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塗工・乾燥プロセス技術の基礎とノウハウ
−Roll To Roll塗工・乾燥の開発から製造まで−

〜各種塗工方式・乾燥・塗工液・スケールアップ・トラブル対策〜

[コードNo.26STM093]

■体裁/ B5判 並製本 241頁
■発行/ 2026年 5月20日 サイエンス&テクノロジー出版(株)
■定価/ 55,000円(税・送料込価格)
■ISBNコード/ 978-4-86428-337-3

著者

 AndanTEC 代表 (元富士フイルム(株)) 浜本伸夫 氏


【著者紹介】

[経歴]
1992年 北海道大学 工学部 合成化学工学専攻 修士修了
同年   富士写真フィルム 塗工を中心としたフィルム生産工程業務に従事
2007年  同 社 フラットパネル生産部 主任技師(管理職)
2013年 サムスン電子 総合技術院 素材開発センター 主席研究員 新素材開発に従事
2019年 栗村化学 工程開発チーム長 粘着フィルム・離型フィルム等の工程開発
2021年 米国 Zymergen社 シニアマネージャー バイオ由来ポリイミド開発
2022年 ミドリ安全 商品開発部 ジェネラルマネージャー ニトリルゴム手袋開発
2023年 AndanTECとして執筆・講演・コンサル業に専念
2026年 Roll To Roll研究会(Japan Roll To Roll Asociation)を設立、代表に就任

[専門] 塗工/Roll To Roll製造/クリーンルーム/静電気


書籍趣旨

  機能性フィルムの開発や製造の課題を遂行する際、欠陥やトラブルに悩まされることが多いであろう。筆者自身、生産技術の研究部門で塗工理論を学んだ後に、 製造部門の技術者として、生産性や品質向上に従事したが、塗工に関する論文は学術的すぎで、現場で得られる情報はノウハウに偏りがちであり勘所を掴むまで時間を要した。
 本書は、主にRoll To Roll 塗工・乾燥の開発から製造までに携わる初学者から経験者までを対象にまとめたものである。塗工方式は汎用のスロット塗工を中心に、グラビア、ブレード、さらには実験で活用するスピン方式まで全方位的に詳説した。乾燥についても、汎用の熱風乾燥に加え、赤外線方式や実験室のホットプレートとの違いなどをまとめた。さらに、塗工液の表面張力や粘性に関する基礎的考え方や、製造中の異物と対策、機能性フィルムのハジキや風ムラに影響するクリーンルーム設計についても詳説した。
 理論と現場の実践力を網羅した塗工技術が皆様から広まれば、機能性フィルム業界の発展にもつながるであろう。本書を読まれた皆様が塗工製造技術を高め、新しい機能性フィルムの開発や製品の品質向上を実現されることをお祈り申し上げる。
(「はじめに」より編集)


