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微生物利用の大展開

[コードNo.03NTS066]

■体裁/ B5版 上製 1,324頁
■発行/ 2002年 7月25日
(株)エヌ・ティー・エス
■定価/ 68,640円(税込価格)


「ヒトよりすごい微生物遺伝子」---21世紀の主要課題解決のキーテクノロジーは“微生物”を軸に大展開する。
16点から成る代謝マップ。1600余種に及ぶ学名索引、詳細索引39頁、さらに各編末には最先端のナマの声「特別座談会」を収録した“オンリーワン”の成書。


発刊にあたって

18世紀の産業革命以来、科学技術の発展に呼応して次々と新しい産業が生まれてきました。 とくに20世紀の主要産業は物理・化学を基盤としていましたが、それに加え、伝統的な微生物利用技術も生活に密着していました。 さらにいわゆるバイオが表舞台に立ちだしたのは1973年の遺伝子工学誕生以来であるといえるでしょう。 一方、20世紀後半からの世界人口の爆発的増加は人類の危機を感じさせるのに十分でした。 国連の統計によれば、2000年には60億人に達し、2050年には90億人程度になるものと予想されています。 さらに日本では少子化と高齢化という別の問題も浮上しています。21世紀の人類の主要課題である食糧、エネルギー、環境、医療 のいずれの課題解決にもバイオテクノロジーが必要であることは論を待ちません。
 また21世紀は“循環”と“共生”を基本概念として世の中が推移していくと思われます。 その中にあって物を作りだして生活していくためには、リサイクル可能な物を作り、新物質を合成したならばいかに循環系に導入するかを考えなければならないでしょう。 また人口増加による食糧危機に対応するためにも有機質土壌を守っていく必要がありますが、このときも有効微生物の働きが最も重要になるでしょう。 このように、各種生物と共生しながらその特殊能力をうまく利用することが、21世紀に求められているのです。
 近年「ヒトゲノム解析と創薬」などが流行のようになっていますが、微生物の多様な能力には幅においても深さにおいても大いなるポテンシャルが秘められているのです。 微生物に関する従来の知識・技術・実例だけでなく、21世紀に役立つ情報をまとめて「微生物利用の大展開」と題する著作を世に出したいと考えました。 編集委員のご努力や各分野の専門家、研究者、実務者など多くの方々に貢献して頂きました。 下読みをする段階から、大いなる迫力と最先端の切れ味を感じています。 また付録として代謝マップ、系統樹、学名索引を加え、充実を図りました。 読者の皆さんにもきっと満足してもらえる内容であろうと自負しています。
                                                              監修者 今中 忠行


監修者

今中 忠行 京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻教授

編集委員

加藤 千明 海洋科学技術センター海洋生態・環境研究部研究主幹
加藤 暢夫 京都大学大学院農学研究科教授
倉根隆一郎 (株)クボタ技術開発本部バイオセンター所長・理事
西山 徹 味の素(株) 専務取締役
東京大学大学院工学系研究科付属水環境制御研究センター教授

