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食品と栄養サプリメント
〜健康と疾患時におけるその役割〜

[コードNo.03NTS070]

■著者/ J.K.Ransley・J.K.Donnelly・N.W.Read 編著
■監訳/ 茂呂沢 朋子
■体裁/ B5判 並製 252頁
■発行/ 2003年 9月 1日
(株)エヌ・ティー・エス
■定価/ 30,140円(税込価格)


栄養サプリメントについて科学的根拠に基づいた効果、可能性のあるリスクについて詳述した専門書。
第1部:サプリメント市場の飛躍的な成長の概説、疾患や年齢による栄養素の必要量、プラシーボとしての効果など、
     保健専門家に必要な一般知識を解説。
第2部:病気の原因論、予防、治療におけるサプリメント(ビタミンB6・葉酸・抗酸化物質・植物性エストロゲン・
     プレバイオティクス・プロバイオティクス)の科学的役割について詳述。
第3部:冠動脈性心疾患およびリウマチ性関節炎を例に挙げ、栄養素や食品成分が病気の予防と治療に果たす役割の評価。


発刊にあたって

 本書『食品と栄養サプリメント−健康と疾患時におけるその役割』は,Food and Nutritional Supplements: Their Role in Health and Disease / J.K. Ransley, J.K. Donnelly, N.W.Read (Springer-Verlag 2001)の全訳であり,この成長著しい分野を科学的証拠に基づき解説したものである。  ここ数年の「健康ブーム」を反映して,日本でもサプリメントが急速に定着しつつある。少し前まではビタミン剤くらいしか一般に売られていなかったのが, 最近では薬局などでサプリメント専用コーナーが設けられているほどである。手頃な価格のものが増え,コンビニやスーパーなどでも売られるようになり,誰にでも手軽に入手できるようになった。 新聞,雑誌,テレビなどでも毎日のように記事や広告を目にするようになり,一般に販売されている種類も増える一方である。
 本来,日本人が一般的に摂ってきた食事は欧米型のものと比べて,栄養のバランスがとれているといわれている。 健康志向を受けて,欧米で和食が一時期ブームになったのもその表れであろう。 しかし,日本人の食生活やライフスタイルの西洋化が進むにつれて,日本人も欧米人のように,健康の維持や増進のために栄養補助食品やサプリメントで食事を補う必要性を感じているのかもしれない。 それが現在のちょっとしたサプリメントブームにつながっていると思われる。 しかしながら,漠然と「身体にいい」ということは分かっているものの,なぜいいのか,具体的にどのような効果・作用があるのかは分からないまま摂取している人も多いのではないだろうか。
 本書の特徴は,主な対象読者を医師,看護師,薬剤師などの保健専門家としていることである。 サプリメントの需要が増えるにつれ,専門家たちに相談したり,専門的な意見を求めたりする人が増えている。 しかし,専門家たちも一般消費者同様,多くの知識を一般報道などから得るしかないのが現状である。 そのような専門家たちの手引きとなるべく編集されたのが本書である。 市場動向,専門家が栄養について知る必要性,健康と疾患における栄養素の役割などから始まり,議論の対象となっているいくつかの栄養素を具体的に検証し,最後は二つの疾患を例にあげて, その予防や治療におけるサプリメントの果たしうる役割を説明している。 各章の著者は全員栄養学者など専門家であり,あくまでも科学的証拠に基づき,サプリメントの効果だけでなく,可能性のあるリスクなども紹介している。
 専門家を主な対象としているだけに,内容もかなり専門的となっている。 「サプリメント先進国」である欧米同様,日本でも今後,保健専門家が栄養やサプリメントに関する相談を受けるようになることは十分に考えられるので,そのための手引きとして是非読んで欲しいと思う一冊である。 また,本文を読んでわかるように,効果に関する(同様に,可能性のある有害作用も)決定的な証拠がないものも多い。 当該分野は発展途上にあり,これからさらなる研究がなされるものと思われる。 そのような研究に携わる人にも入門書的な役割を果たすであろう。
 一般読者には難解な部分も多いかもしれないが,一般報道などで目にする奨励的な記事ばかりでなく,科学的根拠や考えられる有害作用などについて, 一歩進んだ知識を得たいと思っている人には満足のいく内容となっている。 目移りするほど多くの種類が販売されているサプリメントを選ぶ際の参考にされたい。
                                                          2003年8月  茂呂沢 朋子