目次

   
まえがき
第1章Roll To Roll塗工方式の分類
はじめに
1. フィルム製品の歴史と分類
2. 種々の塗工方式と塗工範囲
3. 前計量と後計量
4. ダイ塗工は三種しかない
5. 量産におけるRoll To Roll工程
6. 実験室で活用されるバッチ方式
第2章スロット塗工
はじめに
1. 塗工分野におけるスロット塗工の位置付け
2. スロット塗工による薄塗りと厚塗り
 2.1 スロットダイの構造
 2.2 薄層塗工の理論と実際
 2.3 厚塗り塗工の操作条件(背面減圧を使わない場合)
 2.4 より薄く、より厚く(OverBiteとUnderBite)
3. 同時重層塗工
 3.1 重層スロットダイ
 3.2 粘度バランス
 3.3 中間リップの流動(上下層の界面位置)
 3.4 留意点
4. スロット塗工のテンションド・ウェブ方式
 4.1 リップ形状とフィルムにかかる面圧
 4.2 塗工可能領域
 4.3 スロット渦とWet膜厚
 4.4 リップ形状と塗工可能領域
5. スロットダイの設計
 5.1 構造の分類
 5.2 マニホールドとスロットの役割分担
 5.3 マニホールドとスロットの流動(円管と平行平板間のHagen-Poiseuille式)
 5.4 塗布量分布を生じる要因
 5.5 塗布量分布を均一化する方法
 5.6 塗工端部の厚み調整方法
6. 塗工液の非ニュートン粘性と剪断速度
 6.1 指数則(Power Law)
 6.2 塗工位置と剪断速度
 6.3 Couette-Poiseuille式によるビード部の剪断速度の見積もり
 6.4 Sakiadisの境界層理論による動的接触点近傍の剪断速度の見積もり
7. 非ニュートン粘性を考慮したスロットダイ設計
 7.1 スロット偏差起因の塗工量分布への影響
 7.2 マニホールド圧損起因の塗工量分布への影響
8. LIB電極の両面塗工と間欠塗工
 8.1 テンションドウェブ方式による両面塗工
 8.2 間欠塗工
 8.3 塗付け厚塗りの緩和策(バルブ・ポンプ・ギャップの連動)
 8.4 ビード物質収支による厚塗りの考察
 8.5 塗り終わりのスダレと厚み調整
 8.6 数値シミュレーション
9. 塗工品質向上に有効な付帯設備
 9.1 バックアップロール振動と撓みの対策
 9.2 ヒートロールによる巻き芯写り対策
 9.3 背面減圧の圧力振動と立ち上がりの両立(バッファとオリフィス)
第3章ブレード塗工(ナイフ塗工)
はじめに
1. コンマコーター®の構造
2. 塗工量の見積もり
 2.1 平行な間隙を通過する場合(Couette流)
 2.2 直線ナイフの狭まり流路を通過する場合(潤滑流動モデル)
 2.3 コンマコーター®の場合
3. コンマロールの変形対策
4. 液溜めとバックプレートの設置方法
第4章グラビア塗工
はじめに
1. グラビアの三大要素
2. 第四の要素:ドクターブレード
3. グラビア塗工方式の分類
4. グラビアシリンダー
5. グラビアロール版
 5.1 格子型(Quadra Gravure)
 5.2 ピラミッド型(Pyramid)
 5.3 斜線型(TriHelicoid)
 5.4 斜数(口径)とセル容積
 5.5 セルから基材への転写と濡れ性
6. フォワード方式(正転)
 6.1 ギャップと液溜まり
 6.2 リブ(スジ)欠陥の原因と対策
 6.3 塗工厚み
7. リバース方式(反転)
 7.1 転写側メニスカスとリブ(スジ)
 7.2 DCL側メニスカスとカスケード
 7.3 塗工可能領域
 7.4 塗工厚み
8. ドクターチャンバー方式
9. マイクログラビアTM方式
10. グラビア塗工の特許出願
11. ドクターブレードについて
 11.1 ドクターブレードの当て角
 11.2 ドクターブレードの種類
 11.3 平行刃
 11.4 三角刃
 11.5 材質
 11.6 耐摩耗
 11.7 当て板とホルダー
 11.8 ドクターブレードによる掻き落とし
 11.9 ロール塗工の掻き落とし
 11.10 エッジ処理
第5章バー塗工
1. 薄塗りに適したバー塗工
2. ワイヤーバーと溝付きバー
3. ワイヤー筋のレベリング
4. 塗工量の見積もり〜実験室の手塗りバー(無回転)と量産バー(回転)
5. リブを避けるために
 5.1 発生機構と対策
 5.2 リブ発生速度の見積もり
6. 段ムラの回避策
 6.1 バー芯金の作り方
 6.2 受け座の形状
 6.3 駆動系
 6.4 カップリング(軸継ぎ手)
まとめ
第6章ディップ塗工
はじめに
1. ディップ塗工の歴史
2. 薄塗りと厚塗り
 2.1 薄塗り(毛管駆動)
 2.2 厚塗り(排出駆動)
3. 排出区間ごとの挙動 
4. 定常厚みの理論
5. 実際の塗工厚み
まとめ
第7章スピン塗工
1. 実験と量産
2. 原理説明
3. 膜厚の推移
4. 終盤の乾燥支配
5. ペロブスカイト太陽電池のスピン塗工による開発事例
 5.1 スピン塗工によるサンプル作製
 5.2 ガス供給の影響
 5.3 Roll To Roll化の留意点
第8章メニスカス塗布(キャピラリーコート法)
はじめに
1. メニスカス塗布方式の概要
2. キャピラリーコート法
3. ペロブスカイト太陽電池の1ステップ・メニスカス塗布法
4. スロット塗工との違い(後計量)
第9章乾燥
はじめに
1. 熱風乾燥の三要素
2. 熱風乾燥の乾燥速度式
3. 量産設備における乾燥風の取り回し
4. ガス濃度および膜温把握に有用な空気線図
5. 飽和蒸気圧の温度依存性
6. 水以外の溶媒における空気線図
7. ルイス数とは?(物質拡散と熱拡散の比)
8. 蒸発潜熱の推算
9. 飽和蒸気圧の温度依存性の推算(アントワン式の定数)
10. 爆発下限界(LEL)
11. 定率乾燥と減率乾燥
12. 限界点と仮想点
13. 減率乾燥以降の乾燥速度計算
14. 減率乾燥を実測で見積もる方法
15. 乾燥ノズルの形態と乾燥能力
16. 残留溶媒の調整(絶乾と調湿)
17. 分散系の乾燥(偏析・沈降・凝集)
18. 実験室の乾燥(スピン塗工)
19. 実験室のホットプレート乾燥
20. 赤外線乾燥
 20.1 輻射と赤外線の分類
 20.2 赤外線波長と溶剤の吸収
 20.3 熱風との比較
 20.4 近赤外線波長制御ヒーター
 20.5 炉内の送風による冷却
 20.6 LIBの偏析改善
21. 塗工室の風ムラ対策
 21.1 塗工室の差圧管理
 21.2 塗工室の気流解析
 21.3 密度流と塗膜の遮風
第10章表面張力
はじめに
1. 水系塗工における表面張力の重要性
2. 環境問題で再評価され始めた水系塗工
3. 界面活性剤の添加量と表面張力
4. 表面張力の塗工性への寄与
5. 表面形成後の界面活性剤の拡散と配向
6. 表面拡張と表層収縮
7. 最大泡圧法による動的表面張力測定
8. 動的表面張力の濃度依存性
まとめ
第11章基材の濡れ性
はじめに
1. 接触角
2. Wenzel理論
3. Cassie理論
4. UVによる表面改質
第12章塗工液の濃度と粘度
はじめに
1 微粒子を含む液の粘性
 1.1 希薄溶液
 1.2 高濃度液
2. 高分子溶液の粘性
 2.1. 一本の高分子鎖の状態
 2.2 高分子鎖の重なり合い
 2.3 非ニュートン性への影響
3. 温度の影響
まとめ
第13章Roll To Roll工程のクリーン化
はじめに
1. クリーンルーム
2. 換気頻度
3. エアフィルターの塵埃捕捉能力
4. 塗工室の気流と風ムラ
5. クリーン度診断
6. フィルムの除電
 6.1 静電気が塵埃付着に及ぼす影響
 6.2 各種除電方式
 6.3 除電器とフィルムの距離
 6.4 放電電極の劣化
 6.5 電極の設置位置
 6.6 パスロールとの位置関係
まとめ
第14章Roll To Roll解析ツール
あとがき



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