構成と内容

序 地球の歴史と生命の進化   −−地球の先住民は微生物である   今中 忠行
第1編 微生物学の基礎
第1章 純粋培養微生物  第1節 微生物の進化と分類   平石 明  第2節 細菌(Bacteria)    宮道 慎二  第3節 始原菌(Archaea)    藤原 伸介  第4節 真核微生物   1.菌類の分類体系と系統進化    杉山 純多   2.下等菌類:主要な菌群と分類   杉山 純多/岡田 元   3.酵 母             金子 嘉信/上田−西村 久美子   4.高等菌類:分類と主要な菌群   岡田 元/杉山 純多   5.藻 類             山田 隆  第5節 ウイルス           山田 隆 第2章 極限環境微生物  第1節 極限環境微生物の世界     加藤 千明  第2節 好アルカリ性微生物      伊藤 政博  第3節 好酸性微生物         伊藤 佑子/伊藤 俊洋  第4節 好熱性微生物         藤原 伸介  第5節 好冷・低温微生物       湯本 勲  第6節 好塩性微生物         中村 聡  第7節 好圧性微生物         仲宗根 薫/能木 裕一  第8節 絶対嫌気性微生物       伊藤 隆  第9節 疎水性溶媒耐性微生物      −−溶媒耐性機構と溶媒重層発酵   青野 力三/道久 則之  第10節 地殻内微生物,そして地球外微生物探査へ   高井 研 第3章 複合微生物系  第1節 細胞間相互作用の重要性   1.複合微生物開発の意義      倉根 隆一郎   2.バイオフィルム:微生物たちの街   森川 正章/R.Kolter  第2節 分子遺伝学・組織化学的解析技術   丸山 明彦/砂村 倫成  第3節 分離・培養化技術   土田 隆康  第4節 機能解析・システム化技術   鈴木 賢一  第5節 微生物−−微生物複合系利用技術   1.機能性物質生産   横幕 豊一   2.合成高分子分解   河合 富佐子  第6節 シロアリの共生微生物とその利用      −−バイオマスリサイクルを支えるシロアリ−微生物複合系                     新里 尚也/渡辺 吉雄  第7節 植物−−微生物複合生物系   山岡 正和  第8節 微生物−ヒト複合系利用技術      −−プロバイオティクスとプレバイオティクス   田中 隆一郎  第9節 ヒト複合微生物利用技術      −−ヒトと腸内細菌叢の共生   清水 精一 第4章 VBNC(viable but nonculturable)と遺伝子資源の利用  第1節 VBNC概念の背景   加藤 憲二  第2節 微生物ゲノムのFunctional Genomics   佐川 裕章/加藤 郁之進  第3節 新規微生物・遺伝子資源の探索   藤原 伸介 第5章 微生物の代謝  第1節 微生物代謝の概要   加藤 暢夫  第2節 糖質の代謝      山本 憲二  第3節 石油成分の分解    渡辺 一哉/濱村 奈津子  第4節 C1化合物の代謝    加藤 暢夫/由里本 博也  第5節 光合成        松岡 正佳/小川 隆平  第6節 嫌気的代謝      五十嵐 泰夫/石井 正治  第7節 メタン生成菌のエネルギー代謝   嶋 盛吾  第8節 新しい生理活性物質探査源としての未開拓粘液細菌の探索                 不藤 亮介/山中 茂 特別座談会 将来の大展開に向けて−第1編
第2編 微生物の操作法
第1章 観察法  第1節 顕微鏡による観察   1.光学顕微鏡       魚住 孝之/坂口 一紀   2.実体顕微鏡・光学顕微鏡による糸状菌の観察   矢口 貴志   3.蛍光顕微鏡     蛍光顕微鏡による細菌観察法 佐藤 孝子/     in situハイブリダイゼーション法 平山 仙子/     蛍光顕微鏡を用いた酵母菌の観察 阿部 文快/     レーザ顕微鏡等特殊光学顕微鏡 砂村 倫成/丸山 明彦/     電子顕微鏡による観察 大隅 正子/     走査プローブ顕微鏡 永井 浩二/鈴木 賢一  第2節 高圧顕微鏡の開発と実用   1.微生物・細胞   三輪 哲也   2.超臨界水中での生体物質の観察を目的とした     高温・高圧顕微鏡の開発   出口 茂/辻井 薫/掘越 弘毅 第2章 遺伝子発現法  第1節 細菌   1.大腸菌   川上 文清   2.