアクターによるアニオン重合システムの構築
3.1連続反応システムの構築とシステムの検証
3.2モノマー/開始剤の比率がポリマー分子量に及ぼす影響の評価
3.3アニオン重合によるポリスチレン連続運転システムの検証
4おわりに
【第2編 企業の実例】
第1章マイクロリアクターを用いたイソブチレンのリビングカチオン重合
1はじめに
2リビング重合とマイクロリアクター
3イソブチレン系樹脂と現行プロセスの課題
4マイクロリアクターを用いた連続重合検討
4.1反応機構解析
4.2速度論解析・反応速度シミュレーション
4.3ラボ実証実験
4.4高活性触媒
4.5連続化がもたらすエネルギーメリット
5おわりに
第2章フローリアクターでの香月シャープレス不斉エポキシ化
1はじめに
2香月シャープレス不斉エポキシ化(KSAE)反応
3スケールアップ課題
4フロー検討用装置
5シンナミルアルコールの不斉エポキシ化
5.1フロー系への置き換え
5.2バッチ反応との比較
6メタリルアルコールの不斉エポキシ化
7クエンチ連続化
8スケールアップ
8.1除熱限界
9w/o MSフロー法の基質適用性
10結論
11おわりに
第3章マイクロ化学プロセスを利用する新規アクリルモノマー製造技術の開発
1はじめに
2ピルビン酸エステルの合成へのマイクロリアクターの利用
2.1ラボスケールのマイクロリアクターでの操作方法
2.2ベンチスケールのマイクロリアクターでの操作方法
2.3結果
2.4ピルビン酸エステルの合成まとめ
3α-アシロキシアクリレートの合成
3.1ラボスケールのバッチ反応での検討
3.2ラボスケールのマイクロリアクターでの検討
3.3ベンチスケールマイクロリアクターでの検討
3.4α-アシロキシアクリレート合成まとめ
4α-アシロキシアクリレートの製造プロセスの提案
4.1検討方法
5終わりに
第4章マイクロリアクターを用いたシングルナノ粒子の製造
1はじめに
2ITO代替導電性材料
3ドーパントの検討
3.1ドーピング化学種の検討
3.2計算結果と考察
3.3ドーピング量の検討
3.4ドーピングSnO2のバンド構造
4マイクロ化学プロセスを用いた合成
4.1ドーピング用マイクロリアクターの設計
4.2マイクロ化学プラントの試作(マイクロ化学プロセス、周辺装置試作)
4.3合成条件の検討
4.4透明性
5まとめ
第5章不斉水素化反応へのマイクロリアクターの適応
1はじめに
2マイクロリアクターの特徴
3高速不斉水素化触媒RUCY®を用いた不斉水素化反応へのマイクロリアクターの適応
3.1小スケール検討
3.2速度論解析による流路長最適化
3.3流路径の反応に対する影響
3.4気液導入部の最適化
3.5触媒溶液の安定性改善
3.6温度コントロール
3.7React IRによる流動状態の評価
4まとめ
第6章マイクロリアクターを用いた含フッ素ファインケミカル製品の合成
1はじめに
2フッ素化合物とフッ素ファインケミカル製品
3フッ素化合物の合成方法
4フッ素系ケミカル製品のマイクロリアクターを用いた事例
4.1マイクロリアクターを用いた直接フッ素化反応
4.2マイクロリアクターを用いたビルディングブロック法
4.3マイクロリアクターを用いたエポキシ化反応
4.4マイクロリアクターを用いたハロゲン-リチウム交換反応
4.5マイクロリアクターの生産設備としての利用可能性
5おわりに
第7章フローケミストリー技術を用いたスケールアップ
1はじめに
2医薬品製造におけるフローケミストリーの適用
3不安定活性種の発生と応用
4フローケミストリーを用いた有機リチウム反応のボロン酸合成への適用
5フローケミストリーを用いたプロセス開発
6フローケミストリーを用いたスケールアップ検討
7ボロン酸Xの製造
8最後に
第8章高速混合を利用した高効率微細乳化
1はじめに
2空間のマイクロ化の効果
2.1層流におけるミリ秒混合の必要条件
2.2乱流におけるミリ秒混合の必要条件
2.3液液混合における空間のマイクロ化の効果
3マイクロミキサー開発事例
4高効率微細乳化プロセスの提案
4.1微細乳化の課題と着目点
4.2実験と結果
5おわりに
第9章フローマイクロリアクターシステムによる製造プロセス
1はじめに
2マイクロリアクターの導入プロセス
3マイクロリアクターの適用事例
3.1水分離用マイクロリアクター
3.2抽出用マイクロリアクター
3.3濃縮用マイクロリアクター
4マイクロリアクターシステムの開発事例
4.1ラボ・少量生産用マイクロリアクターシステム(MPS-α200)
4.2反応・乳化用マイクロリアクタープラント
4.2.1中量産用マイクロリアクタープラント
4.2.2量産用マイクロリアクタープラント
5おわりに
第10章大量物質生産を目指したマイクロリアクターシステム
1はじめに
2マイクロ化学プラント
2.1マイクロ化学プラントのサイズについて
2.2マイクロ化学プラントのフレキシブル性
2.3マイクロ化学プラントによる工業化検討対象について
3工業化する上での重要な留意点
3.1生産性を考慮したマイクロ化学プラント設計
3.2工業化を検討する反応の反応速度について
4工業化において重要な技術
4.1送液制御技術
4.1.1無脈動もしくは低脈動送液技術
4.1.2送液流量の均等分配技術
4.2マイクロ流路閉塞防止技術
4.2.1マイクロ流路構造による閉塞防止(「イコーリングアップ」技術)
4.2.2マイクロ流路径拡大による閉塞抑制(「疑似イコーリングアップ」技術)
4.2.3自動化技術による閉塞防止
4.2.4反応媒体流の急激な圧力変化による閉塞防止
5工業化検討の現状と将来展望
【第3編 産業界の動向】
第1章フローマイクロリアクターの製薬業界の動向
1はじめに
2製薬業界での使いどころと利点
3医薬品研究での実例
4医薬品業界におけるフロー・マイクロ合成技術の展望
第2章フローマイクロリアクターの化学業界の動向
1はじめに
2実用化の例1:DSM社でのアクリルアミドの生産
3実用化の例2:Xi’an Huian Chemical社でのトリニトログリセリンの生産
4実用化の例3:Sigma-Aldrich社でのレチノールの生産
5実用化の例4:Clariant社でのフェニルボロン酸の生産
6おわりに



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