詳細目次

出版にあたって
監訳者プロフィール
序文
著者紹介

1.食品・栄養サプリメントの台頭−市場の概要
1.1 はじめに 1.2 多様な商品 1.3 サプリメントとして何が摂取されているか  1.3.1 肝油  1.3.2 総合ビタミン剤  1.3.3 単一ビタミン剤  1.3.4 月見草オイル  1.3.5 ミネラル剤  1.3.6 ニンニク製品  1.3.7 機能食品 1.4 西欧における成長 1.5 ビタミン剤,ミネラル剤および栄養補助食品のメーカー 1.6 ビタミン剤,ミネラル剤および栄養補助食品の小売り流通 1.7 この市場の成長を後押ししている力  1.7.1 加齢とライフスタイルの変化が市場を動かす  1.7.2 自己治療への傾向   1.7.2.1 病気に対する心配が需要を喚起する   1.7.2.2 薬局の変化   1.7.2.3 プライマリー・ヘルスケアの変化 1.8 サプリメントの利用者は,本当にサプリメントが必要なのか 1.9 市場規制 1.10 ビタミン剤,ミネラル剤および栄養補助食品の展望 1.11 結論 1.12 参考文献
2.保健専門家はなぜ,栄養についてさらに詳しく知る必要があるのか
2.1 はじめに  2.1.1 食事が病気に及ぼす影響 2.2 私たちの知識欲 2.3 保健専門家−信頼のおける栄養情報源となりうるか 2.4 栄養学−孤立した専門分野 2.5 栄養について助言するうえでの障害 2.6 保健専門家の最新の役割−新たな取り組み  2.6.1 一人ひとりのニーズに合わせた食事の助言  2.6.2 人によって異なる食事のニーズ  2.6.3 医薬品と栄養素の相互作用  2.6.4 保健経済学における食事の影響 2.7 結論 2.8 参考文献
3.健康なときと疾患時における栄養素の所要量
3.1 はじめに 3.2 どの栄養素がどれだけ必要か 3.3 1日標準栄養価 3.4 目標の達成 3.5 妊娠と授乳−栄養の生涯を通じた健康への影響 3.6 離乳のプロセス 3.7 幼児期 3.8 低学年学童期 3.9 青年期 3.10 成人期 3.11 老年期 3.12 結論 3.13 参考文献
4.プラシーボと万能薬−栄養サプリメントの治癒効果
4.1 非常に多くの人々が不調を感じる理由 4.2 プラシーボまたは治癒効果 4.3 プラシーボ治療に反応する人 4.4 プラシーボとしての栄養サプリメント 4.5 プラシーボを栄養サプリメントとして処方,販売することの倫理 4.6 参考文献
5.抗酸化物質と栄養と健康
5.1 はじめに 5.2 変性疾患における遊離基のかかわりと抗酸化物質による調節 5.3 がんの原因論 5.4 心血管疾患の原因論 5.5 抗酸化栄養素による病気の危険性の低下 5.6 がん 5.7 心血管疾患 5.8 参考文献
6.ビタミンB6の栄養的利用と非栄養的利用
6.1 はじめに 6.2 ビタミンB6の代謝と代謝機能 6.3 必要量と基準栄養素所要量 6.4 高レベル摂取の潜在的効能−ホモシステイン代謝 6.5 ビタミンB6の薬理学的利用  6.5.1 経口避妊薬の副作用  6.5.2 耐糖能低下と糖尿病  6.5.3 うつ病  6.5.4 月経前症候群  6.5.5 つわり  6.5.6 手根管症候群  6.5.7 高血圧 6.6 ビタミンB6との薬物相互作用 6.7 ビタミンB6の毒性 6.8 参考文献
7.葉酸と病気の予防−解明までの長い道のり
7.1 はじめに 7.2 葉酸塩による神経管欠損症予防 7.3 他の先天性異常と葉酸塩 7.4 葉酸塩,ホモシステインと閉塞性血管疾患 7.5 葉酸塩所要量とその供給方法 7.6 食生活の変化 7.7 サプリメント 7.8 食品の栄養強化 7.9 結論 7.10 参考文献