枯草菌   関口 順一  第2節 酵母   1.Saccharomyces cerevisiae   原島 俊   2.メタノール資化性酵母による異種遺伝子発現   阪井 康能  第3節 糸状菌   北本 勝ひこ 第3章 遺伝子解析法  第1節 突然変異誘発法        加藤 純一  第2節 遺伝子マッピング       金井 保  第3節 遺伝子クローニング      金谷 茂則  第4節 DNAの塩基配列決定法      跡見 晴幸  第5節 PCR法             高木 昌宏  第6節 LCR法−−原理と方法論     江崎 聡  第7節 遺伝子の人為的改変      栗原 達夫  第8節 形質転換法          黒田 章夫  第9節 環境微生物の群集構造解析   稲垣 史生 第4章 微生物の培養法  第1節 培養の基本操作と培養装置   1.基本培養操作          小林 猛/佐藤 一博   2.工業生産の培養装置と操作法   佐藤 一博/小林 猛   3.通気撹拌培養の理論と実際    小林 猛/佐藤 一博  第2節 培養プロセスの様式と制御   1.微生物の生育速度論と数式モデル   塩谷 捨明   2.回分培養,流加培養,連続培養    塩谷 捨明   3.計測技術              塩谷 捨明   4.培養プロセスの制御         塩谷 捨明  第3節 個別培養方法の特徴と実際   1.高粘度培養  正田 誠   2.固体培養   正田 誠   3.嫌気培養   金井 保   4.透析培養   正田 誠   5.混合培養の実際(その1):活性汚泥法     古川 憲治   6.混合培養の実際(その2):有用物質の生産   横田 篤   7.高圧培養   加藤 千明 特別座談会 将来の大展開に向けて−第2編
第3編 微生物の応用技術
第1章 伝統的バイオテクノロジー  第1節 酒類の製造   1.ビール         柴田 和憲   2.ワイン醸造における微生物の関与   庄内 文雄   3.日本酒(清酒)     梅原 康夫   4.焼酎          下田 雅彦  第2節 調味料の製造   1.味 噌          安平 仁美   2.醤 油          吉井 寛依/細谷 広志/諸沢 英明/本村 敏明   3.食 酢          森  浩孝/上中居和男  第3節 発酵乳製品   1.チーズの微生物      水谷 潤   2.ヨーグルトの微生物    水谷 潤  第4節 納豆菌のバイオテクノロジー    伊藤 義文  第5節 パンの製造      河合 弘康 第2章 代謝制御発酵−−アミノ酸,核酸,抗生物質生産,     メタボリックエンジニアリング  第1節 代謝制御発酵とは   中森 茂  第2節 アミノ酸       中森 茂  第3節 核酸−−うま味ヌクレオチド    柴井 博四郎  第4節 抗生物質       庄村 喬  第5節 メタボリックエンジニアリング   清水 浩 第3章 遺伝子組換え体を用いた新機能の導入  第1節 医薬分野   1.組換えヒト成長ホルモンの製造    穂積 龍信   2.インターロイキン-2および-6(IL-2,6)の大腸菌での発現生産                       安枝 寿/松井 裕   3.エリスロポエチン          大橋 秀哉   4.組換えヒトインスリンの製造     穂積 龍信   5.遺伝子改変ヒトG-CSF         横尾 義春/久我 哲郎   6.トロンボポエチン          加藤 尚志   7.遺伝子組換えヒト血清アルブミン   小林 薫  第2節 食品分野   1.チーズ産業におけるムコールレンニンとウシキモシン                       山下 隆/城之内 末治   2.トランスグルタミナーゼ       横山 敬一/小林 克徳/安枝 寿  第3節 その他の分野   1.酵素:診断薬   手嶋 眞一/山本 和巳/西矢 芳昭   2.EGF:羊採毛    高木 広明 第4章 環境浄化  第1節 バイオレメディエーション技術   矢木 修身  第2節 排水中の有機物,BOD除去      中村 和憲  第3節 活性汚泥微生物による下水からのリン回収技術   大竹 久夫  第4節 排水の窒素除去とN2O抑止      祥雲 弘文  第5節 重金属の除去   1.