T.これから本格化するREACH対応の社内業務展開と日立の取り組み事例
10:00〜12:30
<講演趣旨>
2007年末に発効した欧州化学品規制REACHの予備登録期間を終え、いよいよ
本格的な取り組みが始まる。この時期にREACHの要求事項とビジネスへの影響を的
確にとらえ、企業としての合理的な方針を冷静に立て、今後10年以上にもわたるRE
ACHへの対応戦略を策定すべきである。本講演ではREACHの要求事項と日本企業
への影響、最新動向などをおさらいしたうえで、実際の取り組みから見えてきた実務的
課題と対策を、日立グループの事例を交えて解説する。
1.REACH規則の再確認
2.REACH規則関連の着目すべき最近の話題
3.SVHC(Candidate List)とREACH 33条の理解を深める
4.情報伝達をめぐる内外の状況、国際標準化の動き
5.JAMPの活用法
6.社内規則への反映方法
7.REACH対応情報システムの構築
8.サプライヤー説明と、お客様問い合わせ回答について
9.日立の取り組み事例
10.質疑応答
(市川 氏)
U.REACH規則の予備登録後及び本登録への実践的対応
2−1.サプライチェーン上の情報に関する課題と対応
<講演趣旨>
REACHは2007年に発効し、2008年6月1日より開始された予備登録の受
付は、12月1日をもって終了した。今後、段階的に締め切り期限が来る本登録を実施
する為に、共同登録データの収集と集約をSIEF(物質情報交換フォーラム)を通じ
て行うことになる。この作業は、基本的に同一の物質を予備登録した世界中の同業者が
水平展開して取り組むものである。一方、REACH登録で特徴的に必用なあらたな要
件はCSRの作成である。これを作成するには、素材産業、一次・二次加工産業、部品
メーカー、及び組立産業において横断的に、「用途」「暴露」情報と「化学物質の安全
情報」が双方向に適切に伝達される必要がある。これには、化学物質製造メーカーを発
端とする垂直方向の情報伝達がなされる必要がある。REACH予備登録作業が終了し
た現在、今後産業界が取り組むべき「垂直」「水平」方向の横断的な、共同的作業につ
いて考え方の一端を紹介したい。
(1)適切な化学物質管理をめざしたサプライチェーン上の情報伝達とその課題
(2)本登録までのデータシェアリングのプロセス
・RIP3.4の概要
・国内外業界の対応
(3)質疑応答
(荒柴 氏)
2−2.具体的な情報収集とリスク管理情報の伝達
<講演趣旨>
「よその国の法律」であるはずのEU化学品規制法REACH。EU域外企業にとっ
てもグローバルに製品や物質が流通する今日では、さまざまな対応が求められる。これ
までに既存物質の予備登録については着々と進めてきた企業においても、今からどのよ
うな対応が発生するのか、対応せねばならないことは分かっていても膨大な全体像がイ
メージしきれずに戸惑っているのが実状ではなだろうか。
第2部では、いよいよ始まる情報交換フォーラム(SIEF)やコンソーシアム活動を含
むデータシェア/共同登録の概要を国内外業界の動向を踏まえて紹介したい。さらに、
REACHでは、唯一の代理人制度の利用に伴う輸入者情報の管理や、川上の原料製造
事業者から川下企業さらには一般消費者の化学物質の使用(Use)にまつわる安全を確
保するための情報の伝達が求められていることを意外と見落としがちである。供給連鎖
上(サプライチェーン)上のさまざまな立場にある全ての企業にとって、大なり小なり
インパクトをもたらす課題が意外に知られていない。REACHは「走りながら考える
法律」と揶揄される法対応であるとともに、とりわけEU域外企業にとっては、「蚊帳
の外」に置かれがちで、我々域外企業にとっては域内の状況をよく理解した対応が必要
となる。今回の講演では、予備登録まではこぎつけた企業にとって休むまもなく訪れよ
うとしている今後の様々な作業とそこから想定される準備事項や対策について紹介する
とともに、原料供給者に登録を依頼された企業にとっても無関係ではいられない状況や
要対応事項を理解していただきたい。
(1)化学品安全評価書(CSR)作成、安全データシート(SDS)に求められる
情報
(2)川下ユーザーの責務
(3)認可および高懸念物質(SVHC)について
(4)REACHサービス機関の利用と社内体制について
(5)質疑応答
(山口 氏) |