8.食品への微量栄養素の添加
8.1 はじめに 8.2 歴史的背景 8.3 用語の定義 8.4 食品に栄養素を添加することの根拠 8.5 政策の検討材料 8.6 食品に微量栄養素を添加する法的側面 8.7 食品への微量栄養素添加の有効性 8.8 参考文献
9.健康におけるプロバイオティクスとプレバイオティクス
9.1 はじめに 9.2 健康に関わるプロバイオティクス細菌の概説  9.2.1 はじめに  9.2.2 プロバイオティクスと食事調整  9.2.3 プロバイオティクス細菌の概念  9.2.4 プロバイオティクス菌株の選択  9.2.5 結論 9.3 健康におけるプレバイオティクスの概説  9.3.1 はじめに  9.3.2 プレバイオティクス  9.3.3 難消化性オリゴ糖の難吸収性  9.3.4 大腸内の発酵作用−プレバイオティクス効果  9.3.5 消化器官における生理学的効果  9.3.6 プレバイオティクスと結腸がんの危険性  9.3.7 健康に対するプレバイオティクスの有益性  9.3.8 結論 9.4 参考文献
10.植物性エストロゲンと健康
10.1 はじめに  10.1.1 植物性エストロゲンとは何か,何に含まれているか  10.1.2 イソフラボン類  10.1.3 クメスタン類  10.1.4 リグナン類 10.2 食事による摂取  10.2.1 ベビーフード  10.2.2 要点  10.2.3 健康への影響 10.3 心疾患  10.3.1 植物性エストロゲンには血中コレステロール濃度を下げる可能性がある  10.3.2 冠動脈性心疾患リスクに対するその他の効果の可能性  10.3.3 要点 10.4 がん  10.4.1 植物性エストロゲンの一般的な作用  10.4.2 乳がん  10.4.3 前立腺がん  10.4.4 その他のがん  10.4.5 要点 10.5 骨粗鬆症 10.6 要点 10.7 更年期障害  10.7.1 要点 10.8 有害作用の可能性 10.9 結論と推奨 10.10 参考文献
11.冠動脈性心疾患の予防と治療における栄養補助食品とその役割
11.1 はじめに 11.2 証拠 11.3 CHDを予防する食生活改善の初期の試み 11.4 食事療法試験  11.4.1 魚  11.4.2 ナッツ類  11.4.3 食物繊維 11.5 ホモシステイン 11.6 抗酸化物質  11.6.1 ビタミンC  11.6.2 β-カロチン  11.6.3 ビタミンE 11.7 アルコール 11.8 植物ステロールとスタノール 11.9 結論 11.10 参考文献
12.リウマチ性関節炎における魚油補充摂取の科学的根拠
12.1 はじめに 12.2 食事に含まれる脂肪酸 12.3 免疫系  12.3.1 免疫系とは何か,またどのように機能するのか  12.3.2 免疫系内の伝達−サイトカイン  12.3.3 炎症  12.3.4 免疫反応の統合  12.3.5 健康と疾患における免疫系 12.4 リウマチ性関節炎 12.5 エイコサノイド−脂肪酸と免疫系の関係  12.5.1 エイコサノイド合成  12.5.2 炎症と免疫におけるエイコサノイドの役割  12.5.3 エイコサノイドとリウマチ性関節炎  12.5.4 魚油とエイコサノイド 12.6 免疫機能における魚油の作用 12.7 魚油のリウマチ性関節炎への介入 12.8 結論とコメント 12.9 参考文献
索引



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