水 銀      遠藤 銀朗   2.六価クロムの微生物処理   大竹 久夫  第6節 揮発性有機塩素化合物の分解・除去   1.TCE,PCE     矢木 修身   2.PCB        古川 謙介   3.ダイオキシン   近藤 隆一郎  第7節 微生物による石油汚染の浄化   珠坪 一晃/原山 重明  第8節 その他の有害汚染物質の分解除去   1.内分泌かく乱物質の微生物分解   大森 俊雄/吉田 貴子   2.農薬の微生物分解   福田 雅夫   3.合成高分子      河合 富佐子   4.悪臭物質       金川 貴博   5.排ガス中の窒素酸化物の除去    宮本 和久/永瀬 裕康/平田 收正  第9節 有害微生物の除去   1.赤潮の予防と駆除   今井 一郎/吉永 郁生   2.アオコ        齊木 博  第10節 バイオエコモニタリング     三宅 淳/中村 史 第5章 副産物,廃棄物の有効利用  第1節 酒かす類の利用   梅原 康夫  第2節 ビール酵母の利用−−乾燥酵母,酵母エキス   小林 富二男/加戸 久生  第3節 アミノ酸製造廃液の有効利用   吉村 実  第4節 酵素固体培養廃液物の利用−−廃ふすまの肥料化   酒井 敏秀 特別座談会 将来の大展開に向けて−第3編
第4編 微生物の生体成分利用
第1章 生体触媒の利用  第1節 微生物酵素   1.工業用酵素:洗剤      伊藤 進   2.工業用酵素:デンプン加工  栗木 隆   3.工業用酵素:その他     上島 孝之/内田 博之   4.物質生産のための生体触媒の探索と開発   清水 昌  第2節 その他の生体触媒   1.高効率リボザイム発現系の開発   澤田 愼矢/多比良和誠   2.抗体触媒    藤井 郁雄 第2章 機能性生体成分の利用  第1節 脂 質    中原 東郷  第2節 ビタミン   和泉 好計/大城 隆  第3節 バイオサーファクタント   森川 正章  第4節 生分解性プラスチックとしての微生物ポリエステル   福居 俊昭  第5節 バイオポリマー−−エキソポリサッカライド      飯塚 勝 第3章 分析法  第1節 遺伝子分析法   1.環境中の微生物モニタリング   山口 進康/那須 正夫   2.遺伝子診断法        高木 昌宏   3.LCR法による変異の検出    江崎 聡   4.DNAチップ(マイクロアレイ)の利用による     遺伝子発現の解析      峰野 純一/加藤 郁之進  第2節 酵素を用いる生体成分分析と診断薬としての利用      −−酵素的測定法     西矢 芳昭  第3節 バイオセンサ       横山 憲二 特別座談会 将来の大展開に向けて−第4編
第5編 微生物の将来展望
第1章 微生物による炭酸固定  第1節 炭酸固定経路           跡見 晴幸  第2節 光合成細菌(ラン藻も含む)    藤井 貴明  第3節 化学合成独立栄養微生物      石井 正治  第4節 微生物による新規炭酸固定反応   乾 将行/湯川 英明 第2章 バイオエネルギーの生産  第1節 バイオマスの利用         桑原 正章  第2節 生物的水素生産          淺田 泰男/三宅 淳/宮本 和久  第3節 生物的メタン生産         西尾 尚道/中島田 豊  第4節 生物的石油生産          今中 忠行  第5節 複合酵素反応によるATPの生産    藤尾 達郎  第6節 静止菌体のATP再生活性を利用した物質生産法   藤尾 達郎 第3章 グリーンテクノロジー−廃棄物処理,ゼロエミッション,リサイクル  第1節 世界の動向,日本の動向      倉根 隆一郎  第2節 ボトルネックとポテンシャル    倉根 隆一郎  第3節 LCAとグリーンテクノロジー     稲葉 敦  第4節 ケーススタディ   1.グリーンプロダクト          伊藤 進   2.ゼロエミッションネットワークとグリーンテクノロジー   吉田 弘之  第5節 R & Dとオポチュニティー       倉根 隆一郎 特別座談会 将来の大展開に向けて−第5編/本ハンドブックの結びに代えて       −−微生物利用の未来展望「ヒトよりすごい微生物遺伝